ボクシングのWBOフライ級王座を初防衛した3階級王者の田中恒成(23)=畑中=が17日、名古屋市内で記者会見し、今後について「興味があるのは統一戦」と他団体のベルトを視野に入れている考えを明かした。一方、陣営は年内にも4階級制覇へ挑戦する可能性に言及した。
元WBA・IBFライトフライ級統一王者の田口良一(32)=ワタナベ=との激闘から一夜明け、田中はサングラス姿で登場。目元を腫らした顔が、田口との壮絶な打ち合いの名残だった。「ほぼ納得してない。もらいすぎた。防御に関しては×寄りの△」と辛口の自己採点。それでも、約3年越しのラブコールが実った相手との初防衛戦は「良い試合ができたことに変わりはない」と晴れやかに振り返った。
2戦連続で日本人対決を制した。畑中清詞会長(52)=元WBCスーパーバンタム級王者=は「防衛、防衛」と2度繰り返したものの、今後については白紙を強調。早期のスーパーフライ級転向も否定しなかった。その場合、同じく3階級を制覇した井岡一翔(29)=SANKYO=との直接対決も視野に入ってくる。
統一戦を優先目標に掲げた田中は「防衛でも階級を上げるにしても、いい試合に決まるほうでやりたい」と柔軟な姿勢を強調。自身がラベルに採用された4・5リットル入りのお祝いの日本酒を報道陣にも振る舞うと、さらに心躍る試合を願うように「乾杯!」と明るく声を張り上げた。 (志村拓)