やっと終わりました。年に一度のハラウのコンサート。このコンサートが我がフラ・ハラウで唯一のファンドレイジング（資金集め）なのです。『ホイケ』と称するハラウもあると思いますが、私の所属しているハラウは、クム・フラがアーティストでもあるため、総称してコンサートと呼んでいるのかもしれません。

ハワイのハラウは、お月謝を多く取らない代わりに、皆でファンドレイジングをするところがほとんど。それは洗車だったり、食べ物などを売ったり、ガレージセールをしたりなど様々。私個人としては、資金を集めることも勿論大切ですが、どんな形のファンドレイジングもハラウの仲間との結束を深められるので、とても良い機会だと思っています。ただ、皆、お仕事や学校で忙しいのも事実。年一回に集約してくれるのは正直助かるという気持ちも。それにコンサートは発表会のような趣きもありますので、毎年この時期は緊張感が走ります。

生の植物やお花を扱うため、毎年前日は準備で大忙し。まずは使用する草花を探して、家主さんに採っていいか許可をもらって、摘んで持ち帰って、レイやヘアーピースをひたすら作って・・・。モロカイ島のハラウにいた頃はそれほど難しいことではなかった“草花を探す”という作業が、少し都会のオアフでは意外と難しく、常日頃から散歩をする時など、どこに何のお花があるかをチェックするのが癖になっています。そして夜には髪を三つ編みにして就寝。レゲエ調な出で立ちで集合となります。

当日は早朝集合。会場のデコレーションから始まり、何度も行なうリハーサル。あっという間に本番の時を迎えてしまいます。そして本番中は、まるで戦場（笑）。早着替えをフラシスター同士で助け合いながら行ないます。これが、絶対に助け合わないとできないのです。自分だけのことを考えている人はいないと断言できるほどの協調性が存在するので、終わった後の感謝の気持ちも深まるのかもしれません。

今年はゲスト・アーティストとしてナプア・グレッグが登場したので、お陰様で少し余裕ができ、楽屋でお写真を撮ったり、おやつをつまんだりするチャンスが僅かながらありました。「お化粧濃過ぎない？」「いや、ステージだと照明で飛んじゃうからもっと濃い方がいいよ！」など、お互いにヘアメイクのチェックをしながらもカメラを向けるとニッコリとポーズできる時間が3年目にして初めてあったような気がします。

残念ながら本番中の写真はありませんが、ハワイシアターという歴史的建造物のステージに、日本人である私も立たせて頂けるのは、毎回本当に感激します。ご存知の方も多いように、ハワイシアターって、とっても素敵な造りなのです！このステージからの景色が観られること、感謝の気持ちと共に、ここまで頑張ってきて良かったなと、毎回幸せな気持ちになれます。

特に今回は、正直にいってしまうと、何度か諦めようかとの思いがよぎりました。お仕事との両立、自分自身に満足できないもどかしさ、前のように無邪気に楽しめない心苦しさ・・・などなど、決して良い時だけではなかったのです。でもこのステージに立つと、全てをす～っと受け入れられました。いろいろな時を経て解ることもあるのだなと。毎回いっていますが、フラから学ぶことは想像以上。それが修行でもあり、魅力でもあるのかもしれません。

終演後は皆さんが外の広場に集まり、挨拶を交わしたり、記念撮影をしたりで賑わいます。ハワイアンのコンサートやショーでは、出演者にレイを贈るのが定番。フラシスター、フラブラザー達の胸元はたくさんのレイで埋め尽くされます。まるで卒業式のよう。そう、年に一度のこのコンサートが、きっとそれぞれに何かを乗り越える節目になっているのかもしれません。