美味しいもの食べて、明日からちゃんと頑張ろうって気持ちにはなれた。
でももう、俺の布団を温めてくれる猫はいないんだなって寝る前に泣いちゃうかも。
忘れられることが本当の死だって誰かが言ってたから、写真は飾っててあげてほしいと思うよ
本当に良かった。
骨になったら、元々小さかったのがもっと小さくなって、でも悲しさよりも愛おしくなったよ。
名前は大統領。
オバマとヒラリーが選挙戦を繰り広げていたあの頃、ヒラリーが優勢というニュースを見てたら、ツレから「子猫拾ったんやけどどうしよう」という連絡があった。
取り敢えずどんな猫か見に行くと、それはもう可愛らしくて手のひらくらいの大きさしかないメスの子猫だ。
「うちで飼うわ」と、一目惚れだ。思わず言ってしまった。
大きくなって、小柄で美人な、鍵尻尾がチャーミングな猫になった。
それはもう悪さばかりした。
俺の服の上にゲロは吐くし、俺の布団の上にゲロは吐くし、ダンボールやら紙袋やらをビリッビリに破くのが好きで、仕事から帰ったら大惨事になってたこともある。
ただそれ以上に可愛くて愛らしい見た目だから、大抵のことは許してしまった。
そんな生活に終わりが訪れたのが、去年の初冬だ。
餌の食いが悪くなったので、ウエットフードにしたり、食器の位置を変えてみたり。
色々やってみたが、しばらくして呼吸がとても苦しそうな事に気がついた。
その頃には結構痩せてしまい、これはまずいと獣医へ連れて行った。
レントゲンを撮ってもらい、診断の結果は胸水が溜まっているということだった。
「体重も少なくて小柄な猫さんだから胸水を抜くための麻酔で目が覚めないかもしれない」
獣医にそう言われて、施術は見送り、血液検査の結果、胸のあたりに悪性の腫瘍があるのかもしれないということがわかった。
ただその結果が出た頃には、もう自分で餌を食べることはなく、ふやかしてウエットフードを混ぜてすり潰した、液状の餌を強制給餌するようになっていた。
水も飲みたくないようで、日に日に萎れていく大統領。
毎日点滴に連れて行き、嫌々ながらも頑張って強制給餌に耐えさせていた日々。
苦い薬もすり潰して、ちゅーるに混ぜて飲ませた。
でも、そんな生活はすぐに終わった。
薬での治療法は、原因が完全に特定出来ないと、迂闊に手を出せば病状を悪化させてしまう。
朧げにしかわからない原因に対して、治療法に底が見え始めた。
そんな時だった。
ある日強制給餌を行うと、目を剥いて怒り出し、流血する程に引っかかれて、噛まれた。
覚束ない足取りで脱兎の如く逃げ出して、ベッドの下に潜り込むが、顔だけはこっちを剥いて、睨んでいるとも怯えているともとれる表情をしていた。
完全に嫌われたと思った。
俺が痛いのはいい。
ただ猫が、大統領が苦しんでいる。
ただ長く一緒にいたい、でもそのために愛猫を苦しめるのは、違うのではないかと。
「もう無理だ、諦めてくれ、やめてくれ」と言われたような気がした。
治療をやめる決断をした。
獣医に話して、最後だからと、体が楽になるような注射(主にステロイド注射)と、点滴をしてもらって、俺は大統領に言った。
「もうあとはゆっくり過ごしたらええからな。ご飯も水も、食べたい時に食べたらええから」
それからは安心したように、ゆっくり過ごしてくれた。
やせ細って、頬もこけていった。でも辛くはなかった。後悔もない。
一つ後悔があるとすれば、ご飯を食べなくなったその時点で、獣医に見てもらえれば、もう少し一緒にいられたのではないかと言うものだ。
でも、振り返らなかった。
そのうちうんちもおしっこも、自分では行けなくなった。
でも撫でてやると、ゴロゴロと喉を鳴らすんだ。また俺のことを好きになってくれたことが、とても嬉しかった。
昨晩奥さんと映画へ行って、帰宅すると、大人しく待っていた。
うんちをしたのだろう、ビチビチのうんちが毛に絡まって、固まっていたので、風呂場で洗ってやった。
ドライヤーで丁寧に乾かしてやって、カーボンヒーターの前に据え置いた寝床に降ろそうとした時、元気だった頃の鳴き声で「にゃー」と鳴いた。
撫でてやって、寝床に下ろすと、ひとつ伸びをして、そのまま息を引き取った。
最後まで意地っ張りで、名前を呼ぶと大きく呼吸した。
何度も呼んでいるうちに、それは小さくなって、動かなくなった。
そして今さっき、火葬が終わった。
よく頑張ってくれた。 寂しい。でも安らかに逝けてよかった。 思い出をありがとう。 彼女は、幸せだっただろうか。
少し大統領のことを考えるだけで、涙が出てきそうになる。
でもペットを飼うというのは、そういうことなのだ。
ありがとう。お目汚しごめんなさい。
辛いよ
でも急に仕事入って、普通にこなせたから明日も普通に生きていくと思う
明日からどうやって生きていこうと思ったけど、なんとか大丈夫そう
泣くけど
ベッド占拠するし占拠したら絶対動かないし、寝てる間に蹴ってしまったら漏れ無く噛まれて起こされるよ。
でも可愛かったんだよ。
命あるものはいつか死んでしまうけど、肉体が死ぬだけで、ずっと心の中に生き続けると思う。
だから大丈夫、俺今大丈夫ちゃうけど、ズッ友やからな。
不自由無いように過ごさせてあげてください。