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【大相撲】

炎鵬、これぞ馬刺シップ効果! 168センチ小兵が幕内へ連敗ストップ

2019年3月17日 紙面から

琴勇輝を送り出しで破る炎鵬=エディオンアリーナ大阪で(黒田淳一撮影)

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◇春場所<7日目>

(16日・エディオン アリーナ大阪)

 十両では、西2枚目で白鵬の弟弟子、炎鵬(24)=宮城野=が琴勇輝に勝ち4勝目。念願の幕内昇進に一歩、前進した。白鵬は正代を圧倒して7連勝。平幕逸ノ城も阿炎を破って勝ちっ放し。鶴竜は錦木の挑戦を退けて6勝目を挙げた。大関陣は豪栄道が御嶽海を、高安(29)=田子ノ浦=は北勝富士を下してともに1敗を堅持。かど番の栃ノ心は遠藤に敗れて3敗目。大関昇進を狙う貴景勝は大栄翔を突き出して5勝目を挙げた。

    ◇

 身長168センチ、体重100キロはともに関取衆の中で一番小さい。そんな炎鵬が右肩のけがをおして奮闘するのだから、館内が盛り上がらないわけがない。

 「何も考えず。がむしゃらに。無心で」。鋭く踏み込み、左の前まわしをつかみ、痛めている右からとどめの押し。琴勇輝を送り出し、連敗を3で止めてみせた。

 4日目の琴恵光戦で右肩を土俵に強打。それでも「精密検査はしてません。出場すると決めてるのに検査をしても」と強い意志で臨んでいる。

 その痛みを和らげてくれたのが、師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)からすすめられた『バサシップ』だった。

 けがした夜、師匠と部屋近くの魚介類を扱う飲食店に行くと、メニューに馬刺しが。現役時代に足を痛め、馬刺しを患部に貼ったら3連勝した師匠に言われ「食べても栄養あると思うけど、ペタペタとしばらく貼ってました」。かつては元横綱朝青龍もやっていた『バサシップ』。師匠は「それで肩が上がるようになった」とその効果を強調した。

 もちろん、専門的な治療も受けている。「できることは全部やって。骨は大丈夫。きのうまでは痛いとか、ひどくなったらどうしようとか考えてた。あとは気持ち」と前を向く。

 白鵬の内弟子として入門したが、横綱は「内弟子2人を従えての横綱土俵入り」を夢の1つにあげている。

 「早く恩返しをしたいという思いは、すごくあります。今場所、しっかり決めたいですね」

 白鵬が「体格差があるけど、気持ちで負けないで常に燃えて」と思いを込めてつけたしこ名。その名の通り内なる炎を燃やしていく。 

  (岸本隆)

<炎鵬晃(えんほう・あきら)> 1994(平成6)年10月18日うまれ、金沢市出身の24歳。168センチ、100キロ。本名は中村友哉。同市立西南部中時代は幕内輝と同期だった。金沢学院東(現金沢学院)高、金沢学院大を経て、2017(同29)年春場所、白鵬の内弟子として宮城野部屋に入門して初土俵。昨年春場所に新十両となった。最高位は今場所の西十両2枚目。得意は左四つ、下手投げ。

 

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