----M----133----------------
----a-----------------------------
----n-----------------------
----P-u-k-u--------------
-----------------------------------
-----------------------------------
---------------------------------------------------------------
(萬平)これで揚げてみよう。
(福子)あっ。時間は?
2分30秒です。よし。
熱っ 熱っ!
中まで揚がってる。
出来ましたね 萬平さん。
なぜだ。はい?
どうしてこんなに きれいに揚がったんだ。
160度の温度で 2分30秒揚げればいいということじゃないか。
それは 今まで やったはずだ。
そう言われれば…。
うん?ん?
うん?何ですか?
上が詰まっていて下が粗い。
ほんまや。
♪「丸まってる背中に もらい泣き」
♪「恥じだって一緒に」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「飛行機雲ぼんやり眺む」
♪「心ここに在らず」
♪「年間トータル もししたら」
♪「付き合うあたしすごい?」
♪「とぼけてる眉毛に もらい笑い」
♪「照れだってなんだって」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「もらい泣き もらい笑い もらい怒り」
♪「もらいっ恥じ どんと来い!」
♪「晴天も曇天も霹靂も」
♪「さあ あなたとトゥラッタッタ♪」
要するに麺の量を少なくすることによって金型の中で 上の方が天井に当たって麺が こう 密に下の方に行くに従って粗くなっていくんだ。
(久坂)本当だ。(洋子)麺の密度が違いますね。
そして これによって思いがけない利点ができた。
(神部)利点?ああ。
ここにカップがあってこう 麺が入ってる。
ここに お湯を注ぐとだ下からの対流で麺が均一に戻りやすくなるんだ。
(一同)ああ。(源)そうか。
これで1歩 いや 2歩進んだぞ。
スープエキスは どうなった?
(西野)まだ… です。
はあ…。 カップは?
(神部)まだ素材が…。
君たちは真剣に仕事に取り組んでるのか!
来週までに 必ずサンプルを出すんだ!
はあ… 来週までにって…。
(西野)社長のスピードについていくのは無理ですよ 神部さん。
やるしかない。
そんな仕事のことばっかり考えてられませんよ。
せやけど 社長は やってるんや。社長と俺たちは違います。 お前もだろ。
はい…。
レオナルド?
(鈴)アメリカ人よ。あの時 ここにいた。
ああ あっ 思い出した。
一番ハンサムであの優しそうやった人ね。
絶対 外で会うてるわ あの2人。あの時 電話で約束したのよ。
えっ 何で駄目なの?
アメリカは 敵国やったのよ。
今 万博やってるんよ お母さん。世界の国から こんにちはって。
(チャイム)はい。
♪「こんにちは こんにちは」
福子!
(真一)こんにちは 福ちゃん。
会社の雰囲気が よくなくてね。
雰囲気?新商品の開発が萬平君の思いどおりに進まなくてチームの連中が焦ってる。
焦ってるって 神部さんも?源ちゃんも?
萬平君の要求についていけないんです。
まあ 萬平君の気持ちはよう分かります。
でも それで社員の士気が下がってしまったら…。
そうですよね。そうよ。
会社にいる時の萬平君には僕が言っても駄目だ。
タイミングを見計らって福ちゃんから話してくれないか。
はい 分かりました。
ただいま。
お帰りなさい。 今日は お父さんは?
まだ研究室に籠もってるんやろ。
つくづく すごいと思うよまんぷくラーメンは。
即席ラーメンなんかなかったあの時代にお湯をかけるだけで出来るラーメンやなんて誰も想像してなかったんやろ。
そうね。
天才なんや 父さんは。
天才の考えることについていくやなんて…僕には無理や。
あなたは 自分からまんぷく食品に入りたいって言うたのよ。
お父さんの会社に入ればひいきしてもらえて 楽できると思たの?
思てないよ。努力しなくても出世できていずれは社長になれると思てるの?
思ってないって!
そしたら簡単に弱音を吐くのは やめなさい!
お父さんは 考えて考えて考え抜いてまんぷくラーメンを作ったんです。
あなたの言うてることは言い訳にしか聞こえません!
♪~
(世良)カップ麺て そんなん売れへんて。なあ マスター。
(アキラ)また 同じ男や。(しのぶ)おんなじや。
せやけど 何べん言うても 僕の忠告に耳を貸そうとせんのや 立花君は。
どういう関係なんやろ。ただのフレンドやろ。
さっきから 君らは何を言うとんのや。
(しのぶ)福ちゃんの娘さんや。さっちゃん!?
そう。まあまあ まあまあ。
(シャッター音)ほう。
あっ ちょっと ちょっと…世良さん!
僕が分かるか さっちゃん。
(幸)世良さん!?おお!
あっ お父さんのお友達。
お友達やないで 大親友や。
まあまあ 座りいな 座りいな。久しぶりやな。
いつからいらっしゃったんですか?
なるほど。 僕に気付かんぐらい2人の世界を作ってたんやな。
君 名前は?レオナルドです。
レオナルド… ダビンチ君やな。
ダビンチは イタリア人です。
僕は日本人や。 世良勝夫です。
なかなかのハンサムボーイやないかさっちゃん。
フフフ そうかな。僕の若い頃に そっくりや。
ホワット?冗談や ダビンチ君。 まあ 飲みいな。
あかん。
邪魔するにも程があるで あの人。
萬平さん。
うん 今 消すよ。
源が お父さんは天才やって。えっ?
私は叱りました。 言い訳するなって。
せやけど…あの子の気持ちは よう分かります。
ダネイホンの時かておんなじようなことが ありましたもんね。
あなたは 開発に夢中になって…。
社長は ダネイホンに熱中して自分たちのことを忘れてるって。
そんな どうでもいいこといちいち僕に言うな!
仕事に集中したいんだ!
今の僕が そうだっていうのか。
最近 源と 仕事以外の話をしましたか?
何が言いたいんだ 福子。
まんぷくラーメンの時はみんなが 一つになってました。
そやけど 今は会社が大きくなってあなたに意見する人は 誰もいません。
新商品の開発が遅れてるのは会社の人たちがあなたの顔色をうかがって萎縮してるからやないんですか。
萎縮?そんな暇があるなら仕事をしろ。
僕は 神部君にも源にもみんなに ちゃんと役割を与えてるぞ。
そうやってあなたもイライラしてるやないですか。
源は やっと自分の甘さに気付いたんやと思います。
仕事の厳しさにも。
そやけど それは きっとあなたの期待に応えたいと思たからです。
それに追いつかない自分に腹が立ってるんです。
私は あなたが足を止めてあげるべきやと思いますよ。
源だけを特別扱いするつもりはないぞ。
もちろん。
僕が あいつに教えてあげられるのは仕事に対する姿勢だけだ。
それで十分。
分かった。 もう寝よう。
はい。
♪~
もしかしたら みんなはこう思ってるかもしれない。
まんぷくヌードルのどこが画期的なんだと。
世良商事の世良さんからいつも言われてるよ。
どこのうちにも 丼はあるやんけ。
何で わざわざ麺をカップに入れる必要があんねん。
でも 僕は本気で画期的な商品だと思ってるんだ。
まんぷくヌードルのカップには3つの役割がある。
3つ?ああ。
まず カップは 麺を保存する容器だ。
そして お湯を注ぐと 調理器具になる。
更に食べる時 食器になる。
確かに…。これは間違いなく日本人の生活習慣を変える画期的な商品なんだ。
それを作れる人間を集めてくれと僕は神部君に頼んだ。
それが君たちだ。
急がなくていい。 じっくりと考えてくれ。
分からない時は分からないと言ってくれ。
迷ったら相談してくれ。
みんなでまんぷくヌードルを一緒に作ろう。
はい。
はいっ。はい。はい。
分かりました。