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2019-03-10

糸井重里が毎日書くエッセイのようなもの今日のダーリン

・今日は東京から気仙沼に向かって、
 あちこちの建物をぐるぐる巡る1日です。
 ホテルで夜に書く「今日のダーリン」は、
 おそらく3月11日に関わることになるでしょうから、
 今日は、最近思いつきで書いている
 「ことわざシリーズ」を続けることにします。

 さて、博覧強記のT中H延さんをして
 「寡聞にして知りませんでした」と言わしめた
 「転べば●●の上」というぼくの大好きなことわざです。
 下ネタには、「前下」と「後下」の二種類がありますが、
 これは米の異なるを含む「後下」の軽い下ネタですので、
 格別にお嫌いな方には、もうしわけございません。
 このことわざ、使われている場面を見たことがないです。
 高校時代のぼくらが辞典のなかに発見したものです。
 おそらく「泣きっ面に蜂」などの説明の近くに、
 類似のことわざとして掲載されていたのだと思います。 
 「こんな、いいのがあるぜ!」と悪友が見つけて、
 われら馬鹿ものたちの間で小流行したものでした。

 意味は簡単で「災いがあったところに、
 追い討ちをかけるように悪いことが重なる」ですよね。
 「弱り目に祟り目」「泣きっ面に蜂」という
 有名なことわざがすでにあるので、
 いままでもそうだったように、この先も、
 「転べば(米異)の上」は広まらないとは思います。
 それにしても、どうして、
 こういうことわざがあるのでしょうか。
 よからぬことが起こったばかりの人に、
 「泣きっ面に蜂っていうから気をつけなさいよ」
 などと言うことは、ほとんどないでしょう。
 重ねて不運のあったあとで、それを確かめるように
 「泣きっ面に蜂だなぁ」などと思うのです。
 「そういうことばもあるもんなぁ」と思い出すのです。
 つまり、「めずらしいことじゃないよ」と、
 あらためて思い直すのに使えることわざなのです。
 しかも、ちょっと苦笑いするようなね。
 そういう意味じゃ、泣き顔や蜂を登場させるよりも、
 転んだ人と(米異)を出すほうが笑えそうです。
 でも、やっぱり下だから使いにくいですよね。

今日も、「ほぼ日」に来てくれてありがとうございます。
でも、これを読んだ人が、これからは思い出すでしょうね。


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