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【大相撲】

連敗しません! 貴景勝、慌てず騒がず「毎日が初日」で3勝目

2019年3月14日 紙面から

北勝富士(手前)を引き落としで下す貴景勝=エディオンアリーナ大阪で(川北真三撮影)

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◇春場所<4日目>

(13日・エディオン アリーナ大阪)

 大関昇進を目指す関脇貴景勝(22)=千賀ノ浦=は新小結北勝富士を引き落とし、連敗を免れて3勝目を挙げた。小結御嶽海は先場所優勝の玉鷲を押し出し、関脇を連破。玉鷲は3敗目を喫した。横綱、大関陣は今場所初の安泰で、全勝は白鵬、豪栄道と平幕の逸ノ城、琴奨菊、石浦の5人となった。

      ◇

 目先の星勘定を気にしない。貴景勝のどっしりとした姿勢が、連敗回避の大きな武器になった。押し合いから、北勝富士を冷静に引き落とし、3勝目をもぎ取った。

 「切り替えるというより、毎日が初日の気持ちでやってます」

 大関を目指す場所。3日目の御嶽海戦で初黒星を喫したショックを、まったく感じさせなかった。立ち合いから一気に土俵際まで押し込みながら、右ののど輪で抵抗されても慌てない。前日、御嶽海に体を密着されて攻めを封じられた反省を生かすように、距離を保った。相手の引いた隙を逃さず土俵にはわせた。

 初優勝して大関とりの起点となった昨年の九州場所以降、連敗はない。土俵下で見守った藤島審判長(元大関武双山)が「大きいんじゃないんですか。きょうは内容より勝つことが大事」と、即座に立て直す安定感を高く評価した。

 勝負師には「験直し」がつきものだ。負けた後は憂さ晴らし。お酒で気分転換したり、好物を平らげたり。方法は人ぞれぞれだが、ストイックな22歳は「気持ちが弱い人がやること」と見向きもしない。普段通りの睡眠、食事、稽古で十分と言わんばかり。この日の朝稽古後は「大変やな、みんな。朝早くから」と、早くも疲労感のにじむ報道陣を笑ってみせた。

 そんな余裕を実証するような完勝。「闘争心むき出しで、体が勝手に動いてくれて良かった」。心身ともフレッシュなまま、大関とりへ突き進む。 (志村拓)

 

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