Chromeを改良するいくつかの設定

Chromeには多くの先進的な機能が試験的に導入されています。数多くあるflagsのうち、実用的なものをプラットフォーム別に紹介するという記事です。春先に下書きしたものを再構成しているため、現状のChromeのバージョンとは少し合わないものもあるかもしれません。

一応、下記の環境で軽くチェックはしてあります。

  • PC:Chromium 66(OS:Ubuntu)
  • Android: Chrome 54

目次

Windows/Mac/Linux/ChromeOS/Android

ページジャンプの防止

通常、Webページはテキストの他に画像や動画、更には厄介な広告が含まれます。重たいページの場合、ページのロード完了を待たずにページをスクロールさせることは多々あります。しかし、ページのロードが完了すると広告などの要素が読み込まれるため、ページ内でジャンプが発生する可能性があります。これは厄介です。

このフラグをEnabledにすると、Chromeは現在の位置を保持します。結果、スクロールはされることはありません。回線の細いモバイルでは特に役立ちます。

chrome://flags/#enable-scroll-anchoring

New Video Player

Enabledにすると、新しい動画プレイヤーを利用できます。旧プレイヤーは下部のUIが白色でしたが、これが透過して動画内に埋め込まれているようになります。

chrome://flags/#enable-modern-media-controls

ただし、このプレイヤーはAndroid版だと音声周りのトラブルなどがあるようなので、問題があるようならばDisabledにします。

タブクローズ

Enabledにすると、タブを閉じるときのプロセスがバックグランドで実行されるので、高速化につながります。

chrome://flags/#enable-fast-unload

Download Speed

下記をEnabledにするとパラレルダウンロードが有効になります。これはダウンロード処理の並列ジョブを作成することで、ダウンロード速度を向上させます。小さなファイルだとあまり意味がないですが、大きなファイルの場合はうまく働いてくれるようです。

chrome://flags/#enable-parallel-downloading

QUICプロトコルで高速化

QUICプロトコルを有効にすると、Chromeを高速化できます。QUICはUDP上で動作するため、TCPよりも遥かに短い待ち時間で提供されます。

Enabledにすると有効になりますが、すべてのサイトが対応しているわけではありません。試してみて安定性が低いなら元に戻した方がいいかもしれません。

chrome://flags/#enable-quic

Android Only

URLバーなどを下部に置く設定です。Chrome 66以降は不可能となっているので注意。これは、Chromeをベースとしている多くの派生ブラウザも同様です。

chrome://flags/#enable-chrome-home

Reader mode

以下をEnabledにすると、ある程度の長さの記事を開くと画面下に「簡易表示」のポップアップが表示され、押すとリーダーモードになります。

chrome://flags/#reader-mode-heuristics

リーダーモードでは「設定」メニューに「デザイン」が追加され、ここからFirefoxのリーダーモードのようにLigt、Dark、Sepia及びフォントや文字サイズの変更ができるようになっています。

最新のChromeだと、「設定」>「ユーザ補助機能」にこの機能が組み込まれているようなので、フラグ設定から設定する必要はありません。

タブの表示をリスト化

Enabledにすると、タブ一覧はリスト表示にできます。

chrome://flags/#enable-accessibility-switcher

Home Page Button

ホームページボタンが表示できます。Enabled後に再起動が2回必要です。もしホームボタンが表示されないようなら、キャッシュや履歴の削除をして再起動すると表示されます。

chrome://flags/#force-enable-home-page-button

PC Only

Automatic Tab Discarding

Windows/Mac専用です。開いているが表示されてないタブのメモリを開放します。再び開いたときにメモリを使用します。それなりの数のタブを開き、なおかつメモリをあまり積んでいないマシンの場合は有効にするといいと思います。

chrome://flags/#automatic-tab-discarding

Linuxの場合はこのフラグが用意されていないため、以下を使用する必要があります。手動で「Auto Discardable」のチェックマークを外すという使い方になります。

chrome://discards

タブのミュート

Enabledにすることで、タブにミュートボタン機能を持たせます。スピーカーアイコンをダブルクリックすれば、ミュートになります。Firefoxに標準で搭載されているのと同じ機能です。

chrome://flags/#enable-tab-audio-muting

尚、このフラグを設定しなくても右クリックのメニューからミュート自体は可能です。

通常、検索バーに文字を入力すると履歴から候補ページのURL一覧が表示されます。タイトルも表示したい場合は、このフラグを有効にするといいでしょう。

chrome://flags/#omnibox-ui-vertical-layout

Doodleの無効化

新規タブに表示されるTOPページのGoogleの日替わりアイコン。これを無効化しGoogleのロゴ以外にはならないようにするには、以下のフラグをEnabledにする。

chrome://flags/#use-google-local-ntp

おわりに

フラグは他にも沢山ありますが、ここに書いたものも含めChromeのバージョンの上げ下げにより項目がなくなっていたり、本機能として結合されていたりします。安定性は保証されていないので、過度に頼らず本当に必要なものだけ有効にするのがいいかと思います。