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【サッカー】

川崎がシドニーFCに競り勝つ 途中出場の斎藤が決勝弾

2019年3月14日 紙面から

川崎-シドニーFC 後半、決勝のゴールを決め、祝福される川崎・斎藤(19)=等々力で

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◇ACL1次リーグ 川崎1-0シドニーFC

 サッカーのアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)は13日、各地で1次リーグの第2戦を行い、H組の川崎はホームでシドニーFC(オーストラリア)と対戦し、1-0で競り勝った。後半38分、途中出場のMF斎藤学(28)が相手DFのクリアボールが中途半端になったところに詰め、右足で決勝ゴールを挙げた。川崎は今大会初勝利で通算1勝1敗(勝ち点3)とし、同組3位。G組の浦和はアウェーで北京国安(中国)と0-0で引き分け、通算1勝1分け(同4)で同組首位をキープした。

 昨季は3分け3敗で1次リーグ敗退の川崎にとって、実に1年7カ月ぶりのACL白星。斎藤が“出場即弾”で存在価値を示した。後半36分に投入されると、その2分後だった。右サイドの中村に球が渡ると「ゴールに絡むことを意識して」左サイドからゴール前中央に動いた。この発想、機転が全てだった。右クロスに相手DFが触れ、目の前にこぼれてくる。「冷静ではなかった」というが、慎重に右足インサイドで押し込んだ。

 「出場時間は短かったけど、結果を出せたのはうれしい」。斎藤は控えめにはにかんだ。ただ、今季初得点の直後、その胸中は歓喜ではなく、鬱憤(うっぷん)で充満していた。今季はここまで公式戦2試合(計37分間)の出場のみ。「悔しさ、苦しみが込み上げてきて、大喜びできなかった」と言う。

 横浜M時代は爽快なドリブル突破が専売特許だったが、川崎のポゼッションスタイルへの適応に苦しんだ。「試行錯誤の日々」にあって、決して腐らず、諦めなかった。トライを続けた。そこにこそ、価値がある。

 見守り続けた中村は言う。

 「準備をしても出番が来ず、思うところはあったと思う。その(斎藤)学のゴールで勝って、みんなが笑顔になれたのは今季一番大きい」

 公式戦5戦ぶりの勝利。アジアの頂点を見据えるJ王者は苦しんだ分、勢いに乗りそうだ。 (松岡祐司)

 

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