「第2次大戦時の爆撃と同じ効果」
ファーウェイ・マリンは、一帯一路やDSR計画で正式な役割は一切果たしていないと述べた。また同社は中国の法律で定められた共産党委員会は設置しているが、委員会には経営権限はないとも説明した。
中国の港湾都市・天津に拠点を置くファーウェイ・マリンは、海底ケーブル敷設船を扱う英グローバルマリンシステムズとの合弁会社として2008年に設立された。グローバルマリンは、1850年にイングランド・フランス間に世界初の海底電信ケーブルを敷設した会社の後継企業。
ファーウェイが株式の51%を保有。グローバルマリンが持つ49%の株式は放出される可能性がある。同社の親会社で元ヘッジファンドマネジャーのフィリップ・ファルコン氏率いるHC2ホールディングスは昨年10月、売却の可能性を探っていると明らかにした。そうなればファーウェイまたは他の中国企業が100%保有する可能性があるが、それには英当局の承認が必要になるかもしれない。
マーク・セドウィル英首相補佐官(国家安全保障担当)は2017年に開かれた議会公聴会で、海底ケーブルへの攻撃は「第2次世界大戦でロンドンの埠頭(ふとう)を爆撃したり発電所を破壊したりしたときと同じような効果」をもたらす可能性があると語った。
HC2とグローバルマリンは、ファーウェイ・マリンに関する質問はファーウェイに問い合わせるよう要請した。ファーウェイはコメントを差し控えた。
ファーウェイは現在、海底ケーブル業界で4位。業界は長年、米サブコムとフィンランドのアルカテル・サブマリン・ネットワークスの寡占状態にあり、日本のNECが3位につけている。
調査会社テレジオグラフィーによると、ファーウェイ・マリンは2015~20年に28本のケーブル(世界に敷設された全ケーブルの約4分の1)を完成させる見通しで、さらに多くのケーブルを改修している。
(The Wall Street Journal/Jeremy Page in Beijing Kate O’Keeffe in Washington and Rob Taylor in Canberra)