ピエール瀧容疑者　20代からコカイン＆大麻　出演自粛の嵐も

　ミュージシャンで俳優のピエール瀧（本名瀧正則）容疑者（５１）がコカインを使用したとして関東信越厚生局麻薬取締部に逮捕された事件で、同容疑者が関東信越厚生局麻薬取締部の調べに対し、「２０代のころからコカインや大麻を使っていた」と供述していることが１５日、捜査関係者への取材で分かった。同部は、瀧容疑者が常習的に違法薬物を使っていた疑いもあるとみて調べている。一方で、この日も同容疑者の出演番組の打ち切りや差し替えと、所属バンド「電気グルーヴ」のイベント出演中止が続々と新たに発表され、余波が広がっている。

　“ピエールショック”が止まらない。瀧容疑者は１２日ごろ、東京都内かその周辺で、コカイン若干量を摂取した疑いで逮捕された。捜査関係者によると、瀧容疑者は調べに対し、２０代のころからコカインや大麻を使用していたなどと供述。一方で、「使っていない時期もあった」とも。取り調べには素直に応じており、他に「夜はよく眠れているが、食欲はあまりない」などと話しているという。

　またこの日、静岡朝日テレビは１５日、同容疑者の冠番組「ピエール瀧のしょんないＴＶ」（金曜午前０時２５分）を終了することを公式サイトで発表した。

　同番組は２０１０年１０月１７日から放送。「しょんない（静岡弁で『しょうもない』の意味）ことに真実がある」をキャッチフレーズに、瀧容疑者らが地元・静岡のマニアックな場所や、サブカルチャー的なスポットを巡る大人の社会科見学的番組。テレビ朝日の系列局や独立系のＴＯＫＹＯ　ＭＸテレビなどでも放送され人気を集めていた。

　同局のサイトによると、４月からはゴールデンタイムに昇格予定で、すでにロケも行っていたという。しかし、瀧容疑者が逮捕されたことを受け「残念ではありますが番組を終了せざるを得ないと判断いたしました」と報告した。

　また、ＣＢＣテレビもこの日、瀧容疑者がＭＣを担当する同局制作のＴＢＳ系「ゲンバビト」（日曜午後１１時３０分）について、３月分の３回分（１７、２４、３１日）の放送を取りやめ、別番組に差し替えることを発表した。

　同局は「出演者の逮捕を受けて、放送可能な形に編集できるか時間をかけて検討しましたが、難しいことが分かりました。結論に至るまでに時間がかかり、ご迷惑をお掛けしたことをお詫び申し上げます」と謝罪している。代替番組は、昨年度の同時間帯に放送していた「旅ずきんちゃんＳＰ」。これまで放送した内容をもとに、春の行楽を意識して観光地別などでまとめ直した内容になるという。

　瀧容疑者が所属するバンド「電気グルーヴ」は１５日、出演を予定していた野外音楽イベント「ＡＲＡＢＡＫＩ　ＲＯＣＫ　ＦＥＳＴ．１９」（４月２８日、宮城・みちのく公園北地区エコキャンプみちのく）と、７月２８日に登場予定だった「ＦＵＪＩ　ＲＯＣＫ　ＦＥＳＴＩＶＡＬ’１９」（新潟・苗場スキー場）への出演中止を公式サイトで発表した。

　瀧容疑者が逮捕当日、ドラマの撮影をしていたことが１５日、捜査関係者への取材で分かった。１２日午後６時ごろに瀧容疑者が帰宅した後、東京都世田谷区の同容疑者の自宅を家宅捜索。その際、瀧容疑者は「大河ドラマの撮影に行っていた」と話したという。尿検査で陽性反応が検出されていることから、逮捕までの数時間から２４時間前後の間にコカインを使用した疑いがあり、仕事の合間に使用した可能性もある。

　脚本家で俳優の宮藤官九郎（４８）が１５日夜、パーソナリティーを務めるニッポン放送「オールナイトニッポンＧＯＬＤ」に出演。自身が脚本を手掛けるＮＨＫ大河ドラマ「いだてん～東京オリムピック噺（ばなし）～」に出演しているピエール瀧容疑者の名前を直接挙げずに「いろんなことありすぎて、悲しいとかいろんな感情あるよね。撮影現場行っても、みんな大変な目に遭ってるのに一同に会すると、特に“その話”をしなくてもニヤニヤするんだな」などと話した。

　この日の放送は５年半続いた宮藤担当のくしくも最終回。午後１０時に生放送で始まった番組のゲストは「いだてん」に出演中の勝地涼（３２）だった。瀧容疑者は主人公に絡む足袋職人役で出演しており、物語の中では重要なキーパーソンでもある。

　「いだてん」は１７日放送分には、瀧容疑者の出演部分はなく、通常通り放送されるが、２４日以降について、編集・撮り直しなど対応がＮＨＫで協議されており、混迷は深まるばかりの状況になっている。

　瀧容疑者の出演作やリリース作品の“自粛ムード”に対し、ネットでは反対の声も上がっている。ミュージシャンの坂本龍一（６７）は１５日、ツイッターで「『電気グルーヴのＣＤおよび映像商品の出荷停止、在庫回収、配信停止』　なんのための自粛ですか？　電グルの音楽が売られていて困る人がいますか？　ドラッグを使用した人間の作った音楽は聴きたくないという人は、ただ聴かなければいいんだけなんだから。音楽に罪はない」と不快感を示した。