-------I-----010---------------------
-------d-----------------------------
-------a-----------------------------
-------t-----------------------------
-------e--n-----------------------
-------------------------------------
-------------------------------------
(四三)「前略 『敵は幾万』の声に送られ東京・新橋を出て はや2週間。嘉納治五郎先生におかれましてはどちらにおられますか?もうすぐ夜の10時 太陽は沈みません。白夜です」。
ああ…。
「金栗は無事 ストックホルムに到着しました」。
「昨日は はやる気持ちを抑えつつスタジアムを見学し…」。
「一夜明けて 今日はガイドのダニエルとマラソンコースを下見しました」。
(ダニエル)カモン!おう!
おお… おお…!(鐘の音)
♪~
(英語で)
折り返し。
カナクリサン!
あっ こっち? アハッ アハハハ!あっ 失敬 失敬。
ナイスロード。 うん ナイスばい。
オッケーバイ。おお! アハハ。
「早速 現地の新聞記者から取材を受けました」。
(英語で)
(大森)なぜ ロシアに戦争で勝てたのかの質問だ。
(弥彦・英語で)
「日露戦争の勝利のためか我々日本人に対する注目度の高さは想像をはるかに超えておりました」。
彼も マラソンらしいな。ポルトガルだそうだ。ふ~ん。
確か ポルトガルも初参加じゃなかったか?
(英語)何て言いよらすとな?
負けたら切腹らしい。
(大森)メダルをとったら国から賞金が出るらしいぞ。
賞金!? 俺は自腹で来とっとに。すごいね~。
(記者・英語で)
(ラザロ)ハイ。
金栗です。 初めまして。(写真を撮る音)
「明日から本格的な練習を開始します。嘉納先生がご到着される頃には気力体力 ともに最高の状態になっていると思います。一日も早い ご到着を心からお待ち申し上げます」。
すいません。 あの レター… プリーズ。
ヘイ! ヘイ!あっ。
あっ すいません。 お願いします。
(志ん生)<北欧から出した手紙が日本に届くには当時は ざっと2週間かかりましたな>
え~ ようやく文部次官の許可が下りました。
(治五郎)あっ そう。じゃあ 行っていいんだな?いえ まだ。
この文書を外務省に送り外務大臣から正式に辞令が…。
ちょ… ちょっと!(治五郎)今日届いた手紙によると彼らは2週間前に本格的なトレーニングに着手したという。
今頃は気力体力 万全に整えておるだろう。
(本庄)「メダル確実」と書いていいですね?
(孝蔵)<ちょうどそのころ 8,000km離れた水の都 ストックホルムでは…>
離せ… 離してくれ! 離せ!
ああ~!離してくれ!
(志ん生)ああ ああ… あ~あ…。
大変 お見苦しいものをお見せいたしました。(笑い声)
練習始めて2週間で一体 何があったんですかね?
え~ 真相は タイトルのあとというわけで気を取り直してまいりましょう。「いだてん」。
♪~
「よ~うっ!」(太鼓の音)
♪~
♪~
♪~
♪~
♪~
「よ~うっ!」(拍子木の音)
(ドアの開閉音)
おはよう。おはようございます。
昨夜は眠れたかね?
いや… あぎゃん明るかけんが なかなか。
僕もさ。 全く 白夜ってやつは…。
まるで太陽が2つあるみたいだ。ハハハハハ。
ところで 昨日の取材 記事になっとるよ。
うん?
お~。 期待されとるばい。
「小さな日本人選手」って意味らしいよ。
はあ?
言いたいやつには言わせておけ。
何も考えず走るだけさ。
(ドアが開く音)
(外国語)
♪~(歌声)
何時までやりますかね?
初日だから ランチを挟んで3時にはあがろうか。
じゃあ 3時に。
(外国語)
(外国語)
「ただ 目下 孤独が 何よりの敵なり」。
「外国の選手の練習ぶりを見るに彼らは 数名が一団となり互いに批評を加え 訂正する」。
「これをもって 練習の効果を確実に上げることができる」。
ゴー!
ゴー!
(外国語)
(小便をする音と談笑する声)
「約束どおり 午後3時にグラウンドへ」。
(外国語)うん? えっ 何?
(外国語)
はい。
(安仁子)フォーティースリー。フォーティースリー。
あっ 三島さん。(弥彦)いいところへ来た。
(大森)金栗君 1万mどうする?
1万? えっ 出られっとですか?
ああ。 念のため エントリーしておいた。
僕は 100と200と400に出てみることにしたよ。
「下手な鉄砲 カズちゃん当たる」よ。
安仁子 「数うちゃ当たる」カズちゃんには当たらない。
うん オーケー?
結果は ともかくマラソンの予行演習にもなる。
レースに慣れておいて損はなかろう。
あ~… 確かに そぎゃんですね。(せきこみ)
よし! 目標が定まった。
これで練習にも精が出るね。
あ~ 今朝は すまない。今は もう持ち直したから明日にはグラウンドには顔を出せるだろう。
(せきこみ)
「しかし…」。
あっ おはようございます。(弥彦)おはようございます。
グッドモーニング。
すいません。 ヒョウの調子がよろしくない。 せき 止まらない。 白夜。
弥彦 どうぞ。
「ダッシュ30m 2~3回ストレッチ クラウチ式スタートに重点を置き 励むべし」。
あっ… 安仁子夫人 俺には?
(安仁子・英語で)
マラソンは ヒョウの専門じゃないから。
ユー ラン。
(安仁子)頑張ってね。
「そして 次の日も」。
おはようございます。(弥彦)グッドモーニング。
ソーリー。 今日も芳しくない。
「更に次の日も」。
何か ソーリー! 本当にすいませんね!
(ドアの開閉音)
「アメリカ フランス ロシアなどの選手が現地入りし練習 ますます にぎやかに」。
(英語で)
お先に。三島さん 今日は何時に?
4時ぐらいかな。
ハイ。ハイ。
ミスター カナクリ。
(ポルトガル語)
(ポルトガル語)
はっ?
テイク イット オフ。あ~ アイ ドント ノー。
テイク オフ。
はい。
アッ フフフ。
あ~… あっ…。
(英語で)
タビ?足袋。
そう 足袋は職人… 足袋… あ~。
ちょっと待って。 ダニエル。
「職人」って どぎゃん言うたらよかね?ハッ?
あっ そっか… え~ 職人… 大工…分からんね。
ぎゃんして トントン トントン… の人。
ア~…。分からん?
ギコ ギコ ギコ…。
カーペンター?(ダニエル)カーペンター。
カーペンター?
カーペンター。これ… えっ カーペンター?
あなた カーペンター?あっ そぎゃんですか。
スカウ…?ユー ノウ トレイン?
シュシュ シュシュ…。トレイン。
ああ ああ…。ポッポ~。
電車に乗らんで 走っとった?あっ 俺も! 俺も おんなじたい。
そうそう… おんなじ。 アハハ!あ~ そぎゃんたいね。
あっ ちょっと待って。
あの… これ 差し上げます。フォー ユー。
フォー ミー?うん。
日本のカーペンターはみんな 履いとるばい。
うん?
アッ! ア~ アハハハ!
カーペンター・シューズ!カーペンター・シューズ!
ワッ!フ~!
播磨屋さんも喜ぶばい。ヘヘ~。
アハハッ よう似合っとう。
あ~。 アハハハ。
(英語で)
♪~
ゴー!
♪~
回想 世界の中心で走ってみたいと思わんかね?
面白そうですね~。
♪~
エクスキューズ ミー。ハウ アー ユー?
グッド。 ベリーグッド。
(英語で)
(ダニエル)ノット。 ソーリー ソーリー。
カム カム…。ソーリー。
(談笑する声)
欲しか? 欲しかと?
あ~ いやいや…。
全員分は なかばってん今 日本から送ってもらいますけん。
播磨屋さん 電報です。(辛作)はい。
失礼します。はい ご苦労さん。
(清さん)おっ 電報かい?
おう。(清さん)誰から?
世界の金栗大先生からだ。あら。
「大至急 足袋 送れ」だとよ。ヘヘヘ…。
仕事 増やしやがってよ~。
…とか何とか言って辛さん うれしそうじゃねえか。
バカ言うな。 届くのに2週間かかんだぜ?
夜なべして縫わなきゃオリンピック終わっちまうわ。
ヘヘヘヘ… あ~ ところで 辛さん。ああ?
落語 好きかい?
あ~ 嫌いじゃねえがな。 どうした?
俺のダチ公がよ 噺家に弟子入りしたんだよ。
へえ~ そうかい。うん。 だから着物の一つでも こしらえてやろうってな。
あのな 呉服屋は隣。 うちは足袋屋。
韋駄天のユニフォーム作ったじゃねえかよ~。
はあ… で 誰に弟子入りしたんだ?
うん? え~ 何つったっけな…。
・(先輩噺家)「お茶漬けにしましょうか?」っつってさ向こうはね 薄手の茶わんだから箸が当たるとチンチロリンって音がするんだ。こっちはね 五郎八なんだから…。
(円喬)「垂乳根」だね。やってんのは誰だい?
(孝蔵)さあ? でも沸いてやすね。
・(先輩噺家)男だから ザ~クザク…。・(笑い声)
・(先輩噺家)向こうはね 前歯でもってたくあん かむからねポ~リポリッて音がするよ。こっちはね 奥歯で かみしめるからバ~リバリッてんだ。これをね 続けてやると…。
ハハハハハ… ハハハハハ…。
(志ん生)<半端な芸やってると兄弟子だろうが師匠だろうがわざと変な間で笑ったりせきこんだりして邪魔すんだ>
(せきこみ)
ありゃ ひでえ。噺じゃねえ おしゃべりでげす。
…で また すぐあとに出て当てつけみてえに 同じ噺やって場 さらっちまうんだ。
(五りん)熱っ!何やってんだ。
向こうは 前歯でね たくあんかむからポ~リポリッて音がするんだ。こっちは 奥歯で かみしめるからバ~リ…。
(志ん生)<それがまた絶品だから誰も文句は言えねえ>
ガンガラガンのザ~クザクのバ~リバリ。(笑い声)
チンチロリンのサ~クサクのポ~リポリ。(先輩噺家のせきばらい)
・(円喬)ガンガラガンのザ~クザクのバ~リバリ。あっ チンチロリン ガンガラガンザ~クザク バ~リバリチンチロリン ガンガラガンザ~クザク バ~リバリ。
ヘヘヘ…。
(笑い声)
(志ん生)湯飲みには 白湯が入っててそいつを師匠は飲むわけじゃねえんだよ。
ただ 鼻の下にこう持ってきてな 息を吸うんだ。
ス~… ハア~。
ある時そいつを飲もうとしたことがあったんだ。
それ 間接キッスじゃないですか。
<飲んだら 師匠みてえに うまくしゃべれんじゃねえかと思ったんだが…>
飲んじゃ駄目だよ。
私は肺を患ってるから…。(せきこみ)
前に それ飲んで うつって伏せってるやつがあるよ。
まあ 悪い冗談だが 肺を患ってるってのは本当で 時々 嫌なせきをな…。
あっ!あっ 冷てえな おい。
湯 入ってる時に おめえ… 何だよ。
あ~! あっ すいませんちょっと 親父の言いつけでして。
親父の言うことよりな師匠の言うこと聞け。
冷てえって。よし…。
「前略 もし この手紙を嘉納先生が読まれているとしたらもう手遅れです。練習を開始して12日目とうとう誰も部屋から出てこなくなりました」。
三島さん。
三島さ~ん?
三島さん?
(ドアが開く音)
ああっ!
開けないでくれたまえ。
何ばしよっとですか!?
フッ… 吸血鬼になった気分だよ。どうかね? そっちは。
僕は もう耐え難い。
練習など しちゃおれんよ。
雲をつくような西洋人に交じって木の葉のように もまれて走る屈辱なんたる恥ずかしさ。
三島さん…。
らしくないと思うかね?
だが…。
本当の僕は違う。
もう限界だよ。
西洋人は速い… 10秒台 11秒台 当たり前。
とても勝ち目はない。
なんの なんの!
三島さん 我々は走ればよか。
精いっぱい やりさえすればそれでよかっですよ。
さあ 行って 練習ば しましょう。
そりゃ 君は走れば人が寄ってくるからね。
えっ?
見たまえ 君の記事ばっかり!
「金栗」「金栗」「ワールドレコード 金栗」!
あっ いやいや いやいや三島さんも載っとりますよ ほら。
よく見てみろ 写真の下!
「Kanakuro」?(弥彦)間違えてるんだ。
君の記事に 僕の写真が使われている!
そりゃ 僕の記録は平凡だ。12秒の男だよ 所詮は。 ええ?
ミスター12秒だよ!期待されてないんだ 僕は。 君と違って!
だったら 気楽じゃなかね!
(すすり泣き)
負けて当たり前。 勝ったら もうけ!
そぎゃん考えたら少しは気楽じゃなかね?
(泣きながら)高い… 便器が。
はい?
高いよ 便器が! 当てつけか!?
つま先立ちで小便する度にお前らが 脚の長い西洋人に勝てるわけがないと笑われてるような気になるよ。
行きたまえ… 早く行きたまえ!
監督。
監督! 監督!
ホワッツ?監督と 話ば させて下さい。
ソーリー。
三島さん 相当参っとるようです。
無理なかです。ほかの選手は 監督やコーチがおってタイムば計ったり 走法の欠点ば指摘したりしとります。
どうか… どうか 監督のご指導ば…!(大森のせきこみ)
どいて下さい!ノー!
監督!(安仁子)ノー!
(せきこみ)
すまんな 金栗君。
明日は…。(せきこみ)
必ず… 行くから。
(せきこみ)
ああ…。
フォーティースリー 察して下さい。プリーズ!
(せきこみ)
(ドアが閉まる音)
「この度の大会は 日本人にとって最初で最後のオリンピックになるでしょう」。
回想 日本のスポーツ界のために黎明の鐘と なってくれたまえ!
「黎明の鐘は鳴りません」。
♪~
三島さ~ん!
三島さん ここ 3階 3階!離せ… 離してくれ!
三島さん いか~ん!離せ~!
3階! 3階!離せ! ああ~!
いかん!
何ば しよ… 何ば しよっとか!
いかん! 三島さん 三島さん!
落ちて…落ちて 脚ば折ったら走れんばい!
一生後悔するばい!
すまん。
三島さん 我らの一歩は…日本人の一歩ばい!
なあ 三島さん。 速かろうが遅かろうが我らの一歩には 意味のあるったい!
すまん…。
三島さん…。
三島さん…。
弥彦 ヒョウからのメッセージ…。
ああっ!あっ いやいや あの…。
いやっ…。
(せきばらい)置いときますね。オーケー。ノー ノー ノー ノー…。
(安仁子)ア~ ハハ…!ノー ノー ノー ノー!
(安仁子)ヒョウ!ノー ノー ノー ノー ノー… 違う…。
ゴー!
おっ 速か~! 速かですたい! ああ…。
ゴー!
(弥彦)すまんね。えっ?
(弥彦)短距離と長距離とでは練習法も違うだろう。
な~ん 大は 小ば兼ねますけん長は 短ば兼ねるとですよ。
ちょっと何言ってるか 分からない。
うん よかよか。
(大森)「直立の姿勢にありて両脚 交互に膝を曲げて股の前面を上体に接するよう高く急速に上げるべし」。
(英語で)
何秒?えっ?
あ~ すんません 止め損ねたです。
ヘ~イ!ハハ…。ヘイ…。
・(安仁子)弥彦~!
あっ! 金栗君。
フォーティースリー!大森夫人 どぎゃんしたとですか?
スタートの写真を撮ってきてとヒョウに言われたよ。
(弥彦)あっ 僕の?
(ダニエル)セット。
ゴー!(写真を撮る音)
オーケー!オーケー?オーケー!
サンキュー。すばらしい!サンキュー。
じゃあ もう一回。
うん?
安仁子三島君を撮ってくれと言ったよね?
イエッサー。スタートする瞬間を撮ってくれと言ったね?
イエッサー。
花の写真を撮ってくれとは言ってないよね?
イエッサー。オーケー。 次から気を付けてね。
アメリカの選手ですね。
(大森)後ろ足が伸びきってないね。
少し遊びがあった方が 瞬間的に力を入れやすいってことじゃないかね?
なるほど。
しっかりと地面を踏みつけていくイメージで。レディー…ゴー! そうそう そうそう。
ゴー!
レディー…ゴー!
あっ… あ~ 出た!
えっ?やった… 三島さん!
やった?やった やった! やった やった やった!
何秒だった?12秒2です。
何だよ。 12秒切ったかと思ったよ。
ばってん よか走りでした!一番の走りでした!
ありがとう ありがとう。あ~ よかよか!
ひゃあ~!
ひゃあ~!(スウェーデン語で)
あっ ダニエル カム ヒア。
バッテン。
あっ 何が「ばってん」か。
バッテン。ばっ!
水んこつ スウェーデン語じゃ「バッテン」って言うとね?
そんなうめえ話があるかって思うでしょうが 本当なんです。
バッテン。(笑い声)
ばっ!
ダニエルあん おなごらは 何ばしよっとね?
(スウェーデン語で)
(サミュエル・英語で)
(ダニエル)カナクリサン。
(英語で)
あ~ 父ちゃんね。カモン! カナクリサン。
はい 今 行きますけん。
(悲鳴)
(笑い声)すんまっせん。
(孝蔵)<オリンピックの記録映画が制作されたのはこのストックホルム大会が最初でした>
カナクリサン。
(英語で)
(英語)アイ ドント ノー。
(英語)アイ ドント ノー。
ウマノ クソ フンデル!
ばっ!? ばばっ はよ言わんね!
♪~
(鐘の音)
スウェーデンの花…風を…。
スウェーデンの…。
カナクリサン ヤサシイ。アハハハ。
ノー カナクリサン! カナクリサンストップ!(ベル)
カナクリサン ストップ!カナクリサン!あっ!
ディス ウエー。
あっ… アハハハ! あっ あっ こっちね?(ダニエル)ウン。
イッツ オッケーばい。
「6月23日とうとう 夜が完全になくなる。この季節 スウェーデン人は広場に柱を立てて 踊り明かすという。これが夏至祭」。
♪~
・(音楽と騒ぐ声)
ああ~!
・(音楽と騒ぐ声)
ばっ…。
(弥彦・英語で)
おるが 言うてきまっしょう。
すいまっせん! ちょっと すいまっせん!
すいません! ばっ…。
ちょっと…。
(拍手と歓声)
音 止めて下さい。
えっ?(スウェーデン語)
はっ?(ダニエル・英語で)
シング ア ソング?
どうします?
しかし 僕は 歌は苦手だ。それに 流行歌は知らん。
ちょっ… 何…?
ちょっと…。(一同)ヤーパン ヤーパンヤーパン ヤーパン ヤーパン ヤーパンヤーパン ヤーパン ヤーパンヤーパン ヤーパン ヤーパン ヤーパンヤーパン ヤーパン ヤーパン ヤーパンヤーパン ヤーパン ヤーパン!
♪「君が代は」
金栗君 君 本気かね?
♪「千代に」
♪「八千代に」
♪「さざれ石の」
♪「いわおとなりて」
♪「こけのむすまで」
(拍手)
(拍手と歓声)
嘉納先生!いや~ 遅れてすまなかった。
いや すばらしい。 それにしてもこんな大歓迎を受けるとはね。
いや… たまたまです。 たまたま 今…。
表彰台で歌うためん 予行演習です。
お~ そうか そうか!結構 結構 大いに結構だ! フフフフ。
(治五郎)金栗君 俥屋さんから預かってきた。
あっ… すいまっせん。
あっ 大森君には…。
<それは 大森が 日本を離れる前命懸けでまとめた論文でした>
永井君と可児君が動いてくれてなんとか間に合った。
帰ったら 礼を言いたまえ。はい… 必ず。
ありがとうございます。
さて どうかね?何か変わったことはあったかね?
(治五郎)韋駄天! 痛快男子!
これは?(内田)ああ…。
開会式のプログラムかね?(内田)ああ はい。
入場行進が朝11時日本は イタリアの次です。
英国は 293人も出るのかね。
我が国は 私と大森君が加わっても…4人か。ちょっと格好つかんな ハハハ。
(内田)京都帝国大学の田島氏がベルリンに留学中ですが。
(治五郎)お~ 入ってもらおう。(内田)はい。
国旗を三島君が 金栗君にはプラカードを持ってもらおう。はい。
事務局から プラカードの表記についての問い合わせが。
表記? あ~ 考えもしなかったな。
国際大会ですのでやはり 英語で「JAPAN」と。
うん。 よかろう。
いや…「日本」でお願いします。うん?
日本は 日本です。
♪~
そのまま 「日本」と書くべきです。
(笑い声)
そうでなければ おるは出ません!
俺は ジャパン人じゃなか。 日本人です。
(可児)<日本 オリンピック最初の闘い>
(シマ)奥様 大変です!(和歌子)心配せんでよか。
できるよ。 君には 何かあるから。
<これは かけっこではない>
スウェーデンの首都 ストックホルム。
1912年6月史上初のオリンピック日本選手団がこの地に到着しました。
当時の雰囲気が残る路面電車。
日本選手団の宿舎があった場所は姿を変えショッピング街になっています。
オリンピック開催のために建設されたストックホルム スタジアム。
金栗や三島が悩みながらもトレーニングに励んだ この場所は今は 全ての市民に無料公開されています。
28か国から 2,400人以上ものアスリートが集まったオリンピック。
人々の盛り上がりも大変なものだったといわれています。
今のストックホルムでは 金栗のことは知られているのでしょうか?
当時の新聞にも取り上げられたとはいえここまで金栗が有名なのはなぜなのでしょうか?
その答えはこの先のドラマをお楽しみに!