【自宅警備】
(じたくけいび)

<意味>ニート・引きこもりのこと。自宅警備員。「ただの穀潰しではない!自宅の警備・留守番をして居るんだ」というエクスキューズ。

はてなダイアリーキーワードより引用

新たな職業として海外に渡る?

 「世界一安全」といわれる日本。実際にデータを見てみると、日本の犯罪率(刑事犯罪件数/総人口)は1.92%で、米国の8.51%や英国の9.76%、韓国の3.26%と比べて格段に低いことが分かる(2000年国連調べ)。しかし、近年は凶悪な犯罪が相次いで報道されるなど、“体感治安”は下がる一方。こうした中で、家族や自分の家を守るために誕生した職業が「自宅警備員」だ。

 彼らの主な任務は、自宅の警備に加え、インターネットの検閲や維持、コンビニエンスストアまでの道のりのパトロールなど。中には自室のみを警備する「自室警備員」も存在する。日勤と夜勤があって選択は自由だが、つらい夜勤を選ぶケースが多い。問題点は、過酷な勤務にもかかわらず収入が低いこと。家族と同居しているならよいが、一人暮らしの場合は生活が苦しくなる。そのため、「自宅警備員」に専念せずにアルバイトを行う者も出てきている。

 この「自宅警備員」の正体は、近年、急増が問題視されているニートと引きこもりのこと。厚生労働省の「労働経済の分析(労働経済白書)」によると、ニート(若年無業者)は2002年~2005年の64万人から増加しておらず、2006年は62万人と減少に転じているという。しかし、巨大掲示板などの利用者は自称ながらもニートや引きこもりの割合が高く、彼らは日々罵声を浴びせられていた。そんな彼らに、自尊心を持てる“肩書き”として誕生したのが「自宅警備員」だ。

 ネットでは「自宅警備員」同士が語り合う場もあり、家族との衝突や現実との戦いなどの情報交換が行われ、「自宅警備だけじゃなくてネットやテレビ番組の監視をする仕事もしてるからかなり忙しい」「なかなかトイレも行けない。なんて厳しい仕事だろうか」「いまから夜勤始めます」など、言葉遊びのツールとしても使われている。また、「ソフマップ」のウエブチラシに「自宅警備員研修期間中の皆様、お疲れ様でございます」と記された際は、掲示板上で話題になった。

 ニートの発祥国といわれる英国では依然としてニートの数は多く、最近では中国でも増加しているという。さらなるグローバル化が予想される2008年、「自宅警備員」が海を渡る日も来るかもしれない。

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【未央力】
(みおりょく)

<意味>TBS「スーパーサッカー」アシスタントの加藤未央がスタジアムを訪れると、本来は有利であるはずのホームーチームが不思議と勝てないことが多かった。そのため、ホームチームのサポーターは「未央(のアウェー)力オソロシス」といったように、その不思議なジンクスに怯えていた。逆にアウェーチームからは「アウェーの女神」と呼ばれ歓迎された。

はてなダイアリーキーワードより引用

その呪いは2008年は解けるのか?

 白石美帆の後を受け、昨年1月からTBS系サッカー情報番組『スーパーサッカー』(土曜24時~)でアシスタントを務めているグラビアアイドル、加藤未央。高校時代(2001年)に講談社主催の「ミスマガジン」でグランプリに選ばれた後、1年間浪人して東京農業大学、応用生物科学部、バイオサイエンス学科に入学。「学業と芸能活動を両立させたい」との言葉通りCMや映画への出演をこなしながら2007年春に無事に卒業し、2007年4月と7月には資生堂「TSUBAKI」のCMに出演している。

加藤未央の公式サイト

 『スーパーサッカー』アシスタント就任後はJリーグの試合をよく観戦するようになり、1日に2試合観ることもあったという。しかし、この行為が一部のサポーターの間で大いに恐れられていた。なんでも、加藤未央が観戦した試合は本来有利であるはずのホームチームの勝率が極端に低いというのだ。

 ネットで散見される分析によると、彼女が観戦したとされる試合ではホームチームがかなりの割合で負けており、いつしかそれは「未央力」と呼ばれるようになる。番組で観戦を告知すると、ネットやブログではホームチームのサポーターから悲鳴が上がっていた。七夕に試合会場で行われたイベントでは、「未央ちゃんの呪いが解けますように」という願い事を短冊に書いたサポーターもいたのだとか。逆にアウエーチームのサポーターからは、“アウエーの女神”として歓迎されている。

 こうなると心配なのが、北京五輪やワールドカップ予選への影響だ。北京五輪は日本で試合をすることはないので“アウエーの女神”として、その効果に期待したいところ。一方、W杯予選のホームで彼女が観戦したら…。

 しかし、明るい(?)データもある。鹿島アントラーズに奇跡の逆転優勝をもたらした2007年のJ1今季最終節の横浜FC対浦和レッズ戦も観戦していたという噂もあり、このときはホームの横浜FCが勝利した。鹿島サポーターは“鹿島の女神”と称賛したという。これが事実なら、Jリーグ王者を左右するほどの恐ろしい力を持つことになるのである。もしかすると、未央力とはホーム、アウエーというよりも、「本来有利であるはずのチームが負けてしまう何らかの力」というのがその定義なのかもしれない。ネット上のアンケートでも浦和レッズが優勝を逃した原因の第8位に未央力がランクインしている。

 今回、はてなダイアリーキーワードとして「現代用語の基礎知識」に収録される未央力。この未央力が2008年も猛威をふるうのか? カミまくることでアシスタント続投が危ぶまれている加藤未央本人ともども注目しておきたい。

著者

コジマリョウヘイ(こじま りょうへい)

1975年東京生まれ。学生時代よりマスコミを志し、業界紙を発行する出版社に入社。03年からNarinari.comに参加し、出版社退社後は日々ニュースを書き散らしている。ほれ込んで購入したアメ車が1カ月で炎上するなど、運のなさは一級品。