韓国ナショナリズムと統一問題
- 韓国ナショナリズムは日本への脅威か
1. 韓国統一と日韓関係
統一と日韓両国の認識
1) 韓国
A.現状
「世界で最も韓国統一を望んでいない国」日本
「日本は韓国統一を支援すべきだ」
B.短期的展望
統一にかかる多大なコストの認識 - 日本の援助への期待
C.長期的展望
日本と対抗できる「強力な統一韓国」
→ 実は、Aの認識はCに由来している
「強力な統一韓国は日本への脅威になる筈だから、日本は統一を望まない筈だ」
2) 日本
A.現状
統一問題における一般的無関心+現状維持志向
B.短期的展望
統一に伴う混乱への恐れ - 難民、政治的不安定による混乱
「韓国は統一に伴う国内の不安を外、特に日本に向けるのではないか」
C.長期的展望
???
ここで重要なことは、
韓国人は統一を韓国が日本に対抗できる強力な国家と化することと看做し、
日本人は統一により、韓国ナショナリズムが外に向かうことを危惧している
こと
→ それでは、韓国統一は、日韓間の緊張を激化させるか?
2.韓国の小国主義的ナショナリズム - 韓国ナショナリズムの特質(1)
韓国ナショナリズムの特質
○ 強力な自己主張と、
○ 国際社会における「小国」であることの強い(強過ぎる)認識
の併存
例・1996年度の統一問題を巡る国民会議の連続セミナー- 殆ど全ての報告者は、韓国が小国であり、統一問題に主導権を握ることが不可なことから出発する
彼等にとっての問題は、
その「小国」韓国が如何にして、国際社会の中で生存して行くか
このような前提から出発する韓国ナショナリズムの論理
「韓国は小国である。」
「小国ゆえに国際社会を単独で乗り切るのは困難である」
「そのような小国を助けるのは大国の義務である」
「ゆえにアメリカや日本が韓国を支援するのは当然である」
韓国のナショナリズムは以上のような固有の論理を前提として、
「小国意識」と「強力な自己主張」の併存を可としている
典型例としての、李承晩
さて、
そのような「小国意識」を一つの基盤としている韓国ナショナリズム
- その前提としトの、「小国」「大国」の明確な区分そして、「大国」に対抗不可な「小国」
このような前提から出発している以上、
「小国」韓国が、「大国」日本に挑戦することは困難
3 . 統一のコスト負担 - 韓国ナショナリズムの特質(2)
コスト負担に伴う問題
(1) 「小国」意識と両立した「強力な自己主張」 - 大国の援助は当然
(2) 韓国人の歴史意識
韓国分断 - 日米にも責任
○ 日本責任論
A.ソ連参戦前に日本が降伏していれば、朝鮮半島の分断はなかった
B.そもそもの日本の植民地支配がなければ、連合軍による占領もあり得ず、
分断もなかった
(3) 韓国人の法意識
東アジア的法意識 - 法とは正義を体現したものでなければならない→ これは裏返しすれば、韓国人の考える「正義」を体現していなければ、
その法は簡単に覆される
そして、重要なことは、
(3) は、(1)(2)と結び付くであろう、ということ
即ち、
日米が韓国統一を支援することが「当然」である以上、彼等は、どのような条約・国際法・国内法があろうと、韓国統一を支援しなければならない
4. 結論
韓国統一に伴う日韓関係
1) 統一韓国は日本にとって少なくとも彼等の「小国意識」が克服されるまでは
「脅威」とはなり得ない
2) しかし、統一のコスト負担を巡っては、韓国から強い要求が行われることは必至であり、これは両国の「歴史認識」とも絡む形で展開されることになろう
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