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【大相撲】

クルリ、クルリ!白鵬、大逆転 小手投げで8日目勝ち越し記録47に

2019年3月18日 紙面から

白鵬(右)は栃煌山を小手投げで下す(北村彰撮影)

写真

◇春場所<8日目>

(17日・エディオン アリーナ大阪)

 横綱白鵬(34)=宮城野=がひやりとさせられながらも栃煌山を小手投げで下し、一人だけ初日から8連勝で勝ち越しを決めた。元横綱千代の富士の持つ年6場所制以降の横綱最高齢優勝記録などを目標に掲げ、後半の土俵に挑む。大関とりに挑む関脇貴景勝(22)=千賀ノ浦=は遠藤を突き出しで破り6勝目。初日から7連勝していた逸ノ城(25)=湊=は大関栃ノ心に寄り切られた。

 白鵬は、それでも負けなかった。栃煌山に背後をとられ万事休すかと思われたが、そこからクルリと反転させると、寄られながら左からの小手投げ。これが見事に決まった。信じられない光景を見せられた観客のざわめきは、しばらく消えることがなかった。

 冷静なのは白鵬だけだった。「まあ、立ち合いがちょっとよすぎたのかな。よすぎた分、いなされました」と自己分析。危なかったという声には「それはもう、後ろに回られてますからね。体勢を直して振り返ってみた、という感じだと思います」と何事もなかったような表情で答えた。

 自己記録を更新する47回目の8日目での勝ち越し。「何回目でしたっけ? 47回? 気持ちいいもんだねえ」。逸ノ城に土がつき、単独トップとなり「あと1週間、引っ張っていこう」と最高の気分で折り返す。

 目標に掲げるのが、千代の富士が35歳5カ月で達成した横綱としての最高齢優勝(年6場所制以降)だ。「土俵に上がるからには、そういうものを追いかけていきたい。その中で若手の壁になっていかなきゃいけない」

 千代の富士が33歳から積み上げてきた優勝8回という数字も意識する白鵬は、今も千代の富士のビデオを見ることがある。「まあ、顔つきというのかな、そういうのが落ち着き払ってるというかね。雰囲気を持っていますね」と全体像を感じ取っている。

 その雰囲気。まるでこの日の白鵬のようだ。9日目は初場所で不覚をとった御嶽海戦。次は壁になる。 (岸本隆)

 

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