健康被害が続出 豊洲市場の“黒い粉塵”は高濃度の猛毒物質
〈別表〉が自然界の2倍以上の濃度が検出された物質だ。自然界の170倍もの濃度が検出されたアンチモンの毒性は極めて強い。継続して吸うと、肺炎、気管支炎、生殖障害を引き起こす。12倍のカドミウムも毒性が強く、体内に蓄積されると、骨がもろくなり、激痛が走る。4大公害の1つイタイイタイ病の原因物質だ。神経症の原因になる鉛や長期摂取で意識障害を引き起こすビスマスも危険だ。銅、亜鉛、錫など体内に存在する金属でも、過剰摂取は体に支障を来す。
「黒い粉塵はコンクリートやターレのタイヤの成分だと考えられます。築地市場は開放型で絶えず水で洗い流していましたが、豊洲市場は閉鎖型で、水の使用も制約があり、滞留してしまっているようです。強い毒性の成分も含まれ、危険な作業環境です。黒い粉塵の成分が健康被害の原因である可能性も考えられますから、空気清浄など対策を取って、作業環境を一刻も早く改善するべきです。そのためにも、今回は1カ所だけでしたが、大気中も含めた複数箇所の成分を大至急調査して、全容をつかむ必要があります」(渡邉泉教授)