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本当のハワイの歴史を学ぶツアー

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本当のハワイの歴史を学ぶツアー

フラ・ハラウ(フラ教室)といっても、千差万別。体育会系で踊りをひたすら教えるところもあれば、仲間同士で和気あいあいと楽しむことを目的にしているところなど、クムの考え方によって全く違うスタイルだと思います。私が現在所属しているハラウは、踊りだけではなく、文化を継承することにも非常に重きを置いています。

これは本当に貴重な機会を与えていただいていると感謝するばかりですが、英語が母国語ではなく、ハワイ文化の中で生まれ育ったわけではない私にとって、相当な難関であることも事実です。物凄く興味があって学びたいことばかりなのに、すぐに全ては理解できないもどかしさ。自分が情けなくなることも多くあります。いえ、年がら年中そんなことばかりです。一時は諦めたくなったこともありましたが、フラシスター達に助けてもらいながら、少しずつでもいいから進めるようになればいいのだ!なんて自分に言い聞かせつつ、亀の歩みで勉強しています。

イオラニ宮殿
イオラニ宮殿

先日はクムのお声掛けで、ハラウを飛び出し、有志たちがイオラニ宮殿に集いました。有志といっても男女合わせて50人以上。やはり皆、文化を学んでいる意識が高いのだと感じました。年に一度開かれている「MAI POINA(マイ・ポイナ)」というイベントに参加するためです。「MAI POINA」とは、ハワイ語で「忘れないで」という意味。ハワイ文化を学ぶ上で忘れてはいけない大切なことを語り継いでいくイベントです。

今年のテーマは「THE OVERTHROW」、つまりハワイ王国の終焉について。「ハワイ事変」ともいわれる、1893年1月17日に幕を閉じることとなったハワイ王朝最後の4日間を、演劇仕立てで伝えてくれるもの。宮殿を囲むガーデンや宮殿正面などに6ヶ所のステーションが設けられ、1893年1月14日から始まり、最後となる4日間の王族や市民、移民などそれぞれの立場の様子を、今起こっているかのように各ステーションで一日ずつ追っていきます。

MAI POINA
MAI POINA

実際にその舞台となったイオラニ宮殿で行われるのですから、観ている途中から、とてもリアルなものに感じてきて、ちょっとした錯覚に陥るようでした。案内の方の誘導で各ステーションを移動するのですが、なかなか難しいテーマなので、正直すぐには理解できないことも多く、移動の度にフラシスターに確かめながら聞いていた私ですが、最後に辿り着いたリリウオカラニ女王像の前でハラウとしてチャントを捧げた時は、ぐっと込み上げるものが・・・。理解することも勿論大事だけれど、感じることも同じくらい大事なのだなとしみじみ思った瞬間でした。

MAI POINA
MAI POINA

ハワイの歴史を肌で感じられるかのような、この「MAI POINA」、なんと無料なのです。毎年日程やテーマは違うようで、今年は8月末から9月頭にかけての4日間、一日4回行われたそうです。無料とは思えないほど構成もしっかりとしていて、非常に見応えのあるものでした。このイベントの大きな目的のひとつは、ハワイの本当の歴史について学んで欲しいということ。このツアーを通して、ツアーの際に配られるパンフレットを通して、主催者のウェブサイトを通して、本当のハワイの歴史・人々・文化について学ぶきっかけを与えてくれます。ウェブサイト(英語)に詳しい情報が掲載されていますので、興味がある方は是非チェックしてみてください。

クム(先生)の、私たちに歴史を知った上でフラを学んで欲しいという思いを心に刻み、勉強していきたいと思う体験でした。

ただ、劇中、日本人移民役の役者さんがわざと日本語訛りの強い英語で演技していたのですが、悲しいかな、その内容が一番良く理解できた時は、ハワイ文化だけでなく、英語ももっと真剣に勉強しなくてはいけないと強く感じた私でした・・・。

Iolani Palace(イオラニ宮殿)
364 S King St, Honolulu
(808)522-0822
http://www.iolanipalace.org/

Hawai’i pono’i
http://www.hawaiiponoi.info/

  

プロフィール

荒川 れん子

荒川 れん子

現在ハワイ在住フリーアナウンサー。本格的にハワイに拠点を移し14年目。その大半をモロカイ島という小さな島で過ごせたことに感謝の日々。現在はオアフにも拠点を持ち、できる限りモロカイと行ったり来たりしている。

ソニー・ミュージックアーティスツ所属
オフィシャル・ブログ『ALOHA♡Life』

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