初場所で負傷した左膝の回復が遅れ、場所前に本格的な稽古はできなかった。それでも「やるしかない」とぶっつけ本番で挑んだ初日に横綱を破るとは。御嶽海にはあっぱれというしかない。
初場所は6日目に負傷して、7日目から途中休場。11日目から再出場すると見事に勝ち越し、史上初めて休場しながら三賞を受賞した。
そんな快挙にも「物足りなさを感じた。つまらない場所だった」と振り返る。休場して不完全燃焼に終わっていた。
「不安だらけ。だましだまし」というのが正直な心境だが、左膝には先場所のようなテーピングはない。「いろんな人がけがしてる。自分もけがしてるというアピールはしたくない」という心意気からだ。
関脇以下の力士としては、3横綱を破った先場所からこれで対横綱戦4連勝。2015年九州場所の嘉風以来4年ぶりの記録を残したが、当然ながら笑みはない。
「あしたまでに修正するところが多すぎる。立ち合いがまずだめ。頭下げすぎ。腰が高い」。しっかりと気を引き締めていた。 (岸本隆)