【ドラニュース】根尾、ハツラツ1軍デビュー いきなり声出し任され絶叫2019年3月14日 紙面から
ホロ苦デビューも、プロとして確かな一歩を刻んだ。中日のドラフト1位・根尾昂内野手(18)=大阪桐蔭高=が13日の阪神戦(ナゴヤドーム)で、7回表の守備から遊撃手としてオープン戦に初出場。8回裏に訪れた1軍初打席は空振り三振に終わった。試合も2-4で敗れたが、本拠地で背番号7がバットを振り、ゴロをさばく姿に観衆も胸を躍らせた。1軍初安打は再び出場が見込まれる14日の西武戦(同)に期待しよう。 18歳にとって何もかもが貴重な財産。割れんばかりの大歓声も打席で味わった悔しさも。「皆さんが集中している中に入れていただいて素晴らしい経験をさせてもらいました」。平日の昼間に集まった2万3469人のファンの前で根尾がナゴヤドームデビューを飾った。 待望の瞬間が訪れたのは7回。京田に代わり遊撃に就いた。「思い切りよく攻めたプレーと声を出すことを心掛けていました」。だが…。唯一の打席となった8回無死。阪神・石崎の直球に手が出ず、追い込まれると最後は外角低めの沈むフォークにバットが空を切った。「もっと振っていかないといけなかった」。思いとは裏腹の結果に悔しさをにじませた。 それでも引きずることはない。9回の守りだ。先頭・梅野の打球は正面で大きく跳ねファンブル。「準備不足でした」と頭をかいたが落ち着いて拾い上げて処理した。さらに2死から再び正面に飛んできた打球は難なくさばき高い対応力を見せつけた。 突然告げられた1軍だった。12日の試合後、小笠原2軍監督から「あした行ってこい」と送り出された。この日は午前8時ごろに球場入りし、本拠地に足を踏み入れた。試合前には初めて円陣の声出しを担当。「攻めて、攻めて、攻めて行きましょう!!」と絶叫。主将・高橋に「面白さが足らんぞ」といじられたものの大きな声でチームを鼓舞した。 初体験ばかりの一日。だが試行錯誤する気持ちは忘れない。試合前練習中にはそれぞれタイプの違う3足のスパイクを準備。うち1足はこれまで試す機会がなかった用具メーカー「ゼット社」の樹脂底スパイク。膝に負担がかかる人工芝だけに入念に履き比べ、勝崎コンディショニングコーチにも相談。結局普段から履き慣れた金具のスパイクで臨んだが、探求心はどんなときでも変わらない。
|