米国家防諜(ぼうちょう)安全保障センター(NCSC)のディレクター、ウィリアム・エバニナ氏は「海底ケーブルにさまざまな当事者が及ぼすスパイ防止や安全保障上の脅威については強く認識している」とし、「海底ケーブルが膨大な世界の通信データを運んでいることを踏まえれば、これらのケーブルの保護が米政府や同盟国にとって重要な優先事項であることに変わりはない」と述べた。
米国の西側同盟国は現在のところ、少なくとも1件の国際プロジェクトからファーウェイを締め出している。
ファーウェイ・マリンは電子メールで、同社の製品や業務について安全保障上の懸念を直接表明している顧客・企業・政府はないと述べた。
ファーウェイの広報担当者ジョー・ケリー氏は、同社は民間企業であり、顧客や事業を危険にさらす行為をいずれの政府にも要請されたことはないと言明。「もし要請されても、拒否する」と述べた。
海底ケーブルは主に通信会社が保有しているが、最近ではフェイスブックやグーグルなどのコンテンツプロバイダーも建設している。小規模の企業は彼らから帯域を借りている。
ほとんどのユーザーは、どのケーブルシステムを使用して自分たちのデータを大陸間で伝送するかはコントロールできない。トラフィックは通常、少数のスイッチによって、最適とみなされる経路(利用可能な容量やケーブル運用者間の合意に基づく)に割り振られている。
海底ケーブルシステムの安全保障上のリスクはほとんどが軽減できると話す業界関係者や専門家もいる。ファーウェイ・マリンも加盟する業界団体「国際ケーブル保護委員会(ICPC)」の法律顧問を務めるケント・ブレッシー氏は、海底ケーブルは物理的に断絶したり使用不可能にしたりできるものの、検知されずにデータを傍受することはテクノロジーによって困難になっていると説明する。