“平成最後”の園遊会 …出席者はどう決める?「お声掛け」は誰に?その舞台裏とは
- 平成最後の園遊会 雅子さまも15年ぶり全行程に参加
- 招待客の“推薦リスト”がある?舞台裏の「まめ知識」
- 両陛下は招待客全員の名簿に目を通される
雅子さまも全行程参加 “平成最後”の園遊会
9日、元赤坂の赤坂御苑で天皇皇后両陛下主催の「秋の園遊会」が開かれた。
お二人の退位を控えた来年春は開催されないことになり、平成最後の園遊会となった。
天皇皇后両陛下は退位後、園遊会に出席されない意向を示しており、両陛下にとっては最後の会。
そんな中、皇太子妃雅子さまが15年ぶりに園遊会の全行程に参加し、招待者とご歓談された。
「直撃LIVEグッディ!」では、戦後初めてとなった1961年の園遊会から映像で振り返り、スタジオでは園遊会の“まめ知識”を紹介した。
安藤優子:
今回、雅子さまが全行程に参加されるというのは、ご英断なんでしょうか?
山下晋司氏(皇室ジャーナリスト):
そうですね。最近、非常に体調がよろしいようにお見受けします。皇太子妃としては最後、天皇皇后になりますと今度は主催する方になりますので…最後の機会ですから、頑張って最後まで出てみようということだと思います。
安藤:
やはり今後のこともあって、皇后陛下のやり方などを学習するという意味合いもありそうですね。
山下氏:
あると思いますね。
大村正樹フィールドキャスター:
今回、招待客の数は2154人。毎回2000人以上の方が招待されています。
招待客の“推薦リスト”も?園遊会が開かれるまで
・出席者の半数~6割は首相、国会議員、地方議員、在日外交官など
・そのほかに各省庁が推薦した、メダリストなど各界功績者が招待される
山下氏:
国会議員は、議員全体の4分の1というのが枠になります。ですから、長く国会議員をやっておられると、単純に2年に1回は招待される計算になります。各界功績者は、各省庁からそれぞれ「功績のあった人を招待してください」という名簿が宮内庁に来るんですよ。
安藤:
なるほど、推薦リストのようなものがあるんですね。
私がすごいなって思うのは、“時の人”をきちんと抑えてらっしゃいますよね。たとえば金さん銀さんのように、必ずしも何か大きな功績を残した方というより、その時の国民に愛されている人を招待されるというのが素晴らしいなって思います。
高橋克実:
これって、招待者全員にお声掛けされるんですか?
山下氏:
いえいえ、それはとてもじゃないけど無理ですから、ゆっくりとお歩きになって、その園路の近くにいらっしゃる方にもご挨拶をされながら、テレビでも映像が流れる著名人の方にお声をかけます。著名人の方っていうのは、マスコミの方から「ぜひ声を掛けてください」と依頼しているんですよ。
【懇談内容が紹介される人たちはどう決まる?】
・宮内庁担当記者たちが“今年の顔”を選出
・担当記者が「この人との懇談内容を伝えたい」と思う人を宮内庁にオファーする
・欠席の可能性もあるので本人たちには当日知らせる
・オファーした招待者には事前にピンマイクを取り付ける
大村:
この写真も、白いモコモコが着物のアクセサリーにも見えますけど、実はこれがピンマイクなんです。マスコミの方で5人くらい選ばせていただいて、その声が放送されるんですね。ですから、それ以外の方とお話が盛り上がっても、なかなか放送には至らないんですよ。
安藤:
私がいつも驚くのは、サザエさんをご覧になっていたり、金メダルをいくつ獲っただとか、ふつうの記憶力じゃ覚えられないってくらいたくさんの方にお声掛けしてらっしゃいますよね。
山下氏:
お話する方の略歴は当然として、招待客全部の名簿は目に通しておられます。お祝い記帳ですとか、10万人であろうが20万人であろうが時間をかけて全部ご覧になっていて、国民の気持ちはきちんと把握されると言いますか、陛下も皇后陛下も常に大切にしておられます。こういった招待客もご自分が招待しているわけですから、当然すべての名簿は目を通しておられます。
土屋礼央:
うちの父が何度か両陛下と食事をさせてもらったことがありまして。緊張したそうなんですけど、質問のされ方がとても自然で、答えがすーっと出てくる。とても素敵な会話をさせてもらって、緊張がいつの間にかなくなったと言っていました。
山下氏:
そういう場の雰囲気づくりというのは、特に皇后陛下が常に心がけておられますよね。皇后陛下の幅の広さや深さ、教養がいろんなユーモアを生み出すと言うか…そういうユーモアで、相手の方はちょっと気持ちがやわらかくなるというか、緊張が解けるという話はよく聞かれますね。
(「直撃LIVE グッディ!」11月9日放送分より)