練習試合を含め、初めて京田を2番に置いた。オープン戦では大島、亀沢、平田、遠藤と続いて5人目(引退試合の荒木は除く)である。
「1、2番は固定の案もありますが、調子を見ながら変えていくこともある。現時点での適性を見ていこうかと」。与田監督は試行錯誤が続いていることを認めた。現在の野球は2番の人選がカギを握る。ノーバントの攻撃型なのか、オーソドックスなつなぎ役を置くのか。
昨季の中日の2番は、打率が2割5分6厘。これは全体6位、リーグ4位という数字で、チームの中では7番目に低い。下はもちろん8、9番だから、2番が機能していたとは言い難い。最も多く任されたのは京田の105試合。ただし、1番の打率より5分近く下がる(2割3分2厘)。制約の多い2番への適性は証明されていない。
クリーンアップは平田、大島、ビシエド、アルモンテから3人を選べばいい。1番候補も複数いる。ところが中日打線には2番がいない…。2月の沖縄。海が見えるカフェで、そんな話をした。相手は2番を語らせたら日本一の男である。
「僕が真っ先に思い浮かぶのはアルモンテですね。バントをしないのなら最も怖い。両打ちだから1番が京田だとしても左が続いても困らない。小技を含め何でもできるのが確かに理想だし、強いゴロでゲッツーというリスクもあります。でも一気にチャンスが広がる可能性も大いにありでしょ」
京田、アルモンテ、平田…。これは井端弘和さんのおすすめオーダーである。打ってよし、送ってよし、右に打て、粘っこい。2番の適性をすべて備えていた自分とはタイプが違うアルモンテを選んだ。OBではあるが、昨季まで巨人のコーチ。つまり「相手が嫌なオーダー」なのである。ちなみに巨人の上位案は吉川尚、坂本勇、丸。もちろん正解は一つではないのだろうが、説得力はある。