食らいついたら離さない。貴景勝の左からの突き落としは「イメージ通り。相手を引かせることしか考えてなかったんでね。ちょうどよかったですね」と完全に読み切っていた御嶽海。右を差し、左をねじ込み、もろ差しから寄り切った。
ぶっつけ本番で臨んだ今場所。それでも初日に鶴竜、この日は大関とりに挑む貴景勝から白星を奪った。「いたって冷静でしたね。いい緊張感を持っていければ。立ち合いはもうちょっとしたら慣れると思うけど、立ち合いの後の動きはよくなってきてる」。その落ち着きっぷりと、わずか3日での修正能力には驚かされる。
「貴景勝関の強さは認めてる。(大関に)なっていいと思う。なったらなったで刺激になる。やってくれそうな雰囲気がバリバリ出てる」と対戦前に話していたが、御嶽海も昨年名古屋場所で初優勝。一足先に大関へ挑んだ意地もある。
2日目の夜は、部屋の近くですっぽん料理を食べたという。生き血で鉄分を補給し、6人で5人前のすっぽんを食べて栄養補給もばっちり。半分以上を御嶽海が平らげたといい、「自分はうまいところを食べて、(同行者には)雑炊、ラーメンを食え、食えって」とちゃめっ気たっぷり話す。
「コラーゲンめちゃくちゃ多い。お肌がつるつる。すっぽんパワー、定番ですね」。生気があふれていた。 (岸本隆)