12月に入り、周りも自分自身もバタバタと忙しさが増しているこの頃。この師走ムードは日本でもハワイでも同じように感じるのだなと、最近気づきました。ただ、やはりアメリカではお正月よりもクリスマス。サンクスギヴィングデーが終わってからクリスマスまでの時間の加速する感じは、街の賑わいぶりからも解りやすいほどに伝わってきます。
私が所属しているフラ・ハラウは、12月中旬に催されるクリスマス・パーティーを最後に少しの間お休み。年明け早々からみっちり始まる練習に向け、ほんの束の間、ゆっくりできるかな・・・と思いきや、今年は凄い宿題が出てしまいました。それは、フェザー・レイ作り。鳥の羽を一枚ずつ重ねてつくりあげるハワイ文化の伝統技術のひとつ。芸術といった方がいいかもしれません。私にとっては憧れのものでもありました。
フェザー・レイを間近でご覧になったことがある方なら解って頂けるかと思いますが、その美しさといったら、うっとりとして溜息が漏れるほど。艶やかな質感と細やかな技術は、どのくらいの時間を費やしたのか想像できないくらいです。そうです。想像したこともなかったのです、私。自分がつくることになるなんて考えたこともなかったので。フェザー・レイをつくると聞いた時、嬉しいと同時に、正直、ぞっとしたのも確かでした。「私、できるのかしら?」と。そして、その不安は初期段階から既に現実として襲ってきました。
まず羽根の先端を切り落とすところからスタート。クムは「2、3時間はかかるから余裕を持ってね」とアドバイスしてくれましたが、とんでもない!私は、この最初のステップにぶっ続け作業で12時間以上かかりました。途中で「この作業に終わりはくるのだろうか・・・」と不安がよぎりましたが、クムからいわれた最も重要なポイントは「レイを作るときは必ずポジティブな気持ちで!ネガティブな気持ちを決して持ち込まないように。その気持ちがレイに入り込みます。ネガティブな気持ちの時は作業をしないように」とのこと。
好きな音楽を聴きながらなど、ポジティブ・マインドを保ちつつ頑張っています。実際、憧れのフェザー・レイを作っている訳ですから、嬉しくてそんなにネガティブな気持ちにはならないのですが、時間との戦いは焦りや不安を呼ぶのだなと学びました。私はいつもギリギリ派なので、何事もできるだけ余裕を持つようにしなくては、と改めて感じています。本当によく思うのですが、フラから学ぶことはフラだけでなく、生きることに通じるものが多いのです。“Hula is Life”とはよくいったものです。
そして羽根をカットした後は、初めての人は、まず専門家の元で紡ぎ方を習います。フェザー・レイ・ショップにある様々な形のフェザー・レイはまるで美術品のよう。あれもこれも作ってみたいと思うのですが、まずは初めてのフェザー・レイを完成させなくては、です。初めてということもありますが、今のところ1センチ作るのに1日かかっております・・・。さあ、年明けの提出日までに間に合うのでしょうか・・・。
うちのハラウの凄いところは、皆それぞれ学生だったり社会人だったりと忙しい訳ですが、それでも締め切りにはきっちり終えてくるのです。皆、どうやって時間をつくっているのだろうと思うほど。ですので、言い訳は全く通用しません。どんなに忙しくても、絶対に完成させなくてはいけません。今はとにかく出来上がった姿を夢見ながらひたすら紡ぐのみ。何にも代え難い我が子のようになるのは間違いないです。完成すれば、ですが・・・。
プロフィール
荒川 れん子
現在ハワイ在住フリーアナウンサー。本格的にハワイに拠点を移し14年目。その大半をモロカイ島という小さな島で過ごせたことに感謝の日々。現在はオアフにも拠点を持ち、できる限りモロカイと行ったり来たりしている。
ソニー・ミュージックアーティスツ所属
オフィシャル・ブログ『ALOHA♡Life』