★昨日、作詞家の阿久悠さんがお亡くなりになりました。みゆきさんとは1曲だけ、日吉ミミさんの『世迷い言』でお仕事をしています。阿久さんの著書「なぜか売れなかったが愛しい歌」(河出書房新社)によると、もともとこの曲はTBS系ドラマ「ムー一族」の挿入歌として演出家の故・久世光彦さんが持ち込んだ「ヨノナカバカナノヨ」という回文をもとに作詞したものだそうで、本来、具体的な詞の言葉について注文は受けない阿久さんが、この仕事を引き受けた最大の理由は「中島みゆきが作曲であること」と仰っていました。一般的に作詞家としての評価が高いみゆきさんが作曲のみを担当するのは大変珍しいことです。そんなみゆきさんに作曲を依頼し、なおかつ、阿久さんと組ませるという“異種交配”を実現させた久世さんの手腕にはあらためて敬服します。中島+阿久の異色のコラボが1曲だけで終わってしまったのは非常に残念です。謹んで、いまは亡き巨匠お二人のご冥福をお祈り申し上げます。 |