プロフィール、業績     

                                                       自己紹介


                                                                                                                     

 
私の履歴書

 

1941年 東京都目黒区三田(JR恵比寿駅のすぐ近く)に生まれる。一応江戸っ子の端くれです。 おやじは本所深川生まれの落語に出てくるような(宵越しの銭は遣わない)生っ粋の江戸っ子で した。

新宿区立の淀橋第四小学校から西戸山中学校へ進学、同中学2年生の時に父の転勤で東京郊外の府中市へ。

都立国立(くにたち)高校時代は剣道部の主将として剣道一筋に打ち込む。

英語が好きで得意だったという単純な理由で東京外国語大学英米科に入学したのが間違い。毎日英語・英文学の授業ばかりでウンザリ。入学してすぐにいわゆる「五月病」に。授業をサボって自宅でごろごろして太宰治などの世界に沈潜、自堕落な日々を送る。ちょっと格好つけていうといわゆる「スチューデント・アパシー」というやつです。

高校時代に剣道ばかりで硬派ぶっていたことへの反動で東京外大時代は一転して軟派になり外語大落語研究会(顧問は明解国語辞典で知られる金田一春彦先生)の二代目会長となり、夏休みは静岡県下の老人ホームを慰問。高座名は「山の亭笑泉」(「山の手省線」をもじったつもりです。笑ってください)。お弟子さんを紹介してもらいに当時谷中に住んでおられた古今亭志ん生師匠宅にお邪魔した時のことは今でも鮮明に記憶に残っている。

学生時代は昼間から寄席(新宿末広亭)と映画館(当時はヌーベルバーグに代表されるフランス映画の全盛期)に入り浸っていた。当時のキャンパスには60年安保の余波が残っていて、学生運動も盛んだった。高校時代の剣道部の友人のひとりは千葉大学で革マル派のリーダーに、もう一人は早稲田大学で中核派のリーダーになり、内ゲバで殺されたり、刑務所に入ったり。私も人並みにデモに参加したがあまり熱心な活動家ではなかった。

それでも当時流行のフランス思想、とくにサルトルの実存主義哲学に惹かれ、大江健三郎の作品なども読みふけった。当時目標を見失い悶々とした日々を送っていた。宗教書(キリスト教を中心に)も少しは読んだが「人生の指針」あるいは「生きる意味」をついに見出すことはできなかった。

学部の3・4年では鈴木幸寿教授(後に東京外大学長となられた)の社会学ゼミを選び、アメリカの社会学者の著書を読み、社会学という学問に興味を抱いたのがその後の私の人生の方向をきめることになった。とくにD・リースマンの『孤独な群衆』『個人主義の再検討』、C・W・ミルズ『ホワイト・カラー』『パワー・エリート』に大きく感化され、「新中間階級論」を卒論のテーマとした。その後東京都立大学の大学院で岩井弘融教授(修士課程の指導教員)、大塩俊介教授、河村 望助教授(博士課程での指導教員)、岡本英昭助教授の下で社会学を専攻し、修士論文ではコーンハウザーの『大衆社会の政治』に啓発され、「アメリカ大衆社会論」の理論的体系化を試みた。

 博士(後期)課程の途中で結婚、教員をしていたカミサンの被扶養者となる。札幌の北海学園大学になんとか無事赴任して定職に就きヒモの生活にピリオドが打たれた。 生まれてからずっと東京から離れたことがなかったので、一度は東京以外の都市に住んでみたいと思っていた。それもどうせ住むなら全く未知の世界に行ってみたいというのが北海道行きを決意した理由。サッポロに長居するつもりはなかったが、毎日が軽いカルチャー・ショックの連続で、あまりに居心地がよいため、気がついたら20年が経っていた。札幌は都市の魅力と自然の豊かさの両方に恵まれており、楽しい思い出がたくさんあるが、私にはなんといってもすすき野がもっとも魅力ある存在であった。

 

現在の研究テーマ

                     

1.  カナダ社会研究 

  • カナダの日系人社会の生成と発展に関する研究
  • .カナダの日系人の生活史
  • カナダの移民政策
  • カナダの多文化主義

 2. アメリカ社会研究

  • 現代アメリカのエスニック状況
  • 現代アメリカの多文化主義論争
  • メルティング・ポット論の系譜

 3. 在日外国人労働者問題

  • 東海地域における自治体の外国人住民施策
  • 外国人労働者受け入れをめぐる諸問題
  • 「共生」概念の概念規定
 学   歴

1961年3月  東京都立国立高校卒業

1966年3月  東京外国語大学英米科卒業

1967年4月  東京都立大学大学院社会科学研究科修士課程(社会学専攻)入学

1971年3月 東京都立大学大学院社会科学研究科修士課程(社会学専攻)修了 社会学修士の学位取得

1974年3月  東京都立大学大学院社会科学研究科博士課程(社会学専攻)退学

 職   歴
1974年4月  北海学園大学教養部専任講師就任(「社会学」「教養ゼミ」担当)

1975年4月  北海学園大学教養部助教授へ昇任

1983年4月  北海学園大学教養部教授へ昇任

1984年9月  カナダ・アルバータ州立レスブリッジ大学客員教授(「日本研究コース」を担当)

1988年4月  北海学園大学付置開発研究所長併任(1992年3月まで)

1994年4月  名古屋市立女子短期大学教授就任(名古屋市立大学人文社会学部の新設準備に従事)

1996年4月  名古屋市立大学教養部、名古屋市立女子短期大学、名古屋市立保育短期大学の統合再編による

        名古屋市立大学人文社会学部の新設に伴い同学部教授に就任(現在に至る)

1996年4月  名古屋市立大学評議員(1998年3月まで)

2000年4月  名古屋市立大学大学院人間文化研究科教授を兼任(現在に至る)

2005年4月 名古屋市立大学人間文化研究所所長に就任(現在に至る)

 

 学会および社会における活動
 

 日本社会学会会員

 日本カナダ学会会員

 オーストラリア学会会員

 日本移民学会会員

 ISA(国際社会学会)会員

 オーストラリア・ニュージーランドカナダ学会機関誌編集委員

 名古屋多文化共生研究会会長
 

 最近の業績(1998年度以降発表のもの)
 

                

 Ⅰ  学 術 論  文

  1. 「自治体の外国籍住民施策―東海地域における多文化共生の現状と課題」『財団法人名古屋国際センター設立20周年記念論文集』2005年2月。
  2. 「多元主義者によるメルティングポット論批判―メルティングポット論の系譜(2)―」(単著)『名古屋市立大学人文社会学部研究紀要』第16号、2004年3月。PDF
  3. 「メルティングポットの誕生―メルティングポット論の系譜(1)―」(単著)名古屋市立大学大学院人間文化研究科紀要『人間文化研究』Vol.2、2004年1月。PDF
  4. 「共生をめぐる若干の疑問―共生概念の再検討の試み―」(単著)『多文化共生研究年報』名古屋多文化共生研究会、創刊号、2003年12月。 PDF
  5. 「外国人労働者受け入れをめぐる諸問題―「日本型」モデルの構築をめざして―」(単著)『名古屋市立大学人文社会学部研究紀要』 第13号、2002年11月。PDF
  6. 「カナダ移民政策の歴史(下)―移民政策策定のプロセスとメカニズム―」(単著)『 名古屋市立大学人文社会学部研究紀要』 第12号、2002年3月。PDF
  7. 「Social Flexibility in Japan Exemplified Through Conflicting Views and Visions Related to Working Women」 (共著)『名古屋市立大学人文社会学部 研究紀要』 第11号、2001年11月。 PDF
  8. 「カナダ移民政策の歴史(上)―移民政策策定のプロセスとメカニズム―」(単著)『名古屋市立大学人文 社会学部研究紀要』 第10号、2001年3月。PDF
  9. 「南アルバータ日系人社会の生成と発展(下)―BC州日系人社会との比較研究―」(単著)『名古屋市 立大学人文社会学部研究紀要』 第9号、2000年11月。
  10. 「移住先と出身地域の親族ネットワークに関する実証的研究―愛知県長久手町・ 小原村の調査 から―」(共著)『名古屋市立大学人文社会 学部研究紀要』 第7号、 1999年11月。
  11. 「南アルバータ日系人社会の生成と発展(上)―BC州日系人社会との比較研究―』(単著)『名古屋市 立大学人文社会学部研究紀要』 第5号、1999年3月。
  12. 「第二次世界大戦前の南アルバータ日系社会―その生成と発展の軌跡―」(単著)日本移民学会『移民 研究年報』第4号、1998年3月。

 Ⅱ  著 訳 書

  1. 『日系カナダ人女性の生活史―南アルバータ日系人社会に生まれて―』(単著)、明石書店、2000年。
  2. 『現代社会とジェンダー―女性が解放する社会ー』(共著)、ユニテ、1995年。
  3. アルヴィン・グールドナー著『社会学のために(上)』(単独訳)、杉山書店、1987年。
  4. 『日本社会の社会学的分析』(共著)、アカデミア出版会、1982年。
  5. 『アメリカ大衆社会論研究』(単著)、杉山書店、1981年。
  6. ギル・グリーン著『マルクス主義かアナキズムか』(共訳)、青木書店、1972年。
  7. R・ブラウナー著『労働における疎外と自由』(共訳)、新泉社、1971年。

 Ⅲ  書  評

  1. 山田千香子著『カナダ日系社会の文化変容―「海を渡った日本の村」三世代の変遷―』 (御茶の水書房、2000年刊行)、日本カナダ学会『カナダ研究年報』第21号、2001年。
  2. Anita Beltran Chen, From Sunbelt to Snowbelt: Filipinos in Canada, Canadian Ethnic Studies Journal: Calgary,1998, Australian Canadian Studies,Vol.19, No.2, 2001.

 

 

 

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