パソコンで使える無料のAndroidエミュレーター一覧:スマホアプリがWindowsなどで動く【おすすめ】
【更新情報】Andyの内容更新&Android Studioを追記
エミュレーター(emulator)とは
広義には、特定の機能・動作を、本来のものと同じように疑似的に動かすソフトウェア。
狭義には、特にパソコン、スマートフォンなどのOSについていい、あるOS上(A)で特定のOS(B)をあたかもソフトウェアのように動し、Bの環境でしか動作しないアプリなどを普通に使えるようになる。
昨今、有名なものはWindows上でAndroidを動かす下記のもの。
エミュと略されることもある。
Nox
最終更新日:2018年2月28日
現在バージョン:NoxPlayer 6(6.0.5.3)
対応OS:Windows(Win XP SP3/Vista/Win 7/Win 8/Win 8.1/Win10)、Mac
対応CPU:Intel、AMD
日本語対応:OK
開発元:Nox Digital Entertainment(香港:法人)
対応Androidバージョン:4.4.2、5.1.1(オプション)
【全体の使い方の説明】
【タッチ操作をキーボードに割り当てる方法】
【使ってみた】
今、一番おすすめできる完全無料のAndroidエミュ。
日本語版が正式にリリースされている、中国製(香港)のエミュレーター。日本語版公式ブログもある。
おそらく、無料で使えるもののなかでは最も安定していて、動作も軽快。特にゲームアプリの動作には定評がある。
一番のよさは、とにかく導入が簡単なこと。普通にアプリをインストールすれば、そのまますぐに使える。
また、標準でGoogle Playに対応済み。
マウス・キー入力のログ保存機能があるなど、開発者向け機能も充実している。
継続的に開発が進められているのも高評価。
以前のメジャーバージョンであるNoxPlayer 5では内蔵Androidのバージョンが4.4.2だったが、6で5.1.1に対応した。
ただしデフォルトは4.4.2なので、手動で切り替える必要がある。ツールバーの「マルチウインドウ」から「エミュレーターの追加>新しいエミュレーター Android 5.1」を選択してインストールする。
# 大半のアプリは4.4.2でも動くので無理に変更する必要はない。それどころかバージョンを上げると重くなるデメリットも。
その他の特長
- タッチ入力をキーボードでエミュレーション(割り当て)できる
- ゲームパッド対応
- 可変画面サイズ
- マクロ機能(スクリプトによる処理の自動化)
- マルチウィンドウ(マルチインスタンス)対応
- スクリーンの動画撮影対応
- バックアップ・復元機能
- PCとのファイル共有方法
- コマンドプロンプトからの動作設定・実行
- スクリーンショット撮影機能
Bluestacks
対応OS:Windows、Mac
日本語対応:OK
UI:独自
ベース:独自
アプリの自動アップデート:対応
【全体の説明:まとめ】
【タッチ操作をキーボード、ゲームパッドに割り当てる方法】
通常のアプリとして単純にインストールするだけですぐ使える。エミュレーター以前にパソコンのことがよくわからない人でも、Androidの知識があれば扱えるレベルなので、初心者におすすめ。
Noxと同じく、継続的に開発がすすめられ、かつ安定して動作する数少ないエミュのひとつ。
以前は無料版で、広告目的のアプリが毎日自動インストールされるというとんでもない仕様だったが、メジャーバージョンが「3」になってから廃止され、今ではNoxと同様に広告アプリの表示がひとつされるだけとなり、快適になった。
以前から設定がシンプルでわかりやすいのが特長だが、反面、設定できる項目が他のエミュレーター(特にNox)と比べて少ない。
他の機能面も必要十分である一方、やや物足りなさも。特に公式もゲームアプリでの利用をプッシュしているようだが、肝心のゲームパッドに対応していないのは残念(ライバルのNoxが対応しているだけに)。
あくまでゲームパッドでプレイしたい場合は、キーボード操作をゲームパッドに割り当てる「antimicro」や「JoyToKey」といった別のソフトを併用する必要がある。
(以前のバージョンでは標準で対応していた気がするが……)
新バージョン
2018年3月現在、次期メジャーバージョンでAndroid Nに対応予定。これで最新のOSにしか対応していないアプリでも動く可能性が高まる。
Noxは標準が未だ4.4.2、設定を変更しても5.1.1までしか対応していないので、この点はBlueStacksのアドバンテージ。
ただし、Android自体の動作が重くなるデメリットもある。
MEmu
最終更新日:2018年7月12日
現在バージョン:5.5.5
対応Androidバージョン:4.1-4.3 (Jellybean)、4.4 (Kitkat)、5.1 (Loillipop)
開発元:Microvirt(上海:法人)
ゲーム利用を意識してつくられた比較的新しいエミュレーター。
対応Androidバージョンも豊富。
特徴
- 現在も活発に開発がつづけられている
- 一部の有名ゲームに最適化することもしている(PUBG Mobileなど)
- 高速動作
- さまざまな環境に対応:ハードウェア、OS
- マウス、キーボード、ゲームパッドに標準対応
- マルチインスタンス(ソフトウェアの複数同時起動と、それぞれ別アカウントにすることが可能)
- 別ディスプレイでの表示
必要スペック要件
Windows 7/Windows 8.1/Windows 10
Intel or AMD x86 CPU with Virtualization Technology enabled
GPU with OpenGL 2.0+ support (update graphic driver if possible)
At least 1 GB free system memory
At least 2 GB of free disk space under installation path
【推奨】
Intel i5 CPU plus 8GB RAM
Andy
対応OS:Windows、Mac
UI:Androidオリジナル
ベース:VirtualBox
最終更新日:2018年4月4日
現在バージョン:47.226.1076.7
対応Androidバージョン:Android N(Nougat)
BluestacksやGenymotionよりも多機能であることを謳っている。
実際のスマートフォンをコントローラ(ゲームパッド)として使えたり、マイクに対応していたりと確かに機能が豊富。
「常に最新版Androidが使えることを保証する」と謳っている。
デスクトップOS(PC)側のブラウザから直接AndyへAndroidアプリをインストールすることも可能。
仮想環境の外にあるローカルファイルにアクセスすることができる。
XboxやPC向けのXInput対応ゲームパッドやPlayStationコントローラ(デュアルショック)が標準で使える。
マルチタッチ対応。
一時、開発が止まっていたが、多くの出資を受け、最近になって本格的に再開された模様。公式サイトも更新されている。
必要スペック要件
Dual core AMD or Intel CPU with Virutalization support
3Gb of RAM; Andy uses less than 1Gb while running apps
At least 10Gb of free disk space
GPU with OpenGL 2.1 support
Windows 7 SP1 / Windows 8.1 / Ubuntu 14.04+ / OSX 10.8+
おすすめ以外
以下は、あまりおすすめできないエミュレーター。
開発が止まっていたり、ソフトウェア単体で完結していなかったりと、今とはなっては開発向けにもやや使いづらい。
Android Emulator(Android Studio)
最終更新日:2018年6月
現在バージョン:3.1.3
対応OS:Windows(64/32ビット)、Mac、Linux
対応CPU:Intel、AMD
日本語対応:OK
開発元:Google
対応Androidバージョン:~Oreo(8.x)
その名のとおり本家Googleが提供する、純正のAndroidエミュレーター。
あくまで開発者向けのもののため、けっして初心者が扱いやすいものではなく、最低でも統合開発環境であるAndroid Studioを扱う基礎知識が必要。
ただしその分、常に最新のAndroid機能を使うことができ、細かい部分までカスタマイズ可能。
Remix OS Player
最終更新日:2016年11月15日
現在バージョン:1.0.110
対応Androidバージョン:Marshmallow
ゲーム利用を目的に開発され、最新版のAndroid OSに対応したエミュレーター。
特徴
- エミュレーター内部で複数アプリの同時起動が可能
- カスタマイズ性の高さ
- 開発者向けにもおすすめ:Android Studioとの親和性が高い
- 簡単なインストール
- まだバグが多い
- 2017年7月現在、すでに最後のアップデートから半年以上が経過し、すでに開発が止まっているリスクがある
KoPlayer
最終更新日:2017年1月11日
KOPLAYER Inc.という中国の企業が開発したもの。
ゲーム利用に特化してつくられた。
現状、やや不具合が出やすいか。
機能
- 複数アカウント対応
- 別ディスプレイでの表示
- キーボードエミュレーション
- 録画・シェア機能
- Google Play標準対応
Genymotion
対応OS:Windows、Linux、Mac
UI:Androidオリジナル
ベース:VirtualBox
無料版でもカメラやGPSのエミュレートに対応している。
高速をうたっているが、環境によっては起動も処理も遅い。
仮想デバイスを複数作成することができ、デフォルトでいろいろなバリエーションがある。Androidのバージョンも4.1から最新版までそろっている。
全体的に開発者向けという印象。ただし、無料なのは個人利用の場合のみ。商用利用は有料なので、自作アプリのテスト目的には使いづらい。
Android SDKの公式エミュレーターに近いためか、特定の環境では不具合が出ることがある。
現状、Google Playを手動でインストールしなければならず、またその手順がややこしいので注意。
また、外部ソフトウェアであるVirtualBoxに依存するため、ソフトウェア単体で完結していない。
以前は開発者向けに好評だったが、今となってはやや全般的に扱いづらい部分も。
Google Playのインストール方法
実は、GenymotionはARMエミュレータではなく独自にAndroidをエミュレートしている。だから、環境によっては高速に動作する。
しかし、そのために一部のアプリが動かない。
元々、無料版だけ提供されていたときにはARMエミュレータもGoogle Playも入っていたのだが、有料版を出す際、Googleの規約に抵触していたらしく、のちに削除された。
そこで、有志が下記のサイトで公開してくれているARMエミュレータ「Genymotion-ARM-Translation_v1.1.zip」をGenymotionの仮想デバイスにインストールする。
このサイトはモバイル関連のプログラミングについてのサイト。上記のものは個人がつくったものだが、採用実績が豊富なようなので安心して使える。
ダウンロードしたファイルを起動した仮想デバイスのウィンドウにドラッグ&ドロップすればいい。
その後、再移動が必要になるが、この際、Genymotionのバージョンによっては、仮想デバイスのウィンドウを閉じてもVirtualBoxのプロセスが残ってしまうことがある。タスクマネージャで「VirtualBox.exe」を直接終了させるしかない。
次に、Google Playのアプリ・ファイルを同じページから仮想デバイスのAndroidバージョンに合わせてダウンロードする。
ARMエミュレータと同じように、起動した仮想デバイスにドラッグ&ドロップする。
もう一度再起動すると、Google Playがインストールされている。
Windroy
対応OS:Windows、Linux、Mac
UI:Androidオリジナル
ベース:独自
軽快に動くといわれているが、まだ発展途上の感が強い。
Google Playに非対応のため、.apkファイルを自分でエミュレーター用のフォルダに入れなければならない。
YouWave
対応OS:Windows
UI:Androidオリジナル
ベース:独自
低スペックのマシンでも動くことを謳っている。Windows XPにも正式対応。
無償版には、アドウェア(広告ウェア)がついてくる。有償版は、売り切り型で29.99ドル。
これといって特長がなく、しかもアドウェア付きなので使うべき理由はまったくない。
共通の注意事項
一部のアプリ(特にゲーム)がチート対策(不正対策)なのかエミュレーターからは使えなくしているので、導入してもあまり意味がない場合もある。
労力を考えると、素直に格安タブレットでも買って、そちらを使ったほうが建設的だともいえる。
- 開発が実質的に止まっているものも多い。できるだけ継続的にバージョンアップされているものを使おう。
- なぜか提供者が中国系企業であることが多い。個人情報の取り扱いなどに不安がある場合は、Googleの捨てアカウントをつくったほうがいい。
- ライセンス上の問題でGoogle Playは手動でインストールしなければならない場合がよくある。
- ゲームのアプリは、チート対策なのか動かないものも多い(特にスクウェアエニックスのような日本の大手のアプリ)
- VirtualBox系のエミュは、Andoroid SDKのものとほとんど同じ。安定しているが、環境によっては処理も起動も遅い。
- 各公式サイトでさまざまなアプリ(特にゲーム)を紹介しているが、ほとんどの場合、エミュレーターがそれらに正式対応しているわけでも、各アプリの提供者が正式に許可しているわけでもない。
- 大手や有名企業が提供していることはめったにない。どこまで信用できるか未知数の部分があるため、エミュレーターで使うGoogleのアカウントは、やはり捨てアカウントを利用したほうがいい場合もある。