----M----130----------------
----a-----------------------------
----n-----------------------
----P-u-k-u--------------
-----------------------------------
-----------------------------------
---------------------------------------------------------------
(萬平)僕が これから作りたいものは これだ。
今まで 世の中のどこにもなかった画期的な商品を作るんだ。
既成概念を捨てろ。
今までの常識に とらわれるな。
君たちなら できる。
(3人)はい。
(源)はい…。
(福子)なんて楽しみ。
萬平さんと源が一緒になって新しいもの作るやなんて。
♪「丸まってる背中に もらい泣き」
♪「恥じだって一緒に」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「飛行機雲ぼんやり眺む」
♪「心ここに在らず」
♪「年間トータル もししたら」
♪「付き合うあたしすごい?」
♪「とぼけてる眉毛に もらい笑い」
♪「照れだってなんだって」
♪「あなたとならトゥラッタッタ♪」
♪「もらい泣き もらい笑い もらい怒り」
♪「もらいっ恥じ どんと来い!」
♪「晴天も曇天も霹靂も」
♪「さあ あなたとトゥラッタッタ♪」
どうだ。うん おいしい。 洋風の味ですね。
ビーフコンソメのお出汁が利いてます。
いや~ ほんまに おいしい。うん。
これを もっと 日本人の舌に合うようにしなきゃいけない。
まんぷくラーメンよりももっと深みのある味に。
ああ… やっぱり おしょうゆですかね。
うん そうだな…。
(鈴)はあ…。
(幸)また ため息。そやかて 約束したのに。
うちに仕事は持ち帰らないでって。
お父さんと そんな約束してもねえ。さっちゃんかて 覚えてるでしょ。
まんぷくラーメン作った時もう家の中グチャグチャやったやない。
もう こんなん お昼ごはんにならへん。何か作って おばあちゃん。
そやから 台所 占領されてるの。学食で食べてきたら よかったでしょ。
午後から休講やったんやもん。
あ~ご~だ~し~!あごだし あごだし。
えっ あごだしって何やったっけ?トビウオ?な… 何?
トビウオ。あっ そや トビウオや~!
あごだしや… 買い物行ってきます。
福子!
うん… もっと しょうゆをだ。
萬平さん スープ作りは会社でやればいいでしょう。
いや 行き帰りの時間がもったいないんですよ。
ここに居座るの!?お昼ごはんは どうするのよ。
出前でも取ればいいじゃないですか。
出前! おすし!
えっ! 昼間っから 大学生がそんな ぜいたくなもの!
そしたら 天丼。さっちゃん!
(西野)ベロメーター?(神部)まんぷくラーメンの時もそうやったんや。スープの味は 社長の舌が決める。
(洋子)そやから ベロメーター。うん。
うちで ずっと やってますよ。おふくろと2人で。
(久坂)お前は入れてもらえないのか。
家で仕事なんて嫌ですよ。それに 僕は 特別扱いされてませんから。
チームのみんなと仕事しろって言われました。
俺も お前を特別扱いしないぞ。分かってます。
やる気がなければチームから外れてもらうからな。
よし 仕事しよう。容器に入ったラーメンというところが今回の最大のポイントや。
我々は その容器の材質 形 大きさを考えないといけない。
さすがに 形は これじゃないよな。やっぱり 丼形でしょう。
そこに ラーメン1杯分大体 300ccが入るわけですね。
300ccが入る丼形…サンプルを作った方がええな。
材質は どうするんですか?
材質ね…。紙ってわけには いかないよな。
やっぱり 丼みたいな陶器?いや 陶器は割れるし重い。
あっ じゃあ 木製か。あの おわんみたいな。ああ。
よし。 とにかく いろいろ作ってみよう。
社長は せっかちやからのんびりしてられへんぞ。
分かってるよな 立花。
そら おやじですから。
(世良)容器に入った麺? 何や それは。
(真一)せやから 丼がなくてもお湯をかければすぐに食べられるでしょう。
丼は どこの家にもあるがな。何で わざわざ 入れ物作らなあかんねん。
(岡)それは 社長が作れって…。
立花君が作れ言うから作るんか。
君らは理解してるんか商品のイメージを。
ほら 分かってへんがな。全然 分かってへん。
(真一)萬平君は ただ単に新しい味のラーメンを作るんやなく見た目からして消費者が「えっ!」と思うようなそんな商品を作りたいんや。
せやから 容器に入っただけのどこが画期的やねん。
僕は びっくりするぐらいおいしいもんを作ってくれたらええんや。
見た目は大事です。
(森本)今までの袋麺とは全然ちゃうでしょう。
それは 立花君の思い込みや。
社長の暴走を止めるのが専務の仕事やないんか 真一さん。
無理です。止められません。はっ?
立花萬平という男は一度決めたら 何が何でもやり遂げる。世良さんも よう分かってるでしょう。
失敗する。 絶対 失敗するで。
あっ ちょ~っと からすぎますね。ああ こしょうを入れ過ぎたか。
いや… う~ん それだけやないような。
はあ… 最初から やり直そう。
えっ! 最初から!?
はあ…。 晩ごはんも出前やわ。
おすし おすし。
分かりました。 最初からですね。うん。
これを 源に見せたかった。
源?萬平さんの執念いうか納得いくまで 何べんでもやり直すところです。
源も ここでスープ作り手伝わしたらええのに。
言っただろ。 あいつを特別扱いはしない。
自分から やりたいと言ってくれば話は別だが。
そうですね。
だからといって源をたきつけるなよ 福子。
分かってます。自分から言うてくるまでは。
うん そうだ。そしたら最初から作り直しましょう。
(忠彦)ああ~。 うん もうええよ。ありがとう。
(名木)やっぱり何時間もキャンバスに向かってると体が つらいですよね。
これは もう 職業病や。
ご苦労さん。 また明日。
あの… 先生。ん?
僕の絵を見て頂けませんか?
ほう 描いたんか。 見せてくれ。
ありがとうございます!
これは…。
(名木)カオスとエロスをカボスで表現してみました。
それは…。
(名木)はい。 先生の絵はカオスとエロスをカラスで表現したんだと僕は解釈しました。そこから イマジネーションを…。
名木君。はい。
僕の絵を まねするなとは言わない。師匠から影響を受けるのは当然のことや。
はい。でも 君はカラスをカボスに変えただけやないか。駄目よ それは。
(克子)あなた。 そろそろ晩ごはんよ。
うわあ~!
名木君!何!?
飛び出していった?びっくりしたわ。
(タカ)叱ったん? お父さん。
叱ったわけやない。厳しいこと言うたんですか。
僕は 自分のテーマを見つけなさい言うただけや。
忠彦さんが描いたカラスをカボスに変えただけの絵を描いてきたんよ 名木さん。
カボス?(大介)カラス?
どんな絵なんやろ。ああ もう 食べてからにしてちょうだい。
はい。まさか 泣きだすとは思わなかった。
泣いたん?やっぱり ほんまは女なんや。
男や。そやけど 女みたいな格好してるで。
あれは ヒッピーいうの。
教育上 よくないんと違うの。何が。
大介がヒッピーになったら どないするの。なるわけない。
なりませんよ お義母さん。私が許しません。
あれはあれで ええんや。若者の文化いうものを否定したらあかん。
結局は 名木君本人の問題や。
今日は 出前。
おすしの方が よかったな。ぜいたく言わないの。
うん いい匂い。
ここの親子丼 おいしいんよ。ほら 源。
父さんは ずっと台所 占領してるん?
そう。 頂きます。頂きま~す。
私たちは 後で食べるから先に食べてて。
母さんも まだ手伝うん?そうよ。 何で。
家では仕事せえへんっておばあちゃんと約束してたのに。
そうよ。 言うてやって 源ちゃん。
お父さんは しょうがないのよ。
思い込んだら一直線。周りが見えなくなるの。
う~ん… まだ足りないな。
まんぷくラーメンの時かてそやったでしょ。
そやから 覚えてへんて。
お母さんは うれしいんよね。お父さんの仕事 手伝えて。
そやかて 久しぶりやもん。ほんま何年ぶりかしら。
私は 手伝いませんよ 絶対に。
お母さんは いいって。
僕も嫌や。 家に帰っても仕事やなんて。
でも お父さんは新しいものを作ろうとしてるんよ。
見といた方がええと思うけど。
仕事は 会社でやるよ。
萬平さんが台所を占領して1週間がたちました。
どうだ。
いや… おいしい!
いや ビーフコンソメもおしょうゆの風味もしっかり感じられてもう えっ ほんま おいしいです。
そうか!うん。 おいしい 何これ。
萬平さん。
お母さん!
私かて 嫌なの。毎日毎日 文句を言うのは。
お義母さん ちょっと これを。味見してみて下さい。
味見… 私は 怒ってるのよ。
ええから 飲んでみて。
こ… こんな気分で…。
味なんか分かるわけ… おいしい!
でしょ!何が入ってるの? 初めての味やわ。
(手をたたく音)よし!
おいしいです 社長。うん。
(西野)本当に。おいしい。うまい。
これを あの台所で…?
お父さんは新しいものを作ろうとしてるんよ。
見といた方がええと思うけど。
これが 原材料だ。
えっ! こんなに!?これを麺に味付けするんですか?
これは 粉末スープにした方が…。
湯を注ぐだけで出来なきゃまんぷく食品の新商品とは言えない。
このスープを煮込んで エキスにするんだ。
新しい麺も 同時進行で開発しよう。
待って下さい。 僕たちは まだ容器を…。
あっ そうだ。 容器は どうなった。サンプルは出来たのか。
まだです。はあ?
何をやってるんだ 君たちは。仕事をサボってるのか。
いえ サボってるわけじゃないんです。
スープエキス 麺 容器3つの班に分けろ 神部君。
はい。どんどん進めるんだ。 もたもたするな。
(一同)はい。
ほら 早く進んで。はい。
暇になってしもた…。
(鈴)福子。
ああっ びっくりした! もう 何?
あのスープは もうないの?スープ?
うん。 新しいラーメンのスープよ。この前 味見させてもろた。
あれは 萬平さんが会社に全部持っていってしもたわ。
何や…。
そんなに気に入ってくれたのお母さん。
そやかて おいしかったんやもん。
フフフ… そしたら もう絶対おいしいラーメン出来るわ。
おいしくて 新しいラーメンが。
でしょ お母さん。
そうね。
そしたら 萬平さんを応援してね。源も一緒に頑張ってるんやから。
応援します!
よっしゃ!