北海道の釧路で、タンチョウの息づかいに迫りました。EOS 7D Mark Ⅱを手にして以来、その性能の高さに魅せられて、すっかりメイン機として活躍しています。F値 を落とさず、焦点距離が1.6倍にできるAPS-Cは、野鳥撮影には大きなメリットです。 私はもっぱらAIサーボAFが活きる、ゾーンAF(中央)を活用しています。被写体を捉えて追従しやすいだけでなく、構図も整えやすいんです。 ファインダー内の表示設定は、AFフレームを常時点表示させています。ファインダー内の測距範囲がわかりやすいので、私にはけっこう重要な表示です。 野鳥の目にピントを合わせたい時は1点(中央)、状況に合わせて点も使います。この3つの測距エリアだけを選択可能にして、[測距エリア選択レバー]で素早く切り替えています。

測距エリアは7種類から選択可能。ゾーンAFは選んだ測距ゾーン(9つ)で、広範囲に被写体を捉える。AIサーボAF時に動きの速い被写体の捕捉に有効。

測距エリア選択モードの限定

測距エリア選択レバー

被写体の動きの特性に合わせて、Case1~6までAFカスタム設定が可能。いずれも動きの特性に合わせて詳細に設定できる。

AFカスタム設定は、デフォルトのCase1。AFの基本性能が高いので、タンチョウ、オジロワシなどの撮影であれば、それで充分に捉えることができます。とにかくAFはカメラ任せ。 私は画面から被写体をはずさないようにして、連写でシャッターを切り続けます。高速連写でも、シャッター音が静かだから非常に助かっています。バッファ容量も進化しているので、安心して連写し続けられます。 バッテリーは常に3つほど持って撮影に臨みます。バッテリーグリップを使って撮っていますが、1日の撮影で使い切ることは、ほとんどありません。128GBのCFカードがフルになるまで撮っても持ちます。極寒で撮っているのにすごいと思いました。 操作系も少しだけカスタマイズしています。親指で操作する[AF-ON]はオフ。なぜなら瞬間的にAFをストップしたい状況が発生するからです。たとえばタンチョウの舞いの瞬間など、一度AFで合わせたら動いて欲しくない場合があります。

私の場合、撮影モードは、絞り優先AEをメインに開放で撮っています。タンチョウ、オジロワシの日中の撮影であれば、少し露出をマイナスに補正しますが問題なく撮影できます。さらに高輝度側・階調優先は「する」に設定。タンチョウは白いので白トビが減って助かっています。

EF100-400mm F4.5-5.6L I S I I USM、1/6400sec、F5.0、ISO400、露出補正:-1/3

・撮影モード:
絞り優先AE
・ドライブモード:
高速連続撮影
・AF方式:
AIサーボAF(ゾーン[中央])
・AFカスタム設定:
Case1
・測光モード:
評価測光
・ピクチャースタイル:
スタンダード
・高輝度側・階調優先:
する
・ノイズ低減機能:
標準
・使用カード:
CF128GB、SD64GB
(カード自動切り替え)

福田 啓人Hiroto Fukuda

1973年横浜生まれ。フリーの自然写真家として活動中。
四季のタンチョウを撮影するため、北海道釧路市に移住。

EF100-400mm F4.5-5.6L I S I I USM、1/6400sec、F5.0、ISO400、露出補正:-1/3