作:彩音
後れ毛が細く白い項に貼り付いていた。
その後れ毛を伝うように汗が伝う。首筋から立ち上る熱気は、己を誘うのにも十分で。
いつもならばそれを優しく払い、そのたおやかな首筋に口付けると言うのに。
今日の自分はどこか冷めた眼差しでその首筋を眺めていた。
項を伝う汗はそのまま抜けるように白く滑らかな肌を伝い、襦袢の襟元を通り過ぎて胸元を縛める縄に吸い込まれた。
襦袢の胸元は広げられ、胸を隠す役目など果たしてはいない。それどころかより淫靡にその豊かさを強調しているようでもあった。
豊かな乳房はぎっちりと縄で縊り出され、血管が浮き出してもはや青紫に近い色になっている。
もう1時間ほどこうしていただろうか。
妻の両手は後ろ手に固く縛られ、天井の梁から吊り下げられている。恐らくもう、痺れて感覚もないはずだった。
足袋に包まれた右足は畳につくかつかないか。左足は股を腰に巻かれた縄に固定され股座が丸出しになるように開かされていた。
薄桃色の襦袢の下には下着は見当たらない。恐らくその残骸と思しき襤褸切れは、先ほど妻の足元から蹴り飛ばされたばかりだった。
露わになった足の間には黒々とした恥毛に飾られた襞がぱっくりと口を開いてその楚々とした姿を露わにしていた。
どこまでも清らかで。どこまでも淫靡な。そんな佇まい。
今までさせられたこともない恥辱にまみれた格好にも関わらずその襞はしっとりと湿り、何かを期待するかのようにひくひくと蠢いていた。
「……旦那…様……。もう…堪忍……」
もう何度聞いたか知れない妻の哀願は段々と細くなる。余りの拘束時間の長さに体力がつきかけているのかもしれない。
だが、そう簡単に許すつもりはない。
建(たつる)はその哀れな妻を見ながらも先ほどの光景を思い出していた。
若い下男の部屋から恥らうように出てきたその姿。辺りを憚り、そっと部屋に戻ってきたところを自室へと引きずってきたのだ。
貞淑な女だと思っていたのに。
20も年下のこの妻を経済的にも、肉体的にも不自由はさせなかった。それがこの様だ。
「依子(よりこ)。いい加減に本当のことを言うんだ。晶(あきら)と通じていたんだろう?」
何度となく繰り返した問いを口にすると依子の秀麗な眉が切なげに寄せられた。
「いいえ……いいえ…旦那様……。信じてください……」
「ではなぜ晶の部屋から出てきた?」
「それは……少し頼み事があって……」
ほんの少し言いよどむ。ずっとこの繰り返し。
依子の眼差しは必死に建を捕らえて離さない。だが、疑心暗鬼にとらわれた建には依子のその眼差しすら疑わしかった。
「だから何の頼み事だ! 俺が今までお前に不自由をさせてきたことがあったか? ないだろう? なぜ欲しいものがあるなら俺に言わない!」
「それは・・・。」
建が何度そう尋ねても依子の口はここで閉ざされてしまう。その硬い意思がさらに建を苛立たせていた。
……くそ……。これまでこれ以上はないというほど愛でてきたと言うのに……
欲しいものとは若い男の体か。
口まで出かかった科白をかろうじて押さえた。
齢40を過ぎれば確かに肉体の衰えは気になるところではあった。それを補おうと建は依子を愛するときは精一杯愛撫に時間をかけてきたのだ。
処女だった依子を性に目覚めさせ、絶頂を教え込んだのも建だった。
疲れたときなどは自分は達せずとも依子をいかせることには気を配ったりもしたというのに。
「……そんなに他の男がいいのか……」
唸るように思わず唇から漏れた言葉に依子は涙ながらに首を横に振る。
可愛さあまって憎さ百倍。
依子のそんな必死な姿すら建には自分を欺くための芝居のように思えて仕方ない。
「くそ……」
怒りに任せて身を翻すと建は背後の物入れから乗馬用の鞭を取り出し、手にとった。普段は愛馬に鞭を入れるのも気が引ける男が今は依子をどうにも痛めつけたくて仕方がない。
結婚して以来ずっと愛してきたと言うのに。
振り上げた腕を止めたのは一瞬の躊躇。
だが、裏切られたと言う思い込みが結局は建にその鞭を振るわせた。
ヒュッ ピシィッ!
「ひぃっ! 旦那様…っ!! おやめくださいまし…っ!」
痛みに仰け反る依子の胸に紅い筋が走る。その姿すら淫靡に美しい。
悲壮な依子の声に建の視界が真っ赤に染まる。こんな目に合わされてもなお、庇いだてをするというのか。それほどあの男を愛しているというのか。
「煩い! 晶とやったな!? 正直に言えっ!!」
ヒュッ ピシッ! パシィッ!
「あうっ! ひっ! そんな…あうっ! 私は旦那様以外となんて…あああっ!」
下品で直接的な言葉に晒されてなお若妻の気品が失われることはない。それでも与えられる苦痛に端正な依子の顔がゆがむ。
白い乳房はあっという間に傷だらけになって赤く腫れ上がり、打ち据えるごとにやがて皮膚が破れて血を滲ませる。
そうなっても建はまるで何かに憑りつかれたかように鞭を振るうことを止めることはできなかった。
バシッ!! ビシィッ!!
「旦那様…おゆ…お許し…ああっ! 旦那様…っ!」
ぽた……ぽた……
依子の美しい顔はすでに涙と鼻水でぐしゃぐしゃになっていた。激しく打ち据えられて傷ついた乳房から溢れた血が静かに畳に紅い染みを作っていく。
畳に染みていくその紅い染みが建の視界になにやらどろどろとしたものを生み出し広げていく。その紅いどろどろは建の奥深くにある『不安』という名の黒いものを徐々に表へと押し出しつつあった。
そこで建はいったん手を止めた。
荒い息をつきながら一歩一歩まるで酔っ払いの千鳥足のような足取りで依子に歩み寄る。
「どうだ……。正直に言う気になったか?」
「旦那様……依子は不貞など……はたらいてはおりません……」
涙をポリポロこぼしながらも依子はまっすぐに建を見て弱々しい口調で言った。だが、その依子の真摯さは今の建にとって神経を逆なでするものにしか過ぎない。
この期に及んで…まだ……
言えばこれだけ酷いことをしたのだ。許してやろうと考えもしたが強情にも口を割ろうとはしない依子に建はさらに怒りを煽られて鞭を振り上げた。
ピシッ!! ピシーッ!!
「ああーーーっ! 旦那様! お許しを…っ!」
鞭がしなって風を切り肌を打つ音が鳴るたびに依子の体が撓り、くねる。依子のむっちりとした太腿が、引き締まった腹が、ふっくらとした尻が徐々に朱に染まっていく。
「旦那様…旦那様……ああ…う……」
痛みに仰け反り、体中を裂傷と血の朱に染め、苦悶の表情を浮かべて身を捩らせる依子を見ながらいつしか建はいつになく自身が昂ぶるのを覚えていた。
怒りに駆られてのこととは言え、最愛の妻を痛めつけているのにも関わらずその妻の姿に、赦しを請う声に強い欲情を覚えたのだ。あれほど優しく愛してきた妻を痛めつけることで何かが満たされる一方、さらに強い渇望が押し寄せてくる。さらに痛めつけて妻の苦悶の表情を見れば満たされつつ、さらにどこかが飢え乾いていく。その終わらない無限のループがごとき渇望がたまらない欲情に建を導いていく。
鞭が依子の白い肌を打つ高い音が響くたびに建の股間をたまらないほどの射精感が襲うのだった。
もっと。もっと依子の苦痛に喘ぐ顔が見たい。
ピシーッ!
「あ…あああっ!」
ぷしゃあああああ・・・・・・
更なる責め苦を求めて建の鞭が依子の敏感な襞を打った刹那。
一際甲高い悲鳴をあげ、魂消るような苦悶の表情を浮かべると依子はその赤く腫れあがりながらも慎ましやかな秘裂から黄金色の水飛沫を盛大にあげながらがっくりと縄にぶら下がるように意識を失った。
「依子……」
尿臭漂う中、その依子の悲壮感漂う様は余りにも美しく、建は固く握り締めていた乗馬鞭を放り投げるといまだ黄金水を放出しつづける依子に歩み寄った。そして、辿り付いた妻の足元にがっくりと膝をつくと大量の尿がかかるのも構わず縋りつくように依子の足を抱きしめた。
先ほどの憎しみは嘘のように消え、今はなぜだかたまらなく依子がいとおしい。
ぴちゃ……ぴちゃ……
ちょろちょろと多少勢いを弱めた尿が溢れる秘裂に口を押し付けると溢れる尿を舐めるように舌を這わせた。不思議なことに、あれだけ痛めつけたにも関わらず依子のそこは尿とはまた別のものでしっとりと湿り、親しんだ依子の愛液と初めて味わう尿の味とが混ざり合って不思議な性感を建に齎していた。
「むぐ……ん…依子……依子……」
尿が止むまで狂おしげに秘裂を舌で弄り、己が鞭で傷つけた依子の肌を舌で労わるように舐めていく。乳房から滴る赤い血を口に含めば錆びた鉄の香りがたまらなく建を刺激した。
この異様な状況は、建をこれまでにないほど興奮状態へと追い込んでいた。
妻は優しく愛でるもの。
そう思っていたのに激しく痛めつけ、甚振ることに建は忘我の心境に達するほどに酔っていたのである。自分でもその変化に気づけないほど深く。
血にまみれ、いまだぐったりとしたままの妻の体を慌しく弄りながら建は着物のあわせから久しくないほどに勃起した男性を取り出した。
その先端を縄によって大きく開かれたままの依子の粘膜へと押し当てる。
クチュ……
本人の意識がないにも関わらず依子の襞は建を求め、その先端を震えるように包み込む。すでに依子を労わる余裕もない建はそのまま巨根を強引に奥まで押し込んだ。
グチュ ズッ
「う……あ……」
秘裂に陽根を受け入れる衝撃に依子の表情がわずかに動いた。意識がないままに美麗な眉がわずかにたわめられ、唇がうっすらと開く。
その唇を乱暴に奪い、ぷっくりとした愛らしい下唇を噛みながら腰を激しく突き上げると依子の唇から痛みのためかわずかなうめき声がもれた。
「う…ううん……」
ぐちゅ ぐちゅ ずりゅ
濡れた蜜壷を擦り上げる淫靡な水音が和室に木霊する。足元に広がる水溜りがぐしゅぐしゅと音を立て、己の足袋に依子の尿が染み込んでぐしゃぐしゃになっていたが建はまったく気にはならなかった。
血にまみれた痛々しいほど腫れ上がった乳房を弄りながら妻の唇をまさに貪り、強く突き上げる。
その痛みと体を貫かれる衝撃にうっすらと依子がその瞳を開いた。
「あ……ああ……旦那様……」
痛みの中、貫かれる喜びに依子の瞳は潤み、建を抱きしめられないもどかしさに切なげな声を上げる。
「旦那様……どうか……どうか解いてくださいまし……。ああ…ん……」
妻の哀願にも耳を貸さずに建はもくもくと腰を動かしながら傷だらけの妻の乳房を強く爪で引っかいた。
「あ…あああっ!」
痛みに仰け反る妻の内部が激しく締め上げ、体が戦慄く。
だが、その顔は痛みに歪むもののなぜがぐちゃぐちゃと溢れる蜜はその量を増して太腿を伝っていく。
「下男と通じるような淫乱女は痛めつけられても感じるか。この、雌豚め!」
罵りながら妻の白く華奢な肩に強く歯を立てると涙声に妻が訴えた。
「ああ……いや……そんな……。だんな様がして下さるから……あふ……」
ふつふつと湧き上がる憎悪とも愛情ともつかぬ感情に身を任せて噛み締めた顎に力を込めると歯の下でぷっつりと肉が破れるのがわかった。生ぬるい血が湧き出すのを味わいながらさらに屹立が硬さを増す。
「ああ……旦那様……旦那様……ああん…っ!」
「許さん…許さんぞ……この雌豚……! 淫乱め……っ!」
妻が縋るように夫を呼びながら達するのと、夫が激情に流されるままに妻を犯し、罵りながら果てたのはほぼ同時だった。
妻の血と尿と汗と淫液に塗れたまま建はゆっくりと妻から体を離す。
息が荒い。
見れば、妻は涙と鼻水と涎に塗れた顔に恍惚とした表情を浮かべながらも失神していた。その太腿には自身の淫液と建の欲望の証が交じり合ったものが伝い落ち、尿の湖に新たな染みを作り上げていく。
その妻のありさまにも美しさを感じながらも建は苦々しい思いで汚れた着物を脱ぎ捨てた。そのままの格好で出るわけには行かないので手近にあった浴衣を引っ掛け、妻を縄で吊ったままにして廊下に出ると下女を呼ぼうと辺りを見回す。だが、近くに誰もいる様子はない。
「誰か! いないか!?」
母屋からあちらこちらを見回して屋敷を歩きながら数度呼びかけるとやっとのことで年若い下女が出てきた。気がつけば何やら厨房のほうが騒がしい。
「これは旦那様。そんな格好で一体どうなすったんです?」
「依子と俺の着替えを用意して、できれば湯浴みの用意をして欲しいんだが。なにがあった? ずいぶん騒がしいが。」
「いえ、それが……」
問われた下女は厨房を気にしながらも口篭もる。
なんだ、下働きの女まで俺に隠し立てをすると言うのか。
むっとする建がわかったのか下女は慌てたように言い募った。
「旦那様、お着替えはお部屋にお持ちいたします。湯浴みの用意も整いましたらお呼び致しますので……」
「なんだ。お前まで俺に隠し事をすることはないだろう?一体なんなんだ? 何か良からぬことでも企んでいるのじゃあるまいな?」
半ば苛立ちに荒い口調の建に下女は知らず首を竦めていた。
「いえ、そういうわけではないのですが……」
さっぱり要領を得ない下女の様子に苛立って建は下女を押しのけると厨房のほうへと足を運んだ。
「あ……旦那様。困ります。」
慌てて建を押し留めようとする下女を建は凄まじい勢いで睨みつけた。
「なぜ困る? 家の主が家の中で入ってならない場所などあるものか!」
普段は温厚な男ゆえこれほど激する事もないが今日は何分虫の居所が悪い。普段見ることのない主人の余りの勢いに下女が竦んでその身を退けた。
すっかり萎縮してしまった下女を押しのけると建はずんずんと厨房へと向かう。その建の鼻になにやら香ばしい香りが漂ってきた。
「これは……」
厨房を覗いてみればそこでは建の好きな新鮮な鰹の調理が行われていた。香ばしい香りは鰹が丁度たたきにされている香りだったのである。見るからにいい品でたたきにされている鰹からは上質の油が滴っているのが見えた。そんじょそこらで手に入る品ではないだろう。
その横ではこれまた建の好きなあわびが生きたまま殻から外されているところであった。これを肝醤油で食すのが建の好物だった。
呆然とその調理風景を見ている建の後ろで下女がばつが悪そうに立っていた。
「あの…奥様にはだんな様にばれたことは内緒にしてくださいませね? うちの下働きの晶さんの親類が何でも海鮮問屋をしてるとかで……。奥様が結婚記念日にだんな様に美味しい鰹と鮑を食べさせてあげたいと晶さんを通じて特にいい品を取り寄せられたんです。びっくりさせようと内緒にしてあったんですよ。」
下女の説明に建は呆然とした。
俺は……なんてことを……
「それでは、湯浴みの用意ができましたらお呼び致します。湯浴みが終わられるころにはお食事の用意も……あ、旦那様!?」
下女の説明を最後まで聞くことなく建は自室に向かって走り出していた。
自室の障子を開くと依子はまだぐったりと気を失ったままだった。慌てて妻を梁から下ろし、縄を解いてやる。
色をなくしてしまった手や足を撫でながら腕の中に依子を抱きしめるとわずかに身じろぎして依子が目を覚ました。
「あ……旦那様……」
ぼんやりと建を見る依子はまだ自分の状況が理解できていないようだった。ぼうっとしたまま建を見上げると汚れた美しい顔でうっすらと微笑んだ。
「どうなさったんですか……? そんな顔をされて……」
その微笑に建の胸の内に愛しさとどうしようもない自責の念がこみ上げ思わず依子を硬く抱きしめた。
「あう……」
「ああ、すまん」
痛みにうめく依子に思わず身を離すと依子はやっと自分がなにをされたのか思い出したのか恐る恐る建を見た。
「あ……旦那様……私は……」
「すまない。俺の勘違いだったんだ」
「旦那様・……」
言葉を遮っての建の謝罪にほっとした依子の目の前で建は畳に両手をついた。
「この通り。勘弁してくれ」
深々と頭を下げる建に依子はふわりと微笑んだ。
「旦那様……お顔を上げてください。私はだんな様にわかっていただけただけで十分です……」
「依子・……」
微笑む依子を抱きしめると、外に人の気配が立った。
「旦那様、奥様とだんな様のお着替えと、湯浴みの用意ができました。」
「わかった。着替えはそこに置いておいてくれ。」
建が答えると外の気配はすぐにいなくなる。
建は愛情と謝罪をこめて依子のすっかり腫れ上がって血が滲んでいる肌をそっと撫でた。
「う……」
うめき声にすまなそうにしながら建はさらにその傷をなぞる。
「すまない……痛かっただろう……?」
依子の痛みを堪える顔にも官能を刺激され、また男が高ぶるのを感じる。だが、それを無理やり押さえ込んで建は謝罪を口にした。
すると依子ははにかんだ笑みを浮かべて俯いた。
「いえ……旦那様にされることでしたら……私は……」
「依子……」
そう言えば、と鞭打たれる依子が秘裂を濡らしていたことを思い出す。
「俺に鞭打たれて・・感じていたのか?」
建の問いかけに依子の頬がこれ以上はないほど真っ赤に染まる。
そう言えば縄をかけたときから濡らしていた。
「痛くはなかったのか?」
「旦那様に縄をかけていただいた途端に……いけないことと思いながらもどきどきしてしまって……。痛いのですけれど……なぜだかじんと……。ああ……私ったらなんて破廉恥なことを……」
恥らう依子をたまらずに抱きしめると建は後れ毛の張り付いた項にそっと口付けた。
「風邪をひいてはいけないからね。まずは風呂に入ろう。依子のおしっこにすっかり濡れてしまったから」
「ああ……旦那様……」
建の言葉に恥らって依子の耳が熱くなる。その耳を甘く噛みながら建はさらに囁いた。
「食事の後……また愛してあげよう。縄で縛めてな……」
建の囁きに依子は恥じらいながらも秘裂をさらに濡らさずにはいられなかった。その羞恥がさらに己を熱くする。
だから依子は恥らいながらも頷いた。
「はい……旦那様……」