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2013年07月19日

【特集】岡田斗司夫が語る『宮崎駿を「老害」と言ってはいけない理由』


岡田斗司夫が語る宮崎駿作品論。3分のダイジェスト映像です。お気軽にどうぞ!

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岡田斗司夫も首を長くして待っている劇場アニメーション『風立ちぬ』。いよいよ明日公開ですね。

「初めて宮崎駿監督が、本当に作りたい作品を作った」と、一昨日に出演した情報バラエティ番組『ニッポン・ダンディ』で熱くも語っていました。

 

そんなワクワクの公開を記念して、公式ブログ『岡田斗司夫なう』では「宮崎駿特集」を開催します。

 

第一回は、ニコ生の公式番組『岡田斗司夫ゼミ』の記念すべき第一回『原子力とオタク2011.5.29放送)内で語った宮崎駿論をご紹介します。
 

宮崎監督が「何をやってもいい」と言われて作った作品『On Your Mark』。
最も語りたいことが入ってる作品ということで、『風立ぬ』に通ずるものがあるかもしれません。
 

 

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On Your Mark』って見たことある?

 

ツタヤ行くと『ジブリがいっぱい』っていう短編集があるんだよ。その中に、ジブリ実験劇場っていう、他のジブリの作品にはついてないタイトルが一本だけある。CHAGE and ASKAOn Your Markって曲に、なにやってもいいと言われて、宮崎駿が作った、34分のアニメ。ものすごく面白いよ。

 

今回の事故以前だから、みんなが放射線マークって知らなかった時代。

アニメが始まると、いきなり放射線マークがどーんと出てきて、すっごくきれいなんだけど誰も住んでいない緑の草原が描かれる。チェルノブイリそっくりなんだ。

その向こうにコンクリートに覆われた変な建物が建っていて、そこに防御服を着た二人組。CHAGE and ASKAなんだけど、車に乗って走っているシーンから始まるアニメ。

 

外の世界は、緑ですごく綺麗なんだけど、誰も住んでない。でもドームで囲まれた都市の中に入ってみると、人がごっちゃり住んでいて、外へ出ることを恐れているっていう世界。

明らかに、核戦争じゃない。核の事故が起こった後の世界。
 

その証拠に、原子力発電所特有の「すり鉢状の煙突」がある。スリーマイルアイランド島型の原子炉にいっぱいあるヤツ。
それが無限に出てくるシーンがあって、宮崎駿、本気で核によって、それも原子力発電所事故によって崩壊した後の世界を描いているってわかる。

その中での救いの話を描いてるんだけどさ。

はっきり描いてないから誰も気がつかないんだよな。

だから、是非これもツタヤで借りてみてください。

 

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(コメント)「環境左翼? 巨神兵の放射線描写など」

 

いや、環境左翼じゃないと思うな。宮崎さんはそんなね、無神経で単純な左翼ではなくて。

「俺がやってるのは、エアコンのガンガン効いたジブリで、こんなアニメを作ってる。それはわかってるんだぁっ!」みたいな話だよな。

 

iPadとか宮崎さん、嫌いじゃん。

宮崎さんのそんな話を聞いて、よくデジタルネイティブなみなさんは

老害!

とかさ、

ジジイ!

とかって思ったりするかもしれないんだけれど。

 

人間って、なんだかんだ言っても10歳進むごとに一段深くなってくし、

あとね、死力を尽くした作品作るたびに、やっぱり一枚深くなってくる。

 

だから、そこらへんはね。ちょっとだけでも注意したほうがいいよ。

自分が見切ったつもりでも、もうちょっと深い場合が多い。

宮崎駿なんて、俺昔から見てて、これぐらいの人だろうなと思っても、まあぁ、なかなか見切れない。

 

そんな単純なエコな人ではない。環境バンザイではないよ。
だからオンユアマーク見てみて。

 

本当に、あの人が色んな事考えてる。

自分はなぜ女の子好きなのかっていうのも含めて、ものすごく色々固まってる作品だから。そこら辺なかなか面白いと思うんだけど。



ライター:のぞき見のミホコ 






otakingex at 21:00コメント│ この記事をクリップ!

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