ちょっとハイスペックなアインズ様   作:アカツッキーー
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#6 大手柄

─ナザリック第十階層 円卓の間─

 

パンドラズ・アクターの報告を聞き、アインズはクレマンティーヌを連れ、急ぎナザリックに帰還した。ナーベラルは万が一のためにエ・ランテルに残している。

 

アインズが緊急会議の旨を守護者及びプレアデス(セバス、ソリュシャン以外)に伝え、クレマンティーヌを背後に控えさせた状態で待っていると、すぐに全員が揃う。また、皆クレマンティーヌを一瞬だけ訝しげに見るが、アインズが連れているということで何も言わなかった。

 

「皆、突然の召集にも関わらずよく集まってくれた。特にデミウルゴス、お前には無理をさせたな」

「そんな謝罪など!──アインズ様。至高の御身の呼び掛けとあらば、このデミウルゴス、如何なる時でも馳せ参じてみせましょう」

 

デミウルゴスの答えに他の者たちも当然とばかりに頷く。アインズもそれ以上は言わなかった。

 

「さて、本題に入る前に一人紹介しておこう」

 

アインズはクレマンティーヌを指差す。

 

「彼女はクレマンティーヌ。私が冒険者として活動していた時にヘッドハンティングした。スレイン法国出身の者で、情報量は以前捕らえたニグン以上。多くの武技を扱い、それ以外の面でも応用がきく中々に優秀な人材だ」

 

アインズの紹介に納得する面々。クレマンティーヌも少し震えながら頭を下げた。

 

「では、パンドラズ・アクター。そしてシャルティア。報告を」

「「はっ!」」

 

パンドラズ・アクターがいつも以上にハイテンションで、シャルティアは少し緊張の面持ちで立ち上がる。そしてパンドラズ・アクターは二つのアイテムを持って、アインズの元へ近寄る。

 

「アインズ様。これを」

「……これは?」

「今回アインズ様をお呼びした理由。シャルティア殿の手柄です。どうかご確認下さい」

 

アインズはパンドラズ・アクターが差し出してきたアイテム──みずぼらしい槍と龍があしらわれたチャイナドレスを受け取って眺める。するとそのアイテムを見たクレマンティーヌが「え!?」と声を上げる。

 

「どうした?」

「あ、え、いえ……」

「クレマンティーヌと言いましたか。アインズ様がご質問されたのです。隠し事などせずに、知っていることを全て話しなさい」

 

口ごもったクレマンティーヌに対し、デミウルゴスが鋭い視線を向ける。クレマンティーヌは「ひっ」と一度肩を大きく震わし、おずおずといった感じで自身の知っている情報を語る。

 

「は、はい。二つともスレイン法国に伝わる秘宝で、六大神が残したとされるものです」

「ほう。六大神が……」

「そ、それで、槍の方は私が所属していた漆黒聖典の隊長が所持していたもので、もう一方も選ばれた者、現在はカイレという老婆が所持していたはずです」

 

クレマンティーヌの情報にアインズは興味深そうな表情を浮かべる。

 

「なるほどな。それでは調べてみるとしよう。〈上位道具鑑定(オール・アプレイザル・マジックアイテム)〉」

 

アインズは軽い気持ちでアイテムに鑑定の魔法を唱える。そして流れてきた情報に絶句する。

 

「──!?」

「どうされたのですか?アインズ様」

 

アルベドが心配そうに尋ねてくるがアインズに応える余裕はない。その情報が信じらず何度も鑑定の魔法を唱える。

ひとしきり確認したアインズは立ち上がり、興奮気味に叫ぶ。

 

「よくやったぞ!シャルティア!」

「!は、はい!」

 

これは凄まじい功績だ。精神の鎮静化が何度も起きるが、沸き上がる興奮が収まらない。

 

「あ、アインズ様。そのアイテムはどれ程のものだったのですか?」

 

そんなアインズの様子に呆気に取られていたアルベドが問いかけてくる。シャルティアとパンドラズ・アクター以外の守護者たちも同様だ。

 

「あ、ああ、すまない。つい興奮してしまった」

 

我に帰ったアインズは、ゴホンと咳払いをして心を落ち着かせる。そしてゆっくりとアイテムについて語る。

 

「まずこちらのチャイナドレスだが、名前は『傾城傾国』。通常、精神支配が不可能なアンデッドであっても精神支配が可能という世界級(ワールド)アイテムだ」

「っ!世界級アイテム!?」

「アンデッドであっても精神支配可能とは……流石は世界級アイテムといったところでしょうか」

 

アインズが語る情報に驚く一同。アンデッドであっても精神支配可能とは破格の能力だ。

しかし、もう一方はそんなものではない。

 

「……そしてこの槍は『聖者殺しの槍(ロンギヌス)』。対象者を使用者もろともこの世から消滅させる世界級アイテムだ」

 

一同はその効果に絶句する。使用者もろとも存在を抹消するなどといった、使いきりの狂った能力を持ったものとなると──

 

「──まさか、二十…!?」

「……その通りだ」

 

二十。ユグドラシルに二〇〇しか存在しない世界級アイテムの中でも特に狂った能力を持つ、使いきりの壊れアイテム。十一個の世界級アイテムを保有するアインズ・ウール・ゴウンでも二つしか保有していない。

そんなアイテムが今、アインズの手の中にある。パンドラズ・アクターが興奮して──いつもこんな感じな気もするが──連絡してきたのも頷ける。これは間違いなく大手柄だ。

 

「もう一度言おう。シャルティア、よくやってくれた」

 

アインズは改めてシャルティアを褒め称える。そして世界級アイテムを持たせて行動させて良かったとホッとした。最悪の場合シャルティアを失うところだったのだ。

恭しく頭を下げるシャルティアにアインズは言葉を続ける。

 

「褒美についてはお前の望むものをやろう。だがその前に、今回の件について詳しく話してもらえるか?」

「畏まりんした」

 

下手をすればこのままスレイン法国と戦争の可能性もあるし、逆に上手く利用できる可能性もある。まずは落ち着いて詳しい話を聞くべきだ。

 

「では。まず計画通り、セバスとソリュシャンと合流して──」

 

 

 

 

 

計画通りセバスとソリュシャンと合流したシャルティアは二人と二体の吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)と共に馬車に揺られていた。

 

「シャルティア様──」

「──セバス。私たちとあなたの間には本来差などないわ。様付けなど不要。それに今の私は『エリザベート』よ」

「畏まりました、エリザベート。この場ではそう呼ばせていただきましょう」

 

エリザベート。今回の任務に際してシャルティアに与えられた名だ。ネーミングセンスのないアインズが必死に最古図書館(アッシュールバニパル)で考えた。容姿の方も仮面を被り(今は外している)、髪は金髪、いつもとは対称的な白いドレスに身を包んでいる。言葉遣いも変えている徹底っぷりだ。

 

「それで獲物は引っ掛かったの?」

「ええ、見事に。あとは釣り竿を上げるだけです」

 

セバスの答えにシャルティアは嬉しそうに笑う。機嫌がよいシャルティアにセバスはソリュシャンの頼み事をつたえる。

 

「その件でエリザベートにお願いしたいことが」

「……何?」

「今、馬車を走らせている御者ですが、この娘にやってはいただけないでしょうか」

「……下っ端?」

「はい、伝令係ぐらいの地位かと」

「それなら良いわ。吸っても美味しくなさそうだし」

「それはありがとうございます。寛大な心遣いに感謝します」

「ありがとうございます、エリザベート様」

「構わないわ。気にしないで」

 

親しみを込めた微笑みを向けるシャルティア。そうやってとりとめのない会話をしていると、がくんと馬車が大きく動き、馬車を引いていた馬のいななきが聞こえた。

 

「……馬車が停まったようね」

「そうですな」

 

任務の成功によって至高の御方から頂けるお褒めの言葉を想像し、シャルティアは美しい微笑みを浮かべ、セバスは髭をさすりながら静かに微笑みを浮かべた。

 

 

 

 

 

たった数分で、その場に生きている者はいなくなった。馬車の御者はソリュシャンが美味しく頂き、野盗のリーダーであった男は今や吸血鬼に成り果てている。

 

「では、セバスとはここでお別れね」

「そうですか。そうしますと野盗の塒が見つかったようですね」

「ええ。これから襲撃をかけて、アインズ様が気に入られるような情報を持っている者を探すつもりよ。今回は外れだったみたいだから」

「そうですか。ここまでご一緒できて楽しかったですよ、エリザベート」

「それはありがとう。またナザリックで会いましょう」

「ええ、では失礼します」

 

そう言ってセバスはソリュシャンを連れ馬車に乗り込み、目的地である王都に向かった。

 

 

 

 

 

セバスたちと別れたシャルティアは先程吸血鬼にした男の案内で野盗の塒の近くまで来ていた。塒はすり鉢状の窪地の中央部に開いた洞窟の中にあるらしい。入り口は一つ。ならばもはや考える必要もない。

シャルティアは吸血鬼の男を掴むと見張りの一人に投げつける。大気を抉るような音を立てながら吸血鬼の男は飛んで行き、両者がぶつかる。

 

「行きなさい。私はゆっくりと行くとしましょう」

「「畏まりました」」

 

 

 

 

 

数分としない内に入り口付近にいた男達はいなくなった。残っているのは濃厚な血の臭いだけ。

 

「なんだか拍子抜けね。これではアインズ様にお褒めいただけない……」

 

シャルティアは男たちのあまりの弱さに落ち込む。せめて曲がりなりにも武技とやらが使える者にいてほしかった。まだ奥にいるかもしれないと気を取り直し、歩を進めようとすると奥から一人の男が出てきた。

 

「おい、おい、楽しそうだな」

「あまり楽しくないわ。大した強さでないせいか、プールが溜まらないわ」

 

男──ブレインに対し、警戒もなく返答がある。侵入者を目にし、ブレインはわずかに眉を寄せる。仮面を被った少女と二人の美女。この場にはあまりにも不釣り合いだった。

 

「見たことのない魔法だが…魔法詠唱者か」

「信仰系魔法詠唱者よ。始まりの血統、神祖カインアベルを信仰する」

「かいんあべる?聞いたことないな。邪神の類か?」

「そっち系ね。まぁ、私自身そんなに興味がないけど」

 

「信仰系魔法詠唱者に信仰心がなくてどうする……」と突っ込みたい気もするが、ブレインはシャルティアたちを静かに観察する。今話した少女以外の二人が血に染まっていることから前衛はこっちかとあたりをつける。

 

「まぁいい。こっちの準備は終わってるぜ。そっちがまだなら時間やるけど、どうする?」

「勇敢ね。それなりの強者なのかしら?」

「……さぁな。それで、そっちの姉ちゃんたちが相手するのかい?」

 

シャルティアは一度だけ吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)を見る。しかしすぐに視線を戻し、ゆっくりと前に出る。

 

「せっかくだから私が相手してあげるわ。光栄に思いなさい」

 

何の気負いもなく出てきた少女にブレインは警戒心を抱く。見たところ二人の美女は吸血鬼の類。であるならば、この少女もまた吸血鬼なのだろう。

ブレインは刀を持つ手に力を込め、ゆっくりと身構える。

 

「ブレイン・アングラウスだ」

「……?」

「……そっちの名前は?」

「ああ!名前が聞きたかったのね。ごめんなさいね」

 

少女はドレスのスカートを摘まむと、舞踏会でダンスを誘われたような礼をみせる。

 

「今はエリザベートと名乗ってるわ。私を楽しませてね?」

 

ブレインは眉をひそめる。目の前で武器を構える男に対して、この余裕の様子。正直気に入らない。だが、その反面、そうでなくては困るのだ。

 

(強者の驕り…その余裕を引っぺがしてやる)

 

ブレインはゆっくりと息を吐きながら腰を落とし、抜刀の構えをとる。そして自身のオリジナル武技を展開する。

 

〈領域〉〈瞬閃〉〈神閃〉

 

これをもって繰り出す秘剣──虎落笛。頭部を一刀両断する、まさに一撃必殺の奥義。

 

「そろそろ準備はできた?」

 

無言を貫き、鋭い呼吸を繰り返すブレインに、シャルティアはつまらなそうに肩を竦める。

 

「それじゃあ──蹂躙を開始するわ」

 

シャルティアは上品に歩みを進める。その歩みは警戒もまるでない。

ブレインはその様子に苦笑を押し殺し、シャルティアが領域に入るのを静かに待つ。

 

(──一撃で屠る)

 

あと三歩、二歩…一歩。

 

(──その首、貰った!)

 

心の中で吐き捨て、ブレインは全てを叩きつける。鋭い息を短く吐き、鞘から抜かれた刀を空気すら断ち切りながら、シャルティアの首へと伸ばす。

 

(取った)

 

ブレインはそう確信し──

──目の前の出来事に思わず瞠目した。

 

シャルティアは摘まんだのだ。──その一撃を。雲耀の速度での一撃を。それも蝶の羽を摘まむような優しさをもって。

 

「ば、化け物──」

「あら。やっと気づいたの?私は残酷で冷酷で非道で──そして可憐な化け物よ」

 

摘まんだ手を離すと、ふわりと大きく後ろに飛び退く。それはシャルティアが元にいた位置だ。

 

「そろそろ準備はできた?」

 

一言一句違わない先程と同じセリフに、ブレインの脳裏がカッと熱を持つ。どこまで馬鹿にするのかと。だが、その反面、馬鹿にする余裕すらあることを悟り戦慄する。

 

(──逃げる…いや、身体能力の差を考えれば無理か)

 

そう判断したブレインは再び抜刀の構えをとる。それを見たシャルティアも再び歩みを進める。

 

「──蹂躙を開始するわ」

 

三歩、二歩…一歩。

 

狙うは一点、踏み出してきた右足首。切り下ろす刀は、先程以上の速度が出たことを確信した。

 

(いける!)

 

その刀が少女に相応しい細い足首を切り飛ばそうとし──

──刀の柄からブレインの手が滑り抜けた。

 

あり得なかった。しかし、それが事実だった。刀は少女のハイヒールに踏みつけられていた。

信じたくない理由はただ一つ。〈領域〉の中でさえ、踏みつけられたことを知覚できなかったから。

 

シャルティアが再び大きく飛び退く。

 

「──そろそろ準備はできた?」

「っ!」

 

三度掛けられる声に、何よりも絶望を強く感じる。

 

「……それなりの強者かも、と思ったのだけど、あなた…。申し訳ないわね。私が測れる強さの物差しは1メートル単位なの。1ミリと2ミリの差って分からないのよね」

 

自分のたゆまぬ努力。本気で鍛練してきた己という存在の全て。それを目の前の化け物は馬鹿にしている。

ブレインは沸き上がる怒りに身を任せ、怒号を吐き、シャルティアに切りかかる。

 

「──ああああああああ!」

 

だが、その全ては当然のごとく弾かれる。それも力も入っていない左手の小指の爪だけで。

ブレインはようやく理解した。どうあがいても足元にすら近寄らせてもらえない領域に立つものの存在を。

 

「……俺は…努力して……」

「努力?意味のない言葉ね。努力はもともとあった才能を引き出すための行為。元がなければ関係ないわ」

 

それを聞き、ブレインは笑ってしまった。所詮はそこまでの存在。何を自惚れていたのだろう。自分が天才だなどと。自然と涙が溢れてくる。

そして声を上げて泣きながらブレインは駆け出す。背中を見せて。もうそれしかできなかった。身体能力の差など考えている余裕などどこにもなかった。

 

「今度は鬼ごっこ?色々と遊んでくれるのね?じゃぁ、楽しみましょうか」

 

 

 

 

 

「──エリザベート様。慰みものになっていた女以外、誰もいません」

「そう……」

 

ブレインを追いかけて奥に溜まっていた野盗たちを殺し尽くしたが、肝心のブレインはどこにもいなかった。どうやら隠し通路があったらしい。結局見つかったのは、野盗の慰みものとして拐われてきていた女たち数人だけであった。

 

やられた。入り口が一つだという情報を鵜呑みにして油断していた。吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)を一体、隠し通路から外に調べに行かせているがおそらく無理だろう。

 

「……まぁ、顔は見られていないから良いか。それにパンドラズ・アクターから連絡はないし、問題ないのでしょう」

 

逃げられて困る者ならサポートのパンドラズ・アクターが動いてくれることになっている。連絡がないなら困らないということか、別途価値があるのだろう。

すると、外に出していた吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)が帰ってくる。

 

「エリザベート様。外に冒険者と思わしき者が数人近づいて来ています」

「……へぇ」

 

 

 

 

 

外に出ると確かに人影がある。前衛として戦士が三人、そしてその後ろに女戦士。守られるように後方に魔力系魔法詠唱者と信仰系魔法詠唱者もいる。

総勢六人の男女は、洞窟から出てきたシャルティアたちに驚愕しながらも、混乱せずに警戒を緩めない。

 

「ふふっ。さっきの男に逃げられた分をここで取り返しましょうか。あなたたちは男を、私が女を貰うわ」

「「畏まりました」」

 

吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)たちが突っ込んでいく。大した強さの者はいない。万が一にも仕留め損ねることもないだろう。

シャルティアはそれをつまらなそうに見ながら赤毛の女戦士に近寄っていく。せっかくだから血でも吸おうと仮面をはずしながら。

 

シャルティアの真紅の瞳と視線が交差し、赤毛の女戦士は潜在的な恐怖を感じ、涙ぐみながら、一歩、また一歩と後退する。それから必死にベルトポーチを漁り、何かを取り出そうとしていた。そして取り出されたモノを見て、シャルティアは今日はじめての驚愕を覚える。

 

「馬鹿な!!」

 

口調も崩れ、空気が震えるような怒号が響く。シャルティアは自身の全力をもって女に近づき、捕らえる。

 

「目を見ろ!」

 

シャルティアは女の下顎を掴み、無理矢理自らの魔眼を覗き込ませる。スキル“魅了の魔眼”を発動すると、女の目は虚ろになり抵抗もなくなった。

シャルティアが聞きたいことはただ一つ。

 

「このポーションはどうした!誰から、何処で手に入れた!」

 

女が取り出したポーション瓶。それはナザリックで一般的に使われている瓶だった。

「宿屋で漆黒の鎧に身を包んだ人物からもらいました」

「……まさか…いや、そんな…何処の…何処の街の宿屋?」

「エ・ランテルの宿屋です」

 

シャルティアはぐらりと世界が揺れる思いだった。エ・ランテルでこのポーションを持つ漆黒の鎧の人物。当てはまるのは一人しかいない。

 

(なぜ?何らかの指令を?いや、こんな弱い女では死ぬ確率の方が高い。なら、コネクションの一環?)

 

コネクションの一環ならアインズの計画を邪魔したことにはならないかもしれない。

 

「……此所に来た目的は?」

「はい。野盗がいると聞いたので様子を窺っていました。そうしたら、何か異変が起こったようなので、チームを二分して、私は偵察部隊として来ました」

「二チーム…あなた達のチームは六人で全部かしら?」

「いえ。一人、情報を持ち帰るためのレンジャーがいます」

「何…?」

 

これは不味いかもしれない。顔を見せていないとはいえ、情報を持ち帰られてしまった。どうするべきか、と考えたシャルティアの頭に〈伝言(メッセージ)〉が響く。

 

『──シャルティア殿』

「……何?パンドラズ・アクター。レンジャーの方は始末してくれるの?」

 

シャルティアにとって天の助けともいえる。自分のミスを補ってくれる存在とは実に頼もしい。しかし、パンドラズ・アクターからの用件はそれとは別の事だった。

 

『そちらは問題ありません。アインズ様の名声を上げるためにも使えるでしょう』

「そう…良かった。では何かしら?」

『そこから南東に十二人の集団がおります。そのうちの一人、槍を持った男はレベル70以上。他の者たちもレベル四〇前後。この世界では強者に入るでしょう』

「……分かったわ。そいつらを捕らえれば良いのね?」

『ここまで強ければ蘇生も可能ですし、余計なリスクを負う必要はありません』

「それなら楽で良いわ。了解。回収の準備をしておいて」

『畏まりました。では、ご武運を──』

 

パンドラズ・アクターからの通信が切れる。シャルティアは吸血鬼の花嫁(ヴァンパイア・ブライド)に赤毛の女戦士を洞窟の中の女どもに紛れ込ませるように指示を出し、南東に向かって走り出した。

 

 

 

 

 

(……いた)

 

森を一気に駆け抜け、パンドラズ・アクターに教えられた場所に到着する。そこには情報通り十二人の人間がいた。槍を持った男もいる。

 

(確かに今まで見てきた人間とは違う。それに装備も私たちに近い……)

 

シャルティアにマジックアイテムの力を判別する力はないが、伝説級(レジェンド)以上の武装にも見える。

ひとしきり観察した後、シャルティアは自らのスキルを発動する。シャルティアの横に白い光が集約し、人間大の姿を象る。

 

スキル“エインヘリヤル”。魔法行使能力や一部のスキルは損なわれるが、能力値はシャルティアと同様。シャルティアにとって切り札と言えるスキルであり、相手の力が未知数の時に使うように言われていたものだ。

 

シャルティアはエインヘリヤルを集団に向かって突撃させ、自身は槍を持った男を相手にするのに適した場所へと回り込む。

エインヘリヤルに気付いた集団は臨戦態勢に入る。

 

「──使え」

 

冷ややかな湖面のような声を男が発し、ざわりと動揺が一同に走った。だがその動揺も一瞬だけ。すぐに隊列を組み直していく。中心にいるのは龍があしらわれた白銀のチャイナドレスを着た女。

シャルティアは仮面の下で眉をひそめた。その女は歳を取っており、服とは非常に合わない。シャルティアが内心で「正面をエインヘリヤルに任せて良かった……」と思う程には。

 

エインヘリヤルに指示を出し、老婆に突撃させる。そこに槍を持った男が間に入る。エインヘリヤルはその男をシャルティアが潜んでいる方向に殴り飛ばす。人間の脆い体なら砕けるような一撃だが、その男は吹き飛ばされただけで、死んではいない。流石はレベル70以上と言ったところか。

 

老婆の着たチャイナドレスが輝きを放ち、あしらわれた龍がまるで締め付けるようにエインヘリヤルに絡み付く。集団が「よし!」と喜びの声を上げる。しかし──

 

「なぜ!?」

「まさか『傾城傾国(ケイ・セケ・コウク)』が効かなかったと言うのか!?」

 

──一同は驚愕する。なぜなら秘宝の力を受けたにも関わらず敵は止まることなく突っ込んできているからだ。自分たちが信じてやまない、信仰する神々が残した秘宝。その力が効かなかったのだ。

 

「くっ!カイレ様を守れ!」

 

動揺はしているものの、すぐに二人の男が動いて老婆──カイレを守るために間に入る。だが彼ら程度ではエインヘリヤルは止められない。瞬きの内に二人の男とカイレはエインヘリヤルの持つランスによって命を絶たれる。

 

「カイレ様!そんな……」

「っ!撤退だ!殿は私が引き受ける!」

 

カイレが殺されたことに唖然とする一同。そんな中で槍を持った男はあくまでも冷静に指示を出す。しかし──

 

「──撤退されたら困るわね」

「っ!?」

 

一同は突如かけられた声に驚く。そしてゆっくりと声が聞こえた方向を見ると、森の中から一人の少女が現れる。その姿は仮面を被っているものの、襲ってきた白い化け物と瓜二つだということが分かる。

 

「なにやらそこの老婆が使ったアイテムに自信があったようだけど……ごめんなさいね。私の化身であるその子には通用しないの」

 

エインヘリヤルはシャルティアの化身。故にシャルティアが効かない効果は効かない。そして、世界級アイテムを使われたとしても、召喚主が世界級アイテムを持っている場合は無効化されるのだ。

 

「ふふっ。そんな絶望に染まった顔をされたら興奮してしまうわ。……とりあえず貴方。相手をしてあげるわ」

 

そう言って少女──シャルティアは槍を持った男を指差す。すると一人の女が震えながら言葉を発する。

 

「た、たい、隊長……」

「……奴の難度はいくらだったんだ?」

 

声を発した彼女“占星千里”のタレントは「相手の難度が分かる」というもの。その女がこれ程震えているということは、相手は相当強いのだろう。隊長と呼ばれた槍を持った男──第一席次は緊張感を持って尋ねる。他の面々もゴクリと唾を飲み込む。

 

「……な、難度…300……」

「な…ん、だと……」

「う、嘘だろ?なぁ、嘘だろ?」

 

その答えにフラつく一同。目の前にいるのは理解の範疇を越えた化け物だということだ。六大神の血を引く「神人」である隊長や、漆黒聖典最強の番外席次ですら難度は300には満たない。

 

「……そろそろ準備はできた?あまり遅くなるのは良くないのよ」

「っ!私が相手をする!お前たちは撤退しろ!必ず本国へと報告するんだ!」

 

第一席次は叫ぶように指示を出し、シャルティアに向かって突撃する。それを見ながらシャルティアは仮面の下で楽しそうに微笑む。

 

「少しは楽しませてくれるかしら?」

 

シャルティアの装備が変わる。白いドレスは血のように赤い全身を覆う鎧に、そしてその手には神話級(ゴッズ)アイテム“スポイトランス”。シャルティアのフル装備である。

 

第一席次が己の全力をもって槍を叩きつける。シャルティアはそれをスポイトランスで受け止める。中々の威力だ。だがシャルティアには効かない。

 

「良いわよ、貴方。もっと頑張って?」

 

シャルティアは槍を弾き、それから第一席次にスポイトランスを叩きつける。バランスを崩されていた第一席次は防御が間に合わず、もろにその攻撃を受ける。

 

「がっ!」

 

第一席次は十数メートルをノーバウンドで吹き飛んでいく。シャルティアは手を緩めず追い討ちをかける。

 

「──〈上位転移(グレーター・テレポーテーション)〉」

 

転移によって第一席次が飛ぶ方に先回りする。そして飛んできた第一席次を、今度は地面に叩きつける。

 

「かぁはっ!」

 

ドゴン!と轟音が鳴り響く。血を吐き出す第一席次。地面にクレーターができるほどの威力で叩きつけられたにも関わらず、命を保っているだけでも凄いといえるだろう。

 

「……もう終わり?これじゃあ拍子抜けよ」

 

呆れたように呟くシャルティア。第一席次は地に伏したままそれを忌々しげに見る。

 

(これほどボコボコにされるのは“彼女”以来だな…いや、難度だけならこちらが上か……)

 

第一席次は、かつて神人であることを驕り、最強だと信じてやまなかった己のプライドをゴミのように踏みにじった“彼女”を思い出す。

 

(彼女がこの化け物に会ったらどんな反応をするのだろうか?……常日頃から『敗北を知りたい』と言っている彼女は──)

 

そこまで考えて第一席次は思考を振り切る。こんなことを考えて弱気になっている暇などない。相手がどんなに強かろうと、傾城傾国(ケイ・セケ・コウク)が効かなくても、自分にはこの“槍”がある。必滅を約束されたこの槍が。

 

第一席次はゆっくりと立ち上がり、槍を構える。これを当てさえすれば自分の勝ちだ。

 

「まだ戦意があるのね…さしずめ最後の気力を、ってところかしら」

「………」

 

第一席次は応えない。ただ槍を当てることだけに集中する。

 

〈能力向上〉〈能力超向上〉

 

武技を展開し、己の全てをこの一撃に込める。

 

シャルティアがゆっくりと一歩を踏み出す。その瞬間を見計らい、第一席次は目をカッと見開き、自身の限界を越えた速度をもって槍を突き出す。そしてその槍は見事にシャルティアに当たり──

 

「──解放!!」

 

第一席次は槍──聖者殺しの槍(ロンギヌス)の力を解放する。効果は対象者を使用者もろとも消し去るというもの。第一席次とシャルティアをまばゆい光が包み込み──

 

──元の世界に戻る。第一席次は勿論のこと、シャルティアも傷一つ受けていない。

 

「そ、そんな…なぜ……?」

 

絶望が第一席次を襲う。秘宝、その中でも別格とされるこの槍の力を防ぐことなど不可能であるはずだ。

 

第一席次は知らなかったのだ。世界級アイテムを持つ者に、世界級アイテムが効かないことを。

 

「……この槍も世界級?二つも持っているなんて……」

 

シャルティアも流石に驚いていた。アインズに忠告されていたことから、一つぐらいは見つけられるかもしれないと思っていたが、まさか一気に二つも見つけられるとは思わなかった。

シャルティアは手首ごと、聖者殺しの槍(ロンギヌス)を奪い取る。

 

「っ!」

「へぇー。こんなみずぼらしい槍がね。パンドラズ・アクターなら分かったのかしら?」

 

シャルティアは痛みに苦しむ第一席次を無視して、様々な方向からロンギヌスを観察する。既にシャルティアの眼中に第一席次はいない。すると背後から呆れたような声が掛かる。

 

「──シャルティア殿」

「あら?パンドラズ・アクター。もう来ていたの?」

「もう来ていたの?ではありません。とっくの昔に、シャルティア殿が遊んでいる内に来ていましたよ」

「そうなの?他の奴等はエインヘリヤルに任せていたから大丈夫だと思うけど」

「二名ほど逃げていたので此方で処理しましたよ。もっと気を付けて頂かないとアインズ様に怒られてしまいますよ?」

「うっ!それは嫌でありんす……」

 

アインズに怒られると言われて思わず廓言葉が出る。

 

「そ、それじゃあこいつを回収してナザリックに帰りましょう。殺した方が良いかしら?」

「そうですねぇ……そちらの方が良いでしょう。シャルティア殿、頼めますか?」

「もちろん。それじゃあパンドラズ・アクターはアイテムを調べてくれる?この槍と老婆の着ているチャイナドレスは世界級アイテムみた──」

「──なんと!!世界級アイテム!!世界を変えるぅっ!超弩級のアイテム!」

 

世界級アイテムと聞いた瞬間、突然いつものハイテンション──実際はそれ以上のテンション──で叫ぶパンドラズ・アクター。先程までの「できるシモベ」はどこにいったのだろうか。

 

「パンドラズ・アクター!……とりあえず落ち着いて。早く回収して帰りましょう」

「──おぅっと!これは失礼しました。私としたことが…つい我を忘れてしまいました」

 

シャルティアに諌められ、パンドラズ・アクターは胸に手を当てて頭を下げる。その動作は無駄に洗練されていた。シャルティアは内心で「うわぁ……」と声を漏らす。アインズがいれば精神的ダメージを多大に受けたことだろう。

 

気を取り直し、シャルティアが一撃の元に第一席次を殺した後、残りの十一人も回収して、シャルティアとパンドラズ・アクターはナザリックへと帰還した。

 

 

 

 

 

「──という感じでありんす」

 

所々パンドラズ・アクターが補いながら、シャルティアからの報告は終了した。アインズは一つ大きな息を吐き出す。

 

「よく分かった。それで、その十二人の死体はどうしている?」

「第五階層にて保存しております。ご命令さえあれば、いつでも蘇生可能です」

「そうか。ならそいつらは放置だ。レベル70を越えるという隊長の男は気になるが、情報の面ではクレマンティーヌがいるし、何より国家機関の一部に属している者だ。下手に動かす訳にもいかん」

 

そうなのだ。捕らえた者たちは国家機関に属している。すでに裏切っているクレマンティーヌなら文句を言われてもどうにでもなるが、そいつらはそうはいかない。無駄な戦争を起こすのは愚策と言えるだろう。

 

「畏まりました。それで、レンジャーの方ですが──」

「──うむ。十中八九、冒険者組合から依頼が来るだろうな。モモンとしての名声を高めるチャンスだ。ナーベラルからの連絡を楽しみに待とう」

 

強大な吸血鬼の討伐依頼であれば、実質アダマンタイトと評価されているアインズに話が来ないはずかない。アインズはニヤリと笑みを浮かべる。

 

「とりあえずはこんなものだな。あぁ、そうそう。クレマンティーヌの今後についてなんだが──」

「──は、はい!」

 

シャルティアの報告を聞いて呆然としていたクレマンティーヌが我に返って、少し裏返った声で返事をする。

 

「そう構えるな。私は約束は守る男だ。でだ、お前の住む場所だが、第九階層の予備部屋の一つを与える。スイートルームの施設も自由に使って良い」

「お、お待ち下さい、アインズ様!この女にあそこをお与えになるのですか!?」

 

アルベドが慌てた様子で口を挟む。他の守護者たちも同様でしきりに頷いている。NPCにとってアインズたち至高の四十一人の居住スペースに、配下になったとはいえ外の者が入るのは嫌なことなのかもしれない。

 

「ああ。余っているのに使わないのは勿体ないだろう?」

「し、しかし……」

「……本来であればお前たちにも使わせてやりたいと思っているんだぞ?そう。例えばデミウルゴスにウルベルトさんの部屋を使わせてやるとかな」

「あ、アインズ様!何と恐れ多い……」

「お前たちは私たちの子供と言っても良いんだ。子が親の部屋に入ることに何の問題がある?」

 

アインズの言葉に守護者たちは「おぉ、何と慈悲深い」と感動している。大したことは言っていないと思うんだが。

 

「──畏まりました。ではユリに案内をさせるということでよろしいでしょうか?」

「ああ。ユリなら適任だな。そういうわけだ、ユリ。案内を頼んだぞ」

「はっ!畏まりました」

「クレマンティーヌ。眼鏡をかけた彼女がユリ・アルファだ」

「はい…アルファ様、よろしくお願いします」

「ユリで構いませんよ。こちらこそよろしく、クレマンティーヌ」

 

ユリはナザリックでは数少ないカルマ値が善のNPCだ。彼女なら人間のクレマンティーヌが相手でも上手くいくだろう。

 

「よし。次に褒美のことだが──シャルティア。何かあるか?先に言っておくが、お役にたてることが褒美です、は無しだぞ?」

「は、はい……。では…アインズ様のお時間を頂けないでしょうか」

「……時間?」

「はい。1日、私のためだけにお時間をお使い頂けないかと。ナザリックの全てを愛されているアインズ様の心を、その1日だけは私だけに向けて欲しいでありんす」

 

シャルティアは真摯な態度で希望を述べる。少し頬を赤く染め、もじもじと俯きながらお願いする様子はグッと来るものがあった。普段妖艶に振る舞っているせいだろうか。これが俗に言う「ギャップ萌え」というやつなのかもしれない。

 

「……分かった。今は少し忙しいが、シャルティアのために必ず時間を作ろう」

「ありがとうございます!」

 

パァッと花が開くように笑顔を浮かべるシャルティア。ここまで喜んでくれるとアインズとしても嬉しい。アルベドの方から「ギリッ」と聞こえたのは無視をしよう。

 

「シャルティアは決まりだな。パンドラズ・アクター、お前も今回の件の立役者だ。望むものならなんでも、とはいかないができるだけ叶えよう」

「では…冒険者モモンとしての次の任務に同行させて頂けないでしょうか?」

「同行となると、不可視化で付いてくるのか?」

「いえ、私がナーベラル殿の姿をお借りして、でございます」

「ふむ。それくらいなら構わないが…次の任務となると吸血鬼の討伐依頼だと思うぞ?それでも良いのか?」

「はぁーい!その任務は、すなわち演技!こと演技において、この私、パンドラズ・アクターの右に出る者はおりません!」

 

突然大声で答えたパンドラズ・アクターは背後に爆発のエフェクトが出そうな空気を醸し出し、右手を天に突き上げた決めポーズをとる。女性陣の「うわぁ……」という声がアインズの心を抉る。

 

(止めてくれ……そんな目で俺の黒歴史(パンドラズ・アクター)を見ないでくれ……)

 

三度の精神の鎮静化を経てようやく落ち着く。そして冷静になって考えると、パンドラズ・アクターの要望はありがたい。あたかも強大な吸血鬼を倒した英雄のように見せなければならないのだ。ナザリック最高峰の頭脳を擁し、道化師(アクター)であるコイツは適任であると言える。

 

「良いだろう。ではナーベラルには──」

『──アインズ様』

「っと、丁度連絡が来たようだ」

 

実に良いタイミングでナーベラルから〈伝言(メッセージ)〉が入る。予想通り吸血鬼の討伐について組合から呼び出しがあったらしい。

全ては予定通り。アインズはナーベラルにパンドラズ・アクターの希望を伝え、〈伝言(メッセージ)〉を切る。

 

「組合からの呼び出しだ。行くぞ、パンドラズ・アクター」

「はい!」

「他の者達もわざわざご苦労だった。各任務に戻ってくれ」

『はっ!畏まりました!』

 

守護者たちは一礼し、各任務へと戻っていく。シモベたちが部屋を出ていき、円卓の間にはアインズとパンドラズ・アクターだけになった。

 

「……既に台本は出来ているのだろう?パンドラズ・アクター」

「全てお見通しですか。はい、既にシナリオは出来上がっております」

「……そうか。では今回の件、全てお前に委ねる」

 

そう言いながらアインズは〈転移門(ゲート)〉を開き、その中に入っていく。パンドラズ・アクターはすぐには入らず、アインズの背中に敬礼を向ける。

 

 

我が神のお望みとあらば(Wenn es meines Gottes Wille )!!」

 

 




シャルティアが変装した姿は、原作のヤルダバオト編での姿を想像して頂ければと思います。

偽名は実際に伝承として存在する吸血鬼「エリザベート・バートリー」を引用しました。

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