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【ドラニュース】

【龍の背に乗って】大阪桐蔭OBのすごみを生む鋼鉄の覚悟

2019年3月13日 紙面から

大阪桐蔭高の西谷監督=1月、大阪府大東市で

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 ナゴヤ球場では根尾に待望の初安打が出た。ナゴヤドームでは阪神の藤浪が投げ、本紙の評論は今中慎二さんが担当した。欠場した平田を含め、彼らは野球界に増えつつある「大阪桐蔭出身のドラフト1位」だ。

 この日、彼らと同じ経歴を持つ野球人の再スタートが決まった。西岡剛のBCリーグ栃木への入団が発表された。派手なプレースタイルや奔放な言動から誤解されがちだが、西岡は根っからのエリートではない。熱望したPL学園への進学がかなわず、いわば15歳で挫折した結果、大阪桐蔭に進んだのだ。そんな少年がいかにして高卒ドラ1の道を切り開いたのか。同校の西谷浩一監督にすさまじいエピソードを聞いたことがある。

 「僕はどうしてもプロに入りたいんです。そのためならどんなことでも我慢します」。西岡が頭を下げてきたのは、まだ1年生のころだったという。とはいえ、プロになりたい、努力は惜しみません。そう口にする球児はたくさんいる。西岡が違うのは本気だったところだ。

 「僕の仕事もありますし、チーム全体の朝練もあります。だから『5時から1時間ならつきあえるよ』と言うたんです。その約束を西岡は守り切りました。遅刻も一切なく(当時寮で暮らしていた)僕の部屋を4時45分にノックしていました」

 早朝5時からのマンツーマン練習。やる選手にもつきあう指導者にも鋼鉄の覚悟があった。

 西谷監督の甲子園での通算成績は、7度の全国制覇を含む55勝9敗。西岡の時代とは違い、今は入りたくても入れない球児にとっての最難関校だ。学年20人のエリートが競い、もまれ、生き残った者がプロの世界に飛び込む。大阪桐蔭の強さと卒業生のすごみ。根尾もそう。出ているのは2軍戦でも、当たっているのはすべて1軍の投手だ。その球に振り負けない。そして彼もまた、はってでも夢に近づく鋼鉄の覚悟を持っているはずだ。

(渋谷真)

 

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