今年もハーラウの一大行事である、年に一度のコンサートが終わりました（私が所属するハーラウではホイケではなくコンサートと呼んでいます）。このコンサートはファンドレイジング（メリーモナークへの資金集め）が目的なのですが、年に一度の集大成的な趣があるため、終了すると本当に、本当に心からホッとします。私にとっては、この一年のフラのこと、ハーラウのことを振り返る時間にもなるのです。

コンサートにはわざわざ日本からこのためだけに来てくださるお客様も多く、その方達が年に数回のクムの来日ワークショップを楽しみにされている様子を伺うと、頭が下がる思いです。というのも正直なところ、ここ数年はハーラウとお仕事の両立や長年の腰痛の悪化などで、フラに対する情熱に少し翳りがでてきたような、続けていく自信がないような、頭の中が悶々とする思いに溢れていたからです。特に今回私は直前の1月の練習にほとんど出られない状況だったため、コンサートで踊らせてもらえないことを覚悟でクムにその旨を伝えたところ、何の返事もなし…。これは無言の「出なさい」という意味だろうと解釈し、休みの間のことはフラシスター達にフォローしてもらいながら、ここに立派なラウアエがあるよ、とか、ティーリーフのクペエの太さはこれで大丈夫？などフラ小道具の製作や振りの確認などコンサート前の1週間はほとんど寝られない日々が続き、なんとかこぎつけた感じでした。

それでもハワイシアターという歴史あるステージに立つと、それまでの苦労を全て忘れてしまうような景色が目に飛び込んでくるのです。コンサート終了後には幕の降りたステージ上で全員とハグが交わされます。それぞれに仕事、学業、子育てなど誰もが忙しい中で時間を作りながら取り組んでいるだけに、想いは同じなのかもしれません。

私は幼い頃からいわゆる器用貧乏で、大抵のことはそこそこ程度ながらできる方だったため、一番ではないけれど及第点を得ることが多いタイプでした。なので「本気を出せばもっとできるのだろうな～」という根拠のない自信と勘違いから然程努力もせずになんとなくクリアしてきたことが多かったのかもしれません。

でもフラは違いました。そこそこではクラスについてもいけない。ちょっとやそっとの練習じゃ全く上手くもならない。はっきりいって私は万年劣等生です。まさか大人になってからこんなもどかしさを感じることに出会うとは思ってもいませんでした。でも不思議なもので、それほど思うようにいかず自分自身への悔しさを感じる状況の中、続けるか続けないかは自由なはずなのに、辞めるという選択に至りません。

もっと正直にいうと、辞めようか迷う時、挫けそうな時は何度も何度もありますが、結局は辞めたくないのですよね、辞めていないのですから（笑）。それを支えてくれているのは、フラシスター達であるのは間違いありません。本当に素敵な仲間に囲まれていることは財産で、彼女達がいなければ、私はとっくに挫けていたと思います。

そしてもうひとつは、大人になってからこれほど必死になれることって滅多にないからなのかな、と思うのです。年齢を重ねながら様々な経験を積んで私たちは大人になっています。余り得意じゃないことを上手くやり抜くことも覚えてきたでしょう。善し悪しは別として、諦めることも学んできたでしょう。日々少しずつスムーズに生きる術を身につけているのかもしれません。

必死になるという行為そのものを避けがちな中、それでも必死になってしまうものがあるのは有り難いことなのだと思うのです。まだ自分の可能性を追っているようで他人から見れば滑稽なのかもしれませんが、自分の可能性を信じる気持ちは大切だと思うのです。他の誰でもない自分自身が信じなくて誰が信じるのか？という話ですよね。だからこそハーラウのみんなも必死に時間を作りながら続けているのかもしれません。

器用貧乏のツケが今に回ってきているのか、中々努力や練習が続かない私ですが、クムはちゃ～んと見ているようで、コンサート後に私が「今回はあんなに休んだにもかかわらず踊らせていただきありがとうございます」と伝えたところ、クムはニヤリと微笑みながら「れん子は今回ちゃんと練習していたでしょ」と。やられた～！と思いました。やっぱりクムは見ている、普段の練習不足の私も見ている、と。

フラは、努力不足だった私をもう一度やり直しさせているものでもあるのかもしれません。必死になって、とことん必死になって、その先に見えるものが何なのか、怖いような楽しみなような…、私はやはりすっかりフラに魅了されている一人なのだと思います。まずは練習ですね（笑）。