田中が初防衛戦を完勝し、WBOスーパーフライ級王座を巡って互いに、日本人初の4階級制覇を狙う井岡一翔(29)=K2プロモーションズ=とのドリームマッチ実現に一歩前進した。
田中陣営は年内は防衛戦に集中する予定だ。しかし、2試合ほど防衛戦を重ねた先の2020年には、スーパーフライ級に階級を上げる計画もある。田中が初めて世界のベルトを巻いたのは、15年5月のWBOミニマム級。「チャンスを初めてくれたところ」と、田中自身もWBO王者の思い入れが強いのも好材料だ。
どちらかが王者となってのタイトルマッチか、それとも両者による王者決定戦となるかなど、タイミングのハードルはある。さらに、井岡は日本ボクシングコミッション(JBC)のライセンスを喪失。国内のリングに上がれないため、田中にとっては初の海外戦というリスクもある。
しかし、田中は初防衛戦に田口を選んだように、ファンが望むような強敵とのマッチメークを好む。井岡についても「トップ選手なんで(常に)頭にある。尊敬している」と話す。
「4階級制覇も視野に入れている。いい機会があれば」と田中。階級の体重増にも「問題はない」と言い切る。陣営の思惑やタイミングさえ合えば、五輪イヤーのビッグマッチは決して夢物語ではない。 (末松茂永)