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民意無視か 沖縄防衛局、辺野古の新たな護岸の工事着手 県民投票の結果通知後、初

2019年3月5日 05:00

9秒でまるわかり!

  • 沖縄防衛局は辺野古新基地建設の新たな護岸工事に着手したと発表
  • 県民投票は反対7割で、知事が日米両政府に建設断念を求めたばかり
  • 一方で、軟弱地盤の改良工事が必要で、工事の実現性は不透明な状況

 沖縄防衛局は4日、名護市辺野古の新基地建設に伴い、大浦湾側の護岸「K8」に着手したと発表した。埋め立ての賛否を問う県民投票で反対が7割を占める結果を玉城デニー知事が安倍晋三首相ら日米両政府に通知した上で新基地建設を断念するよう求める中、新たな護岸に着手した。玉城デニー知事は「非常に遺憾だ」と述べ、ただちに工事の中止を求めた。

K8護岸工事のイメージ図

工事が始まった「K8」護岸。クレーンが汚濁防止膜をつり下げ、海面に下ろす=4日午後2時10分、名護市辺野古の沖合(田嶋正雄撮影)

K8護岸工事のイメージ図

工事が始まった「K8」護岸。クレーンが汚濁防止膜をつり下げ、海面に下ろす=4日午後2時10分、名護市辺野古の沖合(田嶋正雄撮影)

工事が始まった「K8」護岸。クレーンが汚濁防止膜をつり下げ、海面に下ろす=4日午後2時10分、名護市辺野古の沖合(田嶋正雄撮影) K8護岸工事のイメージ図

 政府は今月25日にも辺野古側の埋め立て区域②に土砂を投入する予定で、明確に示された反対の民意を無視する工事に県内世論の反発は必至だ。

 防衛局は今年1月に大浦湾側の護岸「N4」(全長135メートル)に着手し、N4から沖合に伸びるK8の整備が始まった。K8は全長515メートルで付近は移植対象のサンゴが確認されているが、防衛局は移植をせずに護岸の途中まで整備をする予定。

 K8護岸が完成した場合、現在土砂を陸揚げしている「K9」護岸のように桟橋として使用し、辺野古側で進めている埋め立て工事を加速させたい考えだ。

 新基地建設は辺野古側の埋め立て区域②―1に昨年12月に初めて土砂が投入され投入作業が続いている。さらに、防衛局は今年1月に隣接する埋め立て区域②に3月25日にも土砂を投入すると県に通知した。

 埋め立て面積は区域②―1は約6・3ヘクタールで、区域②は約33ヘクタール。両区域を合わせた辺野古側の全域は埋め立て予定海域全体約160ヘクタールの約4分の1となる。

 一方で、残りの全体の4分の3にあたる大浦湾側では軟弱地盤が見つかり地盤改良工事が必要で、改良は国が玉城知事に工事を申請しなければいけない。国は改良工事の工法や時期、予算を明確に示しておらず、知事が申請を認めるかを含め、埋め立て工事の実現性は不透明な状況だ。

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