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ツバメの巣 花屋の中に ピーピー ただいま

【右】カーテンレールの上で羽を休めるツバメ【左】2階の小窓(左上)から出入りするツバメを優しく見守る伊藤みちるさん=いずれも加賀市片山津温泉で

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片山津温泉 6年前から子育ての場

 加賀市片山津温泉の生花店「フラワーショップ ミッシェル」に今年もツバメが飛来した。ツバメが安心して子育てできるようにと二階の小窓が開かれ、雄と雌の二羽が室内の巣と外を自由に行き交う。店長の伊藤みちるさん(52)は「小さい体なのに、遠くからよく無事に帰ってきた」と温かく見守っている。(小室亜希子)

 昨年より二日早い十三日昼ごろ、外で「ピーピー」と鳴き声がした。「開けてくれって鳴くんですよ」と伊藤さん。ツバメの出入り用に作った二階の小窓を開けると、一羽が室内へ。翌日にはもう一羽増え、雄と雌の二羽になった。二階天井のスポットライトに毎年使う巣があり、さっそく補修に忙しい様子だ。

 開店して二十五年。以前は軒先に巣を作り、ひなはカラスの餌食になっていた。六年前に一羽だけ助かり、かごに入れて外から見えるように室内に置くと、親鳥が飛んできてえさをやり始めた。伊藤さんはすぐに大工に頼んで小窓を作ってもらった。それから毎年春になると飛来し、室内で営巣するようになった。

 毎朝ふんの掃除が必要だが「全く苦にならない」と伊藤さん。多い時で九羽のひながかえり、大きく開けた口に親鳥がせっせとえさを運ぶ様子はほほ笑ましい。巣立ちが近づくと、ひなが階段の手すりを目標に飛ぶ練習に励むのもけなげだ。南へ向かう九月、お礼をするかのように店の前の電線にずらっとツバメが並び、飛び立っていく。

 伊藤さんは「毎年観察していると、いろんなことが分かる。今年も元気にひなが育ち、巣立ちを迎えてほしい」と話している。

 

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