松崎敏朗
広島カープは、原爆で壊滅的な被害を受けた街に1950年、生まれた。人々を元気づけ、球団の窮地には市民が「たる募金」で支えてきた。そんな市民球団の秘話をちりばめた「鯉(こい)のはなシアター」の公開が8日、東京で始まった。「鯉党」の俳優やOBらゆかりの人たちも出演、先行上映の広島では大人気だ。
「見てもらえれば、カープブームの根本が分かると思う。野球に興味がなくても、戦争からの復興の歴史として見れば、共感できるはず」。主役を演じるお笑いコンビ「チュートリアル」の徳井義実さんは、作品の魅力をこう語る。熱烈なカープファン。「主演できてうれしいです」
広島出身の女性が、故郷で経営難に直面する祖父の映画館の再興に奮闘するストーリー。難局のたび、徳井さん演じる男性が「こんな鯉の話があります」と切り出し、危機を乗り越えた球団の歴史を引いて様々な助言をする。
資金難で存続の危機に立たされ、グッズ販売など、当時としては珍しい手法で切り抜けた場面など、カープにまつわるエピソードは実話に基づいている。
広島ホームテレビの同名の深夜番組で、広島商野球部出身の放送作家、桝本壮志さんがチームの秘話をドラマにして紹介。これをもとに書いた小説が原作だ。
広島出身の時川英之監督のほか…
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