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火山灰表面特性

火山灰表面の反応性分析は、電子常磁性共鳴(EPR; Electron Paramagnetic Resonance) 分光装置を使って、イタリアのトリノ大学で始められた火山による健康被害研究の新しい分野です。

結晶性のシリカは、発がん物質であると考えられており、 ケイ肺症や死に至る可能性のある繊維性肺疾患を引き起こす可能性があります。 火山灰は、多くの場合、組成が同じでありながら結晶構造が異なる石英、クリストバライト、 トリディマイトといった形態で存在する結晶性のシリカを含んでいます。 スーフリエールヒル(西インド諸島・モニトセラット島)の火山灰に関する最近の研究によると、 ドーム崩壊型の噴火で発生した火山灰はかなりの量のクリストバライトを含有しているということが明らかになりました (Horwell et al. 2003a)。 クリストバライトは、より一般的なシリカである石英よりも肺の疾患を引き起こす可能性が大きいと考えられています。

非溶解性の固体の肺の中での影響はその固体の表面の性質に依存するため、 石英などの鉱物粒子の表面の反応性と生物学的な環境の関連について多くの研究が行われてきました。 この研究はトリノ大学のBice Fubini教授のグループとの共同で、 Clire Horwell博士によって初めて火山灰に応用されました。 この研究では、火山灰粒子からフリーラジカルならびに表面ラジカルが生成することによって生じる 結晶性シリカの毒性のメカニズムと考えられるものについて調べました。

試験管実験の結果では、吸入可能な火山灰(4μm以下)によって水酸基ができることが示されました。 この水酸基は、肺の中では、DNAの損傷や炎症の原因となる可能性があり、結果的に肺疾患を引き起こす可能性があります。 火山灰は、毒性が知られている標準石英(Min-U-Sil 5)の2倍から3倍の水酸基を生成します。 水酸基や表面ラジカルの生成を測定した際には、クリストバライトが存在していることと、 吸入可能な火山灰または火山灰全体の反応性との関連性についての証拠は見出されませんでした。 火山灰は、粒子表面で安定化している2価鉄イオンの存在によって、潜在的な有害性を示しているのかも知れません。 粒子表面に存在する鉄は、触媒反応をして、フリーラジカルを生成することができます。 ラジカルの放出は新しく噴出した試料では高く、鉄の酸化や配位状態、 試料表面の新しさ、火山灰粒子の表面積に影響をされます。 (Horwell et al., in press, 2003b).

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火山灰表面特性

専門家会員


Prof. Bice Fubini
Dr Ivana Fenoglio
Dr Claire Horwell
Dr Geoff Plumlee

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