5日午前、ソウル・光化門広場から約2キロメートルの距離にある北岳山が見えなかった。 5日連続で微小粒子状物質(PM2.5)をはじめとする粒子状物質が韓国全土を覆ったためだ。大韓民国歴史博物館の展望台で会ったイ・ユンソンさん(52)は「前に来た時は北岳山の中腹にある八角亭がよく見えたが、今日は何も見えない」と言った。
粒子状物質に覆われた同日のソウルは、周囲の物を見分けることすら難しかった。同日正午、ソウル市松坡区のロッテワールド・タワー展望台入口にある案内板には、「視界1-4キロメートル」と書かれていた。121階の展望台に上がると、約3キロメートル離れた蚕室総合運動場でさえ屋根の輪郭がやっと分かる程度だった。
同日午後5時現在のPM2.5平均濃度はソウル市で1立方メートル当たり144マイクログラム、世宗市で153マイクログラムを記録するなど、全国的に過去最悪の状態が続いた。ソウルの場合、日中に一時178マイクログラム、忠清北道は239マイクログラムにまで上昇した。
政府は6日、再びソウル市をはじめ全国16地域に粒子状物質の非常低減措置を発令した。首都圏と世宗市、忠清道地域は初めて6日連続での非常低減措置発令で、「最長非常低減措置期間」記録が連日更新されている。
世界的な大気汚染調査機関「エアビジュアル」(AirVisual)の都市別空気質指数(AQI・PM2.5などさまざまな大気汚染の数値を評価する指数)によると、同日午後5時現在の大気汚染度世界1・2位はソウル市(188)と仁川市(180)だった。中国の北京市(45)は58位だ。国際環境団体グリーンピースが経済協力開発機構(OECD)加盟国の都市ごとにPM2.5の濃度を測定した結果でも、汚染度が高い上位100都市のうち韓国の都市が44都市も入り、加盟国の中で最も多かった。