【プロ野球】巨人に移籍の丸に「お帰り~」 強い広島、余裕のカープファン!2019年3月6日 紙面から
◇広島4-1巨人広島は床田が4イニング無失点と好投し、開幕ローテ入りへアピールした。会沢は3回に左越え2ランを放つなど好調を維持。巨人はゲレーロが3安打と健在ぶりを示した。山口は2本塁打を浴びて5イニング4失点と制球に課題を残した。 ◇ 予想外の歓待だった。広島からFA移籍した巨人・丸佳浩外野手(29)が5日、移籍後初となる広島とのオープン戦(マツダ)に臨んだが、意外にも古巣のファンから温かく迎えられた。しかも昨季7勝17敗1分けとカモにされた相手に1-4で完敗。4年ぶりに復帰した原辰徳監督(60)ともども3連覇した王者の強さをまざまざと実感させられた。 素直に喜んでいいのかどうか…。1回1死、2番・丸が昨年までとは違う三塁側ベンチから打席に向かう。覚悟していたのは大ブーイング、だったが…。大きな拍手が降り注ぎ、中には「お帰り~」という温かい声も。かつての先輩たちとは大違いの光景だった。 「ちょっと予想外というか、あんまり想像していなかったというか。守備についている間もそうですし、グラウンドでお客さんの前に出てきた時に、いろんな方から声援いただいたので、ありがたかったです」 丸はこう話したが、おそらくこれはコイ党の余裕の表れだろう。過去3年間で巨人から貯金22。特にマツダでは昨季9勝2敗1分けだ。かつて2000年に江藤智が巨人に、03年に金本知憲、08年に新井貴浩が阪神に移籍したときはブーイングで出迎えたが、当時とはチーム状況が違う。若手が育ちつつある。たとえ2年連続リーグMVPの丸が去っても痛くもかゆくもない、という心境なのかもしれない。 そして、オープン戦とはいえ、この日も巨人は完敗した。丸に加え、ビヤヌエバ、中島と新顔3人が並んだ打線は3年目の先発・床田に4イニングをゼロに封じられ、投手陣は会沢とバティスタの一発に沈んだ。2打数無安打1四球だった丸は「一人一人がしっかりと強いスイングで振る打線。チャンスでしっかりと振りにいける強さを感じました」と敵として戦った相手の強さを体感した。 3年間、現場を離れていた原監督もリーグ王者との差を「われわれは挑戦者。壁はかなり高いなという感じですね」と認め、「現状、スタートとしてね」と付け加えた。今年もマツダの悪夢は続くのか。29日からの開幕3連戦の舞台も鬼門・マツダ。丸としてはブーイングさせるくらいの活躍をしたい。 (小林孝一郎) ◆広島からFA移籍した主な野手のオープン戦初戦VTR<江藤智(巨人)> 2000年2月27日(宮崎)に「6番・三塁」で先発出場し、1打数無安打(2四球)。高橋、苫米地の“ブラッシュボール作戦”に「最初からムッときてたよ。方針なんでしょ?やりたいようにやればいい!!」と声を荒らげた。 <金本知憲(阪神)> 03年3月20日(高松)に「4番・左翼」で先発出場し、3打数無安打。「一番怖いピッチャーと最初に当たったからね」と制球が不安定な河内に対して、本来の打撃ができなかった。 <新井貴浩(阪神)> 08年3月5日(京セラドーム)に「3番・一塁」で先発出場し、3打数1安打。5回に中前打を放ち、今岡の適時打で生還。「いろんな思いはあるけど、試合が始まれば勝つために全力を尽くすだけですからね」と語った。
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