オーバーロード<落書き集>   作:焼きプリンにキャラメル水
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タブラ・スマラグディナの捏造話です。
苦手な方は見ないことをお勧めします。
最終日に来ていたメンバーの一人がタブラさんだと妄想した内容です。


最終日--タブラ・スマラグディナ--

『タブラ・スマラグディナ』は円卓の間でモモンガと話が終わった時であった。

 

 

「タブラさん。今までありがとうございました」

 

「はい。またどこかでお会いしましょう」

 

そう言うと私は円卓の間から出た。

 

 

__________________

 

 

私は先程の会話の内容を思い出していた。

 

ギルメンの話、ナザリックのデータの多くを独占してしまったこと、NPCたちの話などだ。

 

「そういえばモモンガさんはパンドラズアクターの外装は45個あるといっていた」

 

つまり・・

 

「アインズ・ウール・ゴウンのメンバーである私たち以外に四つの外装があるということ?」

 

一つはパンドラズ・アクター自身の外装だろう。

 

プレアデスの一人であるナーベラル・ガンマが種族レベル1で外装や能力をコピー出来ないと確か『武人建御雷』さんが言っていたはず。

 

(だとすれば残り三つは一体・・・)

 

私は『るし☆ふぁー』とは異なり悪戯が好きではないが、好奇心からかニヤリとした。

 

(見てやる・・・・)

 

そう思ったのだ。

 

だとしたら向かうべきは一か所だ。

 

私は即座にギルドの指輪(リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン)を使用した。

 

 

 

______________________________

 

 

ナザリック地下大墳墓 宝物殿

 

 

 

 

「ここに来るのも久しぶりだな・・・」

 

過去に整理整頓で集会を忘れた『源次郎』さんを呼びに来た時以来だな。

あの時は自身の弟である『ぺロロンチーノ』君以外には寛容な『ぶくぶく茶釜』さんが珍しく怒ってたっけ?

 

(楽しかったな・・・あれからもう何年が経ったのだろう?)

 

そう思って宝物殿のデータを見てみる。

 

世界級アイテムは何を所有していたかなどを見る。リストだけならここにある。名前のみ記されいないが・・

 

このリストを見た侵入者が奥に入り、ギルドメンバーを模した化身(アヴァターラ)に攻撃されるという罠でもある。

 

真なる無(ギンヌンガガプ)か・・懐かしいな。これ入手するの苦労したな・・)

 

確か・・物体に対しての破壊力が抜群な武器・・だったかな。

壁とか破壊するには丁度良かったはず。

 

ついでに他のデータもチェックしてみる。

 

(!!?ユグドラシル金貨が減っていない!!)

 

 

 

 

確か・・私が最後に来たのはギルドメンバーの大半が引退してからだ。

 

ナザリック地下大墳墓が未だに残っていること・・・

 

宝物殿にあるユグドラシル金貨が減っていないこと・・

 

これらのことを察するに・・・

 

 

 

(モモンガさんはずっと一人でナザリック地下大墳墓を守り続けていたんだ・・・)

 

 

 

 

私は指輪の効果で円卓の間に行こうとした。だが・・・

 

(今更・・・何を言うんだ・・・ナザリックを捨てた私が・・・。モモンガさんを見放した私が・・・)

 

 

私は移動をあきらめた。その時だった。

 

 

 

ピコーン ピコーン ピコーン

 

(これは!!強制ログアウト前の警告音・・・・)

 

(もうリアルの私の身体はもう・・・。そうでなければ私はユグドラシル内にずっといたかった。だから最後はせめて・・・ユグドラシルの中で・・)

 

 

私はそれを無視して歩き出した。

 

 

 

歩くと見覚えのあるNPCがいる。卵頭で黄色の軍服といった恰好のNPCだ。

 

「やぁ。パンドラズ・アクター。・・と言っても返事はしないだろうけど・・」

 

私はパンドラに近づく。

 

「パンドラズ・アクター。全ての外装を見せてくれ」

 

返事をすることなくパンドラズ・アクターは外装を見せていってくれる。

 

最初に引退したギルドメンバーから順番に見せていってくれた。その後、引退はしていない『だけ』の私たちの外装になる。

 

「ここまでで41人か・・・・ここからだな」

 

41人から続けて残る3人の外装になり・・・

 

「!!??」

 

再びパンドラズ・アクターは自身の姿に戻った。

 

「モモンガさん・・・貴方は・・・」

 

 

(どうして・・・何で・・・)

 

自分の頬に流れるものを感じる。

 

(あなたの『孤独』に気付けなかった・・・・)

 

 

モモンガさんがギルメンを『家族』の様に、ナザリック地下大墳墓を『家』の様に大事にしていた理由がようやく分かったからだ。

 

(モモンガさんには愛する『家族』も、帰るべき『家』もないんだ・・・・)

 

だからモモンガさんには『ユグドラシル』しか・・・・

 

『アインズ・ウール・ゴウン』しかないんだ。

 

パンドラズ・アクターの外装にこの3人を入れたのはそういうことだろう。

 

 

 

 

「パンドラズ・アクター・・・今度は『タブラ・スマラグディナ』になってくれ」

 

グニャリと変形するとそこには自分と同じ姿をした存在がいた。

 

「『タブラ・スマラグディナ』!!!どうしてナザリック地下大墳墓を捨てた!!」

 

「どうしてモモンガさんを一人にした!!」

 

「どうして・・・モモンガさんの隣にいてやらなかった・・・」

 

「どうして・・・『脳食い(ブレイン・イーター)』として生きられなかった・・・」

 

「そうだったら・・・・モモンガさんの隣にいることが出来たのに・・」

 

「モモンガさんの隣にいたかったのに!!」

 

叫びが宝物殿に空しく響き渡る。

 

 

「すまない。パンドラズ・アクター・・・・私のことは許さなくていい。だから・・・」

 

「お前はモモンガさんの隣にいてあげてほしい」

 

そう言って私は頭を下げる。反応は決してしないと分かっているのに・・・

 

「・・・・最後にやるべきことが出来た・・・パンドラ。お前にこれを預かってもらうぞ」

 

そう言って私はパンドラにリング・オブ・アインズ・ウール・ゴウンを預けた。

 

そのタイミングで画面にテキストが浮かび上がる。

 

 

 

----------『ヘロヘロ』さんがログインしました。----------

 

 

(・・・・・)

 

 

ピコーン ピコーン ピコーン

 

(警告音・・・私の身体がもう・・会う時間は無いか・・・)

 

私は先程から止まらない警告音を無視すると奥に入っていった。

 

 

 

____________________________________________

 

ナザリック地下大墳墓 玉座の間

 

 

 

 

「懐かしいな・・・『ウルベルト』君の言っていた通り、ラスボスの部屋って感じだな・・・」

 

(よくこんなにもデータ量を組み込んだなぁ)

 

歩く。目指すは自身が作成したNPC。守護者統括のアルベドだ。

 

 

「久しぶり。アルベド・・・」

 

実は他の誰にも言っていないがアルベドの容姿は私自身に似せて作られている。

 

(それを知ったらみんな驚くだろうな・・・)

 

そう思いながら作ったのだ。

 

(モモンガさんは・・・嫁にするならアルベドって言ってたな・・・あれは嬉しかった)

 

自身が持つアイテムをアルベドに装備させる。

 

対物体最強の世界級アイテムである『真なる無(ギンヌンガガプ)』だ。

 

 

 

モモンガさんの心の『壁』を破壊してほしい・・・・

 

 

モモンガさんの『孤独』を・・・『壁』を・・

 

 

モモンガさんが我侭を言えるように・・・・

 

モモンガさんが1人の人間でいれるように・・・・

 

モモンガさんが1人の男でいられるように・・・

 

 

 

 

そんな願いを込めてアルベドに渡す。

 

最後にアルベドを見る。

 

「最後の頼みだ。アルベド・・何があっても絶対にモモンガさんだけは幸せにしろ。」

 

 

 

それだけ言い残すと私の視界がモザイクの様に揺れる。

 

(またどこかでお会いしましょう・・・・モモンガさん)

 

こうしてタブラ・スマラグディナの世界は消失した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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