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手づくりの想い

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手づくりの想い

フラの醍醐味のひとつに、お花や植物、貝殻など自然から頂く装飾品を身につけられる喜びもありますよね。その香りや感触に癒されるのは勿論のこと、細やかなデザインや工夫を見ると、ハワイアンの人々に受け継がれてきた技術や叡智に心を動かされます。

私がフラを始めたモロカイ島のフラ・ハラウのクムはお花屋さんを営んでいるため、幸運にもたくさんのお花のレイやハクの作り方を教えて頂く機会がありました。でも貝殻を使うレイ作りの経験はなかったので、現在所属しているフラ・ハラウで初めて目の当たりにしました。『作りました!』と言い切れないのは、一部の作業にしか携わっていないからです。

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とある大事なセレモニーに向けて、ワヒネ(女性)、カネ(男性)だけでなくクプナ(ご年配)のクラスも入れて総勢100名を越えるハラウ全体での分担作業になりました。私が担当したのは仕分け。ハラウの誰かが拾ってきてくれた数えきれないほどの貝を大きさごとに分けるのです

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その山のような貝を見た時は一瞬めまいを覚えたほどでした・・・。1インチ、3/4インチ、1/2インチと手元のメジャーで計りながら分けていきます。

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これ、正直、気が遠くなるような作業です。自然のものですから、当然微妙にどちらともいいにくい大きさのものも数多く、その判断に慣れるまで時間がかかりました。でも普段接触することの少ない他のクラスの方達と交流できる良い機会でもあります。基本的にローカルのおばさま・お姉さま達は面白い方が多いので、その武勇伝などで終始笑わせて頂きました。こういった世代を超えた交流もハラウならではの楽しみです。

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そして大きさごとに分けた貝をペットボトルに詰め、次のセクションに渡します。ペットボトルの数は結局何本になったのか数え切れないくらいに・・・。この貝のレイはロングタイプで何連かに重ねるデザインだったので、相当な数の貝が用意されました。これらを拾い集めるだけでも何日もかかっているに違いありません。

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次にひとつひとつの貝にドリルで穴をあけ、糸で繋いでいきます。 皆の協力で出来上がったレイ。ある人達の大きなステップアップのセレモニーにて、ハラウの皆からのプレゼントとして渡されました。渡された人達は、その手間や労力を充分に知る人達。サプライズ・プレゼントにとても驚き、皆の想いをしっかりと受け取ってくれた様子がはっきりと伝わりました。プレゼントは貰ってくれた人の喜ぶ顔で、こちらが幸せな気分にさせてもらえますよね。やはり、相手のためでもあるけど、結局は自分のためにするものでもあるなと改めて感じました。

こうして作業過程を実際に見ると、例えばホテルなどで首にかけてくれるレイもひとつひとつが大変な作業を経ているのだなぁと感謝の気持ちが更に強くなります。フラの世界は何気ないことにも感謝の気持ちを芽生えさせてくれる機会が多いので、どんどん学びたくなるのかもしれません。

  

プロフィール

荒川 れん子

荒川 れん子

現在ハワイ在住フリーアナウンサー。本格的にハワイに拠点を移し14年目。その大半をモロカイ島という小さな島で過ごせたことに感謝の日々。現在はオアフにも拠点を持ち、できる限りモロカイと行ったり来たりしている。

ソニー・ミュージックアーティスツ所属
オフィシャル・ブログ『ALOHA♡Life』

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