日本政治学会2000年度研究会 分科会M用レジュメ
韓国ナショナリズムから見た日米韓関係
- 「超越的価値」なき「小国」ナショナリズムからの展望 -
木村 幹(神戸大学)
1. 本報告におけるナショナリズムへの視点
国際関係において、一見非合理的に見える、ナショナリズムに基づく行動
→ その背景に存在する各ナショナリズム独自の「論理」
→ 論理の「中核」としてのナショナリズムにおける「プライド」の必要
→ 「プライド」の前提としての、ネーションの「自己認識」とそれに基づく国際秩序観
→ これを生み出すナショナリズム創出の環境の相違
2.韓国ナショナリズムの論理とその形成過程
朝貢体制の中での自己認識と国際秩序観 - 一つの「大国」と複数の「小国」
→ 「近代」の到来とその中での生き残り戦略 - 「公正之大国」との盟約
→ 戦略の挫折とネーションの「プライド」再建 - 「小国」意識と「超越的価値」欠如
→ 「世俗的」な「小国」の論理の形成 - 外からの支援を要求する「強い」ナショナリズム
3.韓国ナショナリズムから見た第二次大戦後日米韓関係
「大国」との関係と「大国」からの支援を前提とする韓国ナショナリズム
→ 戦後日米韓関係の基本構造 - 「当然の要求」と冷戦体制と経済発展
→ 80年代反米運動と「小国」の論理 - 「公正之大国」の過重な負担
→ 97年末通貨危機と「世俗的」ナショナリズムの限界 - 究極的選択の「理論的」欠如
4.おわりに
「転覆防止装置」としての第二次大戦後の韓国ナショナリズム
冷戦以後の国際秩序と韓国ナショナリズム - 通貨危機のもう一つの意味
「巨大化する韓国」の「小国」的ナショナリズム - 例えば統一に向けて