2025年に団塊の世代が後期高齢者を迎えることになる「2025年問題」にどう対処していくかは、日本が抱える重要な課題の一つになっています。
生きやすい高齢化社会を実現するため、大きな注目を集める可能性が高い新技術があります。それが、ブレイン・マシン・インタフェースと呼ばれる次世代技術です。
高齢社会になることは避けられない21世紀の日本を救う技術になるかもしれないブレイン・マシン・インタフェースに関連するニュースと、関連する銘柄の動向に注目していきましょう。
目次
1.脳で動かすブレイン・マシン・インタフェース
日本では団塊の世代が後期高齢者入りする「2025年問題」に向けて、ブレイン・マシン・インタフェースの実用化が大きな注目を集めることになるかもしれません。
1-1.ブレイン・マシン・インタフェースとは?
ブレイン・マシン・インタフェース
Brain-machine-Interface(BMI)=脳波の信号を読み取り機器の操作に活用する技術
もっと簡単に説明すると、頭(脳)で考えるだけで機械を動かすことができる、テクノロジーです。
AI(人工知能)や脳活動計測技術などの進化もあり、注目され始めています。
この技術を使えば、身体が麻痺した状態でも脳波を送るだけで機器の操作が出来るようになるため、例えば足に障害を持つ人が電動義足を脳だけで動かせたりすることが可能になります。
また、人工感覚により義手で触った感覚を脳に電気刺激で伝えることも可能です。
これらのように、ブレイン・マシン・インタフェースのテクノロジーは、暮らしやすい社会の実現に向けて、医療や福祉での実用化が期待されています。
日本ではこれから高齢化が進展することは間違いなく、2025年には団塊の世代が後期高齢者入りするいわゆる「2025年問題」が控えています。
今後、高齢者の爆発的な増加に伴って、病気や障害を持つ人が暮らしやすい社会の実現が喫緊の課題となっていくことは間違いありません。
逆に言えば、ブレイン・マシン・インタフェースを本格的に実用・運用出来るようになれば、世界に先駆けて日本がリードする可能性が非常に高い分野であるとも言えます。
また、ブレイン・マシン・インタフェースは医療・福祉の分野に留まらず、自動運転やスポーツなどの新たなライフスタイルでも期待されています。
1-2.ブレイン・マシン・インタフェースの開発状況は?
日本で開発されたブレイン・マシン・インタフェースを用いた機器としては、産業総合研究所が開発したニューロコミュニケーターが知られています。
これは頭皮上の脳波を測定して脳内意思を解読し、意思伝達を行うことが出来る装置です。
事故による後遺症や筋萎縮性側索硬化症(ALS)などの難病によって、体を動かせず話すことも困難な患者が脳波で意思を伝達することが可能となるものです。
ただ、ニューロコミュニケーターのような装置も開発されてきてはいますが、ブレイン・マシン・インタフェースの実用化には多くの課題も山積しています。
BMI実用化への課題
長期間に渡って使用する場合は利用者の安全面が確保されることが重要であり、保険適用の有無をどうするかといったコスト面の負担にも課題が残ります。
また、脳に電気的な刺激を与えたり脳活動を可視化することによって利用者の脳に変化が起こる可能性があるという倫理的な問題もあり、そのための法整備も必要になると言われています。
本格的な実用化に至るにはまだ課題もありますが、高齢社会を迎える日本のソリューションとなる技術として、いつ大きな注目が集まってもおかしくありません。
なお、アメリカではFacebookやテスラのCEOで知られるイーロン・マスク氏が立ち上げたNeuralinkなどのハイテク企業で、ブレイン・マシン・インタフェースを本格的に実用化する動きが起こっています。
今後、これらの企業との事業提携のニュースが発表されるなどしたら、ブレイン・マシン・インタフェース関連銘柄に大きな注目が集まる可能性は非常に高いと言えます。
ブレイン・マシン・インタフェースに関連するニュースはチェックしておくべきでしょう。
★注目ポイント1 |
ブレイン・マシン・インタフェースは医療・福祉の分野での実用化が期待されている。実用化にはまだ多くの課題が残っているが、これから更なる高齢社会を迎える日本のソリューションとして注目される可能性が高い。 |
2.ブレイン・マシン・インタフェース関連銘柄の動向
ブレイン・マシン・インタフェースは、企業よりも大学などの研究機関での研究開発が主となっているため、まだ株式市場では大きく注目されるテーマにはなっていないというのが実情。
2-1.研究に力を入れている島津製作所
精密機器や医療機器の開発で知られる【7701】島津製作所は、ブレイン・マシン・インタフェースの研究にも力を入れています。
2014年12月4日、国際電気通信基礎技術研究所、慶応大学、NTT、積水ハウスとの共同研究で、日常生活の支援を可能とするネットワーク型ブレイン・マシン・インタフェースの技術開発に成功したというニュースを発表しました。
このニュース発表前は1,145円ほどだった同社の株価は、2018年3月現在2,700円前後まで上昇しています。
ブレイン・マシン・インタフェースに関連したニュースだけで上昇した訳ではありませんが、同社がブレイン・マシン・インタフェースに特に力を入れている企業であるということは覚えておきましょう。
2-2.BMIハウスの開発を進める積水ハウス
住宅メーカー大手の【1928】積水ハウスも、ブレイン・マシン・インタフェースの研究に力を入れている企業として知られています。
同社は2011年から、国際電気通信基礎技術研究所、慶応大学、NTT、積水ハウスと共同で、脳派分析の技術を生かした要介護者のための住宅「BMIハウス」の開発を進めていることで知られています。
2011年初めの株価833円から見ると、2018年3月現在1,800円前後で推移していますので、堅調に右肩上がりの上昇を見せています。
同社も島津製作所と同じくブレイン・マシン・インタフェースの研究に力を入れている企業であり、今後の材料次第では大きな上昇も期待できます。
★注目ポイント2 |
ブレイン・マシン・インタフェースは、まだ株式市場では大きく注目されるテーマにはなっていないが、今後大きく注目されるテーマになる可能性が高い。 |
3.主要ブレイン・マシン・インタフェース関連銘柄チェックリスト
ブレイン・マシン・インタフェース関連銘柄より厳選した注目株をチェックしておきましょう。
銘柄 | 株価 | 主なサービス |
【1928】積水ハウス | 1,804.5円 | BMIハウスの開発 |
【4911】資生堂 | 6,495円 | 脳波を活用した化粧品の感性評価研究 |
【5108】ブリヂストン | 4,572円 | 脳波解析による疲れにくいタイヤの開発 |
【6501】日立 | 778.4円 | 脳信号読み取り機器の開発 |
【6752】パナソニック | 1,611.5円 | BMIリハビリ機器の開発 |
【7201】日産自動車 | 1,113.5円 | BMIによる運転支援技術の開発 |
【7203】トヨタ | 6,815円 | 電動車いすの開発 |
【7267】ホンダ | 3,666円 | ASIMOへの応用 |
【7701】島津製作所 | 2,777円 | ネットワーク型BMIの開発 |
【8036】日立ハイテクノロジーズ | 4,985円 | 脳活動計測装置の開発 |
【9432】NTT | 4,980円 | ネットワーク型BMIの開発 |
※株価は2018年3月8日終値で算出
★注目ポイント3 |
ブレイン・マシン・インタフェースの研究は、企業より大学や研究所などの研究機関の方が盛んであり、関連銘柄はまだそれほど多くないので注目しやすい。 |
4.ブレイン・マシン・インタフェース関連銘柄の上昇率ランキングTOP3!
過去1年間の安値から高値までを算出し、最も上昇率の高かったブレイン・マシン・インタフェース関連より上位3銘柄を発表致します。
※2017年3月8日~2018年3月8日の1年で算出
4-1.第1位【4911】資生堂
上昇率 | 2.4倍(安値:2,833円 → 高値:6,780円) |
市場 | 東証一部 |
RSI | 53.32(売り買い均衡) |
4-2.第2位【7701】島津製作所
上昇率 | 1.8倍(安値:1,722円 → 高値:3,145円) |
市場 | 東証一部 |
RSI | 66.06(やや買われている) |
4-3.第3位【6501】日立製作所
上昇率 | 1.6倍(安値:566.3円 → 高値:944.2円) |
市場 | 東証一部 |
RSI | 39.09(やや売られている) |
※RSIは2018年3月8日終値より算出
★注目ポイント4 |
上昇率トップ銘柄を見ても、ブレイン・マシン・インタフェース関連の注目はまだまだこれからといった所。上位3銘柄は特に今後も注目度が高い。 |
5.まとめ
ブレイン・マシン・インタフェース関連銘柄は、これから期待度が高まる次世代技術です。
団塊の世代が後期高齢者を迎える2025年問題もあり、需要も大きく期待できます。
生きやすい高齢社会の実現のため、政府が財政負担を削減するためテクロノジーの活用を推進し、高齢者が持つ資産がそこに動けば、そのインパクトは計り知れません。
それらのことからも、ブレイン・マシン・インタフェースに関連するニュースや関連銘柄の動向はチェックしておきましょう。
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