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【首都スポ】

<大学スポーツ紙1面ヒーロー> 慶應スポーツ ラグビー部・古田京

2019年3月6日 紙面から

 本日の首都スポは、大学スポーツ紙競演企画「わがスポーツ紙1面を飾ったヒーロー」の2018年度第2弾です。慶應スポーツは医学部在籍でラグビー部主将を務めた4年生を、帝京スポーツは駅伝競走部に現れた1年生を紹介します。最終第3弾(スポーツ法政&早稲田スポーツ)は13日付を予定しています。

対抗戦Aグループ・帝京大戦でも正確なキックを放った古田京(慶應スポーツ提供)

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 「文武両道」なんて言葉がよく人としての理想に挙げられるが、目指してみたはいいものの結局はかなわぬまま終わってしまう、そんな経験がある人も少なくはないはずだ。そもそも、誰もが簡単にこなせることならそれを「理想」と呼んだりしない。

 だが、われらが蹴球部の主将・古田京(医4・慶応)はそれを体現してみせた。日本が誇るラグビー伝統校で主将を務めながら、私大の最高峰である慶大医学部に在籍する、二足のわらじを履く男だ。単に所属するだけでなく「医学部だからラグビーが下手でも許されるわけではない」とどちらでも高いレベルを目指す。

 主将に就任した際には「何としてでも勝つ」と結果にこだわることを強調し、シーズン中も何度も口にしてきた。試合ではプレースキッカーも務め、昨秋の対抗戦では9割を超える成功率を誇ったその脚は、間違いなく慶大の武器のひとつだった。

 そんな彼の勝利への執念が見られた場面のひとつとして挙げられるのは、明大戦だ。試合の終盤、相手に3点のリードを許す中、敵陣深くで相手のペナルティーを獲得。そこからPGを決めれば同点に持ち込めた場面だったが、古田の下した決断はスクラムだった。“重戦車”の異名を持つ相手のスクラムに勝負を挑み、鮮やかな逆転のトライを演出した。

 記録にも記憶にも残るプレーの数々を見せてくれた彼はスパイクを脱ぎ、これからは医学生としての道を歩んでいく。全国大学選手権の準々決勝で敗れた後にもやはり「勝たなければ意味がない」と悔し涙を流した。だが、彼の1年間の戦いぶりを追いかける中で随所に見られた、細かいところにも手を抜かず、結果で示そうとするその姿勢は、われわれの目に確かに焼き付けられた。 (竹内大志)

◆筆者のひと言

<竹内大志(2年・総合政策学部)> 「医学部で主将という肩書だけでなく、実際のプレーでも注目を集めた古田選手。競技以外にも、勉強などいろいろなことと向き合いながら過ごすアスリートたちを間近で応援する。これは、プロとは違った学生スポーツならではの魅力だと思います。彼を見たわれわれの足には、どんなわらじが履かれているでしょうか」

18年度の慶應スポーツ

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 首都圏のアスリートを全力で応援する「首都スポ」。トーチュウ紙面で連日展開中。

 

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