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【政治】「旧優生保護法は国が認めた法律」 救済は政府の責任旧優生保護法(一九四八~九六年)下で障害者らに不妊手術が繰り返された問題を巡り、与野党が一時金三百二十万円を柱とする救済法案をまとめた。「障害者差別に当たる」として同法が母体保護法に改正されて二十三年。国は被害者の救済にどう向き合うべきか。二〇〇一年、当時の小泉純一郎首相にハンセン病訴訟の国の控訴断念を進言した坂口力元厚生労働相(84)に聞いた。 (柚木まり、安藤美由紀) -与野党案の評価は。 「自分たちがしてきたことに対する謝罪も含まれているし、一時金も額はともかくとして盛り込まれた点は評価できる。ただ、正式なことはこれからで、本格的に(補償金を)どれだけ出すか、政府として結論を出してほしい」 -救済法案はハンセン病の救済法を参考にした。 「旧優生保護法は議員立法によって成立したが、国が認めた法律であることに変わりはない。問題があるなら国が解決しなければならない。国が被害者に対してどう責任を取り、おわびの行動を取るか。その中身こそが重要になる」 -ハンセン病訴訟で控訴断念を進言した理由は。 「(当時)厚労省の職員は、忠実に法律を守ってきたという主張だった。しかし、ハンセン病の治療法が確立し、治ることがはっきりしているのに患者の隔離政策を続けた。法律の背景に変化が生じたら、法そのものを見直すべきだというのが私の考えだった」 -ハンセン病患者の中にも、不妊手術を受けさせられた人たちがいた。 「らい予防法の議論の中心は隔離政策にあった。子孫を残さないために不妊手術をしたことは問題には挙がったが、『控訴断念』という言葉に全てを含めてしまった。旧優生保護法によって障害などを理由に不妊手術が行われた実態が取り上げられないまま、母体保護法に改正されたことに非常に大きな問題があった」 <さかぐち・ちから> 1934年、三重県生まれ。医学博士。公明党特別顧問。72年衆院選で初当選。93年の細川内閣で労働相、2001年の省庁再編で統合された初代の厚生労働相。12年に政界引退。
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