ありったけの夢をかき集めて探し物を探しに行ったら航海士と船医と王女と考古学者しか集まらなかったのだが。 作:筋肉大兄貴
<< 前の話
<大惨事感想大戦だ。
……ということで、今回はロビン救出作戦開始直前回です。
サルフィが頑張って彼女の居場所を探したり、そんな彼をサポートしてくれる新キャラが登場したり、スモやんが徐々に強化されていたり、たしぎとヒナさんはいつもどおりだったり、最後の最後にサルフィがある覚悟を決めたりする話です。
また、前回の更新の後にとても温かい感想や応援の言葉をたくさんいただくことが出来ました。
ロビン救出編が不評というか一部の人からの反感を買ってしまい、辛辣な内容のメッセージや低評価の嵐を貰ってしまったことで、この作品の更新を続けるべきか悩んでしまいましたが、皆さんのおかげで何とか立ち直れそうです。
これからも私の好きな様に話を書いて、それを見ていただける皆さんにとっても面白い作品に出来る様に頑張りたいと思います!
それでは、本編をどうぞ!
<>月¥日
「ニコ・ロビン救出作戦」が俺の初任務として実行に移されることになってから既に数日。
この日の俺は、今回の任務の保護対象であるロビン本人が今どこにいるのかを探すのに躍起になっていた。
昼夜も惜しまず海軍本部の情報司令室に篭っては何処かに彼女の目撃情報がないかを徹底的に漁り、そこで気になるものを見つければそれを考察ノートの中に細かく纏めていく。
それ以外ではセンゴクさんに口を利いて貰って、他の海軍支部からの毎日の様に届けられる懸賞金首の所在情報などを隈なくチェックしたりと……。
まぁ要するに、ここ二、三日の俺はそんな単純で地味な仕事ばかりをやっているわけだ。しかもそれをたった一人で。
ふふっ……あまりの激務に指が震えるぜ。これ下手したら腱鞘炎になっちゃうんじゃないかな。
ただそれでも一定の成果が出ているのは確かで、直近一ヶ月の目撃情報をさらった結果、当のロビンが偉大なる海以外の場所には現れていないということだけは分かってきた。
現にそこ以外の場所で彼女が目撃されたのは、三ヶ月前の北の海のとある港町が最後であるようだし。
それを踏まえれば、今のロビンは偉大なる海の何処かにいることは間違いないと考えていいだろう。問題はそれが一体何処なのかということなのだが……。
中々思うようにいかんものだな。
だが、まだ時間はある。焦らず、着実に前に進んでいこう。
因みに、情報司令室の人達は思いっきり邪魔になっている俺のことを敢えて無視してくれているようだった。
それどころか「頑張れよ」との書き置きと共に、俺が使わせて貰っている机の上にお菓子やらおにぎりやらの差し入れまで置いていってくれる始末だ。
……皆いい人過ぎて泣けてくるぜ、全くよ。
<>月&日
「ニコ・ロビン救出作戦」開始から五日目。今日も今日とて情報収集のお時間だ。
ここ最近は訓練もそこそこに鬼気迫る表情で資料を漁っている俺のことを気遣ってか、ゼーじぃがそんな俺の元に心強い助っ人を送ってくれた。
「こちらの資料のチェックは終わりです。次はどうしますか、ルフィ? 」
ーーゼーじぃの教え子で俺の姉弟子にも当たる人、アインさんだ。
最初にこの人が来た時には色々驚いたぜ。何せその時の彼女の第一声がーー
「ゼファー先生からの指令により参りました。私に出来ることがあれば何なりとお手伝いします」
だったんだもんなぁ。
いやまぁ、手伝って貰えること自体はとても有り難いんだが、それでも流石に固すぎるだろう?
俺この人より少なくとも十は年下なんだぜ? 階級だって俺なんかよりも遥かに高いみたいだしさ。
んなもんで、もう少し砕けた話し方にしてくれとお願いした結果が今のアインさんなわけだが、それでも敬語口調だけは抜けきれないみたいでな。
極たまにだが、俺のことを「ルフィちゃん」と呼んでくることもあるんだ。
そう、ルフィ「ちゃん」だ。それも無意識に。
……ちゃん付けなんてされるの、食堂のおばちゃん以外ではアインさんが初めてだぜ。別にいいけど。
因みに、ゼーじぃのもう一人の教え子であるビンズは、現在武装色の覇気を取得中のスモやんとの訓練に忙しいらしい。
俺もその訓練の様子を遠目から眺めていたのだが、その時のスモやん、モクモクにした腕から武装強化した拳を幾つも作り出しながらビンズの植物分身を何度も粉砕してたな。
言うならば「モクモクの銃乱打」みたいな感じで。
う〜む……強い。これは俺もうかうかしていられないな。
なお、そんなスモやんの奮闘を、彼の部下であるたしぎは俺の体を抱きしめながらニコニコと見つめていた。俺はぬいぐるみじゃないんだが。
後、ヒナさんは「はい、チーズ。ヒナ激写」じゃねぇよ。助けて。
<>月@日
「ニコ・ロビン救出作戦」開始から一週間。遂にロビンの居場所を特定することが出来た。
場所は偉大なる海の片隅に浮いている小国のとある見世物小屋。
どうやら彼女はそこで自身のハナハナの能力を使いながら日銭を稼ぐ生活をしているようだ。
……何ともやるせない気持ちだ。
逃亡中の身の上であるから仕方のない一面もあるとは言え、うら若い女性がここまで困窮した生活に身を窶さなければならない状況に追い込まれているとは……。
これは一刻も早く彼女のことを救出しなければならないな。
だが急に乗り込んでロビンを説得出来るかと言われればそれも難しいだろう。
何せ俺は一応とは言え海軍所属の海兵。謂わば彼女の仇ともいえる組織の一員だ。
そんな俺が「貴女のことを助けに来ました」と言ったところで、そう簡単に信じて貰えるとはとても思えん。
かといって、ロビンの了承を得ぬままに無理やり連れ去るなんてことは絶対にご法度だし……本当にどうしたものだろうか。
ん? でも待てよ……。
今のロビンがいるのは不思議人間や動物が多く集まる見世物小屋。要は所属している者達の殆どが名前や戸籍も定かではない流れ者ばかりだろう。
つまり、何か面白い一芸があれば簡単に潜入出来る可能性も高いわけで……。
そこまで考えた後に、俺は自身の背後でふりふりと揺れる尻尾をじっと見つめた。
……やるか、猿芸。
<>月…日
「ニコ・ロビン救出作戦」開始から八日目。
俺は昨日の内に考えた作戦をセンゴクさんを初めとした上層部の人達に伝える為、彼らの待つ特別会議室(別名「クザンの昼寝場所」。何だあのでけぇハンモックは)を訪れた。
そこに集まってくれていたのはセンゴクさんにつるさん、それにゼーじぃとガープじいちゃんとサカズキおいちゃんを含めた三大将揃い踏みという計七人だ。
……俺はもう慣れてしまっているとは言え、この人達が一堂に会する光景なんて普通はそうは見れないもんだよな。
どう考えても過剰戦力の集まりだぜ。戦争でもする気かって思われても仕方ない位には。
そんな荘厳な光景に改めて気を引き締め直した俺は、皆の視線が一斉に集まることを自覚しながら今回の計画の内容を話し始めた。
ただ、この計画というのは特に難しいものでもなければ特別な準備がいるものでもなく、ただ単純に俺一人がいれば事足りる様な内容だったので、説明自体はものの数分で終わっちまったんだ。
何せ俺がすることといえば、「ロビンのいる見世物小屋に潜入して、そこで彼女と接触する」ってことだけだからな。
まぁズバリ言うとなーー
「俺が大猿の能力を使って人々の見世物になる」って話だ。
サルフィ、見世物小屋で働く決意をする。
……こう書くと完全に身売り案件ですね。これはいけない。
次回は保護者の皆さんが大いに荒れるでしょうね……特にサカズキとか赤犬とか大将とか。
ま、そこは無敵のセンゴクさんがなんとかしてくれるでしょう。頑張りやー。
今回もまたちょっとしたアンケートがありますので、お時間のある方はご協力をおねがいします。
それではまた次回とか言いつつ感想をよろしくお願いします!
最新話で登場したアインさん。そんな彼女のポジションは?
- サルフィの姉弟子。たまに話に絡む。
- 将来の尻尾愛好家。フェチズムの申し子。
- サブヒロイン。合法的おねショタ
- 名前付きキャラ。それだけ。
- まさかの大穴。メインヒロイン昇格。