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【野球】

来年度で退任の森田監督に恩返し 東邦・石川、センバツ「1試合でも多く」

2019年3月16日 紙面から

組み合わせ抽選会に臨む東邦・石川主将(川北真三撮影)

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 平成最後となる第91回センバツ高校野球大会(23日から12日間・甲子園)の組み合わせ抽選会が15日、大阪市内であり、出場32校の初戦の対戦相手が決まった。単独最多5度目の優勝を狙う東邦(愛知)は、第4日第3試合で、21世紀枠で初出場の富岡西(徳島)と対戦。優勝候補の星稜(石川)は、第1日第3試合で強豪の履正社(大阪)と激突する。17年ぶり出場の津田学園(三重)は第3日第1試合で龍谷大平安(京都)と、初出場の啓新(福井)は第5日第3試合で桐蔭学園(神奈川)との対戦が決まった。開会式の選手宣誓は広陵(広島)の秋山功太郎主将(3年)が務める。甲子園練習は18日から3日間。22日に開会式のリハーサルがある。

組み合わせ抽選会に臨む東邦・森田監督(伊藤遼撮影)

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 恐れることもなければ、慢心もない。最多5度目の優勝を目指す東邦の相手は、21世紀枠で初出場の富岡西。東邦にとっては心の隙が生まれそうな状況だが、なかなかの難敵のようだ。森田泰弘監督(59)は言う。

 「昨夏(徳島大会)も4強だし、強いと思う。全国大会なのでレベルが高いのは分かっている」

 富岡西のエース右腕・浮橋は、昨秋の公式戦全7試合を完投。主将の3番・坂本は出場選手中で最高の打率6割6分7厘を記録した。徳島県3位で臨んだ四国大会では高知高、帝京五を破って4強入り。一般選考で選出される可能性もあったほどの力を秘めている。

対戦が決まり富岡西・坂本(左)と健闘を誓う(川北真三撮影)

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 今秋ドラフト上位候補の東邦の主砲、石川昂弥投手(3年)は、昨年末に愛知県選抜の一員として向かった豪州遠征で、四国選抜として同地に来ていた浮橋のブルペン投球を見たという。「142キロくらい出ると聞いた。速くて、いい球を投げていた」。だが、過度に警戒するそぶりはない。石川は「勝つだけです」と表情を引き締めた。

 平成最初&最後の優勝が懸かるセンバツは、恩師のために戦う大会でもある。5年前から腎不全で闘病していた森田監督が、腎移植の手術のために昨年11月末にチームを離れた。石川は監督不在の約3カ月間、コーチらとともにチームを引っ張ってきた。4月に60歳となり、定年を迎える森田監督は「自分の中では決めている」と来年3月いっぱいで退任する意向を示している。「1試合でも多く、1日でも長くプレーしたい」と石川。勝利で、30年ぶりの優勝で恩返しするつもりだ。

 石川自身は好調を維持している。練習試合解禁から18打数12安打で打率6割6分7厘。本塁打も2本放ち、高校通算本塁打を41本に伸ばしている。「去年と同じでは終われない」。4打数無安打で初戦敗退した昨年とは違う。多くの思いを胸に、自身2度目の甲子園に立つ。 (麻生和男)

 ▼センバツ最多優勝 春の甲子園の最多優勝は、中京大中京、東邦(ともに愛知)の4度。これに3度優勝の県岐阜商、箕島(和歌山)、PL学園(大阪)、横浜(神奈川)、広陵(広島)、大阪桐蔭が続く。

 

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