『ヒトデの真実』 (伝説のスタフィー1~4) 「伝説のスタフィー」というタイトルはご存知でしょうか? この作品を知っているの多くが、「あぁ、あの子供向けの」 「カービィのパクリか」とか思っているでしょうね。 ・・・子供向けである事は否定しません。 しかし、それ以外に関しては下手な子供向けゲームやカービィよりも 実は任天堂ゲームの中で珍しい種類のゲームなのです。 何が珍しいのか、そもそもスタフィーとはどんなゲームなのか? 今回はその事について語りたいと想います。 スタフィーはゲームボーイアドバンスで発売されたマリンアクションゲームです。 マリンアクション?マリンアクションとは水の中をメインに行動するアクションです。 アクションゲームである以上、障害物を越えたり敵を倒したりします。 無論、海の中は自由に移動できる。また、水中でしか仕えないアクションも多い。 なお、地上面も存在する。というか、地上の方が多い。 地上と水中では実は水中の方が使えるアクションが多い。 ただ、地上でしか使えないアクションもあるけど。 主人公はヒトデのスタフィー。決して星ではない。 性格はドジでおっちょこちょい。実はこのドジが原因で冒険が始まった。 攻撃手段はスピンアタックといって回転しながら敵に体当たりをするというもの。 水中の方が威力と距離、スピードが出る。他にも2段ジャンプや流星アタックという 急降下攻撃も出来る。 しかしたいていの場合、せっかく覚えたアクションもスピンアタックも 次回作では全て忘れるというとんでもない忘れんぼう。 (しかし、「ザイール海賊団」ではスピンアタックを覚えている?) スタフィーはカービィと違い、空は飛べない。その代わり泳ぐことを得意とする。 だって、ヒトデだし。水中の操作ほど快適なものはない?とにかく操作しやすい。 スタフィーには多くの仲間がいる。中でもハマグリのキョロスケは最高のパートナー。 口だけな上に金好きと困ったキャラだけど・・・実は暗い過去を持ち、それが理由で お金に対しての執着心が強い。その上、スタフィーに対しては普段は強がっているが、 先ほども言ったとおり、口だけな事が多く、弱気になることが多い。 しかし、いざという時は勇気を振り絞り、スタフィーを守ろうとしてくれる。 特に2では一度宿敵オーグラを前に敵前逃亡をしてしまうが、 結局彼にボロボロにされているスタフィーを守るために帰っていた上、 スタフィーを自分の中に隠すものの、今度は自身がボロボロにされる。 他にも実は最強の勇者ロブじいや体力回復とセーブをしてくれる美しい人魚のマーメイド、 毎回スピンアタックの使い方を教えてくれるヤドカリタなど、さまざま。 仲間以外にも色々なキャラが登場し、たとえばキョロスケの片思い相手のハデヒラリ、 毎回いろいろな目に遭うカニのカンニン親子、音楽家のウォーツアルト、 忍者のネコ(海なのに)のニャンジャとニャンゾー、ジーラカンスのおじいさんのジイラカンス、 カメラマンのタイブロンド、テンカイの守護騎士ヤリイカーズ、 ある意味男性版大妖精(ゼルダの時のオカリナ)ことラブウィズミーなど みんなスタフィーに協力的でよくお世話になるキャラでもある。 しかし、こういったキャラの中にはとんでもないキャラもいる。 例えばウキッズというサルのトリオがいるのだが、自己中心的で周りが困っていても お構いナシでとにかく自分の事ばかり考えている。 そして、ムーンという美しい魚がいるのだが、お金持ちという設定なのだが・・・。 なにかと金がらみの事ばかりに首を突っ込んでいるのである。 しかも2でなんと恋人(ミツガサゴ)をお金目当てでくっつき、彼のお金がなくなったら 分かれるというとんでもない行動に出る。 2ではエチギョヤという悪党が登場する。外見はまさに悪代官で、 最初はプチオーグラ10号と手を組んでいた。 一度彼の野望は打ち砕かれたが、しかし、彼の悪事はまだ続く・・・。 そして3ではなんと借金取り(名はマンタはん)が登場する上、先ほどのエチギョヤと対抗している。 その借金を作ったのはキョロスケでエチギョヤに金の約束をしており、まんまと騙された。 4にはアイドルが登場するが、このアイドルは現実や漫画でも見るようなブリッ子キャラで 無論本心は自己中心的でわがままな性格である。とはいえ、その後・・・。 実はスタフィーのキャラは必ずしも明るくてイイ奴ばかりではない、 こういったダークな一面も持っている。 ・・・中には4のマニアンコウのようなオタクもいるが (しかもラブリーたちとの麻雀に負けたために店番をしているとか、 エプロンに「萌」と書いてあるなど・・・)。 ひそかに雑魚敵にもちょっとした設定がある。外見もコミカルなものも多いが、 その設定もコミカルなものが多い。例えば、タコメットという敵がいるが、 メットの中はイカという噂だったり、タコウインナーという敵が頭につけているのが 味ノリという噂があったりと、結構楽しげな連中も多い。 ストーリーは1作目は自分のドジで封印のツボが割れ、復活してしまったオーグラを倒して、 オーグラによって生み出された凶暴な敵を倒していくというものだった。 オーグラは3以外はカタコトで喋り、自らの体を自由自在に変形させ、 その上口や鼻から魔物を生み出すことが出来るなど、 まさにバケモノと呼ぶに相応しいキャラである。 2では今度は自分が産んだ子供達を使って自力でツボから脱出し、 スタフィーの母親のママスタを誘拐した。 そして3では今度は自分を産み出したイーブルによってオーグラはツボから脱出、 終始邪魔をしてきたり、他の様々な事件に巻き込まれながらもオーグラを追い続ける。 そして事件の最後には・・・・・・・・・・・。 3はある意味スタフィーの物語というより、どちらかというとオーグラの物語とも言える。 彼の過去や彼の視点で物語が描かれる部分もあるため。 スタフィーシリーズは一度3で完結している。しかし、ファンの要望による復活。 4はこれまでの事件と異なり、アミー王国で起きた事件となっており、 敵もデジールという白蛇になった。デジールがある理由で国を乗っ取り、 王子を人質に取った上に国の宝石を奪った。 この事件、デジールと主人公であるはずのスタフィーは ある意味この事件の本当の被害者だったのかもしれない・・・。 というのも、実はこの物語の結末はとても切ない。なぜなら、マテルと王子が・・・。 スタフィーやデジールの心境は似たようなものがあり、 相手に振り向いてほしかったという気持ちがあった。それだけにあの結末は・・・。 ゲームそのものについての解説。台詞そのものはひらがなメインで、 どのキャラの台詞も子供が言いそうな簡単な言葉ばかりである。 しかし、そのネタや単語に関しては必ずしもそうとは言い切れないものも・・・。 また、3のイーブルや4のデジールはこれらとは違う、 普通のゲームでも通用しそうな喋り方をする。 ゲーム難易度は最初にプレイするうちは決して難しくない。 なぜなら、地上以外は自由自在に移動できる上、どの敵も一撃で倒せるからだ。 しかし、やはりどのゲームも共通することで進めば進むほど難易度は上昇する。 しかもこのゲームの場合、他のゲームと比べると、その難易度の上昇ぶりが半端ではない。 中にはプロでも厳しいような難所もひそかにある。 このゲームは実は一度ラストボスを倒しても、今度は別の目的を果たすための2週目をすることになる。 お宝を回収したり、重要アイテムを手に入れたりと。基本的にはアイテム探し。 しかし、この2週目が一番厄介。というのも、当然難易度は上昇する。 今までのマップも敵の構成が変わっていたりする上、ボスが1週目と比べると、 鬼のように強くなっている。特にラストボスとなると、プロでもつらい戦いとなる。 敵の攻撃は種類が豊富とはいえ、似たような動きをするものが大半で、 先ほども述べたとおり、一撃で倒せるものが大半である。その上、作品上使い回しも多い。 しかし、ボスは違う。ボスは攻撃の種類が多く、その上動きや攻撃が激しい。 弱点を突かないと倒せないのはお約束だが、このゲームの場合、1ダメージ与えるには その弱点に何度も攻撃しないといけないというボスも中には存在する。特にラストボス。 中でも3のボスはシリーズ史上最強のボスが多い。序盤とは思えない動きや攻撃をしてくるブイールン、 ダメージを与えるまでの手順が厄介なペンゴット、そして極めつけは極太レーザーを時計回り+反時計回りに 発射してくる上、ダメージを与える方法が厄介な上、キョロスケの力を借りないと、 強力な光を放ち動きを止めてくるなど、まさに「最強」と呼ぶに相応しいボス、ムーガなどがいる。 それ以外の面では音楽は1曲が短いとはいえ、ひそかに名曲が多い。 スタフィーは昔の(ギャラクシーは?)マリオのごとく、アイテムによって 変身に近い状態になれる。たとえば乗り物があり、 気球やホッピング、潜水艦で移動できたり、魔法のホウキやリューンに乗って攻撃しながら空を飛べたり、 きぐるみを着て敵の動きを止めたり出来る。・・・ちなみに着ぐるみは2種類あるのだが、 なぜか性能は全く一緒で外見が違うだけ。2種類になってからもこの点だけは全く変わっていない ちなみにこの着ぐるみ、2と4はともかく、3の2つ目の着ぐるみがインパクト大。 あれは・・・呆気を取られるかも・・・。全く予想できないために・・・。 そしてそのテーマ曲もインパクト大・・・。あと声。 2以降から着せ替えが出来るようになった。といっても、ゲーム中のスタフィーが 着替えるわけではないのですが・・・。着せ替えのバリエーションは様々で サングラスやはっぴ、おやじや殿様、ワリオ(3のみ)やピーチ(4のみ)、ハンバーガー(!!)等様々。 また、中にはゴスロリやスク水、メイド服やブルマなど明らかに狙ったものもある。 それも妹のスタピーならともかく、男性であるはずのスタフィーにまで着せられるとはいかがなものか。 このゲーム、見た目は確かに子供向けだが、その物語はシリーズを追うごとに だんだんシリアスなストーリーへと変化していく。 2以降からその特徴が目立ち始め、ロブじいが助けに来るまでの間、 オーグラによってこれ以上にないほどにボロボロにされるシーンや、 2の真のEDでなぜキョロスケがお金にこだわっているのかが分かると同時に、 スタッフロールで「キョロスケさまのおいたち」という名目で彼の悲しい過去が語られた。 3ではマリオシリーズやゲームのカービィシリーズなでどはほぼ出てこない、 死者が出てしまう。その死因は全ての元凶のイーブルによるものである。 このイーブル、性格は残酷非道で人(?)を平気で殺し、その上やろうと思えば星一つ破壊できるほどの力を持っている。 また、彼を倒した後のイベントも悲しいイベントが用意されており、そしてイーブルの古城からの脱出後のイベントも シリアスな展開を迎える。この2つのイベントでは特にキョロスケの台詞が非常に心に残るものが多い。 4では、悪役デジールは確かに悪事を働いたが、それには理由があり、必ずしも絶対悪とはいえないキャラであった。 スタフィーも彼女と似た心境にあり、その上本編の後半で二人とも不幸な結果を目撃する。 4のテーマは「愛」で愛することと愛されてもらうことに関したストーリーとなっている。 しかし、この結末は残念な結末に終わり、必ずしもハッピーエンドで終わったとは言いがたい・・・。 デジール・・・彼女は誤った恋の仕方をしてしまった悲しいキャラなのかもしれない・・・。 こういったように、ストーリーは決して子供向けとはいえない、重いものがある。 スタフィーシリーズ。それは見た目は子供、だけど中身は誰にも負けないゲームなのです。 近年のニンテンドウオールスターの中でも安定したシリーズで 世界観もキャラも壊さず、それどころか世界を広めているシリーズである。 決して見た目だけでこのゲームを判断してはいけない。 少なくとも・・・今のマリオやカービィよりもずっと上にいるキャラなのかもしれない・・・。 余談ですが、3にはワリオが登場したりして・・・。スタフィーの活躍を邪魔しているのか、 それとも自分がただ進みたいだけなのか・・・。とにかく、このゲームでもワリオの活躍は見れます。 |